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詩の世界

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2019年3月の記事一覧

奴隷ノススメ

明日の朝 家族を連れて
寒空の下 路頭に迷う

24時間止まらない 工場から聞こえてきた
悲鳴のような金属音 金属音の様な悲鳴
通りがかりに中から飛んでくる紙飛行機が
助けてくれと呼んでいる ここには人を喰う機械がいるって

その機械のスピードが あまりにも速くて
誰もが人間らしさを諦めることを覚えた
突然笑いだす奴が出てくるそんな時は
流れに遅れた誰かが 体ごと機械へ

吸い込まれていく 君の片

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ヒロシマ・ナガサキ

目を閉じて 耳を澄ませば
死んでもなお 踏み躙られてきた
爆心地の人々の叫び声が
私たちに重く重く のしかかる
ヒロシマ・ナガサキ

ONE MORNING
母なる大地を血に染めて
この国が全て正しいと
日の丸を掲げ 信じていたのさ
あの朝の光を浴びてもなお

この国のために全てを捧げよ
短い人生と命をワケもなく
この国のために全てを捧げよ
長い人生と命をワケもなく

1945 ヒロシマ・ナガサ

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Same

店先に並んだ欲望の値段
周りと同じ顔をして手に入れる
誰かがそれを「違う」と言っても
聞こえないふりして
笑っているだけ

使い古された権利の主張
自分の顔が見えなくなった
誰かがそれを捜そうとしたら
よってたかって邪魔をするざまさ

時間に流されたん時間の海
周りと同じ速さで泳ぐ
誰かがここで溺れていたとしても
しらん顔して漂うだけ

自由がマヒした自由の檻
自分の頭が使えなくなった
誰かがそれ

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Waltz

こだわる夢を押し付けないで
歩き続ける道がなくなるから
誰もケチなんかつける気はないけど
邪魔だけはして欲しくはないだけさ

大空に舞い上がる言葉は
誰にも向かい降り落ちていくの?
まるで両刃のカミソリの様さ
俺の身体も切り刻んでしまうからね

望み続けていた自由の奴隷さ
俺もあんたも頭から縛られ
あがき苦しんでいるのは同じ事
でも外し方はそれぞれにある筈

こだわる夢を見間違えないで
昔をくり返

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鳥の歌

鳥の歌

落ち着いた季節になっても
また置いてけぼりをくったみたいだ
あんなに待ち望んでいた夢は
そのままで残ってしまったから

優しい風が吹いても
また乗り遅れたみたいだ
あんなに大きかった希望は
まだ何も叶っちゃいないから

眩しい光が溢れても
まだ芽は少しも開かない
無くなると思っていた憂鬱は
また少しずつふくらんだみたいだ

だから僕は土になって
だから僕は木となり
いつまでも待ち続けよう
「鳥の歌

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