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アルケミー 『錬金術』 ①

錬金術を知ってますか?

中世に色々研究した。

亜鉛を金に変えたいとか、

スズを銀に変えたいとか、

ものすごく優秀な研究をたくさんした。

酸で溶かしたり、アルカリで溶かしたり、

合金を作ってみたり、

錯体を作ってみたり、

ありとあらゆる試みをやった。

どんな立派な仕事をしても、

金は金だし銀は銀だ、

どんなことをやっても

元素を別の物に変えることは

できないというのが錬金術の結論で、

錬金術は敗退したわけですが

錬金術は出来た。

なぜかといえば、

ウランという元素をもってきて

それを核分裂させれば、

セシウムという元素ができる、

ヨウ素もできる

量の多寡を問わなければ、

金だって銀だって

白銀だってできていて、

錬金術はできることが

すでに分かっているわけです。

それであるなら、

作ってしまったセシウム137

あるいはストロンチウム90に

錬金術を施して

別のものに変えてしまえば

いいじゃないか

ということになってしまう。

人類が原子炉を動かしたのは

1942年で

米国が原爆製造の

マンハッタン計画の中で

プルトニウムを作りたいという

動機から

原子炉を動かし始めたわけですが、

その時から研究者は

みんな知っていた。

ウランを核分裂させてしまえば、

膨大な核分裂生成物が

出来てしまうし、

それが無毒化できないなら、

えらいことだということに

気がついて、

その時から錬金術で消そうという

研究が始まっているわけです。

それで、ずっとやってきたけれど

70年以上経った今でも、

残念ながらできていません。

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