2017年のドット絵界隈Topics

この記事はドット絵 Advent Calendar 1日目の記事です。

とうとう始まりました、ドット絵 Advent Calendar。「ドット絵 Advent Calendar」でTwitter検索すると、どうも私は去年や一昨年も同じことを考えていたようです。そのわりに有言不実行で、これまではなにもしていなかったのですが、今年は思い切って開催させていただきました。驚くことに、ドット絵に関する記事を書いていただける方が、多く集まっております。最悪、ひとりAdvent Calendarになるんじゃないかと恐れていましたが、その必要はなさそうです。ドット絵界隈だとドット絵はあっても文章として残るものは少ないので、たいへんありがたいことです。これからどんな記事が飛び出てくるのか楽しみですね。

さて、初日ということで軽く、今年2017年に起きたドット絵周りで、私が印象に残っていることなどを綴ってみたいと思います。毎年、ドット絵界隈のなにかしら面白いことは起こっているのですが、いざ振り返ってみると、あれはいつのことだったかしら…と思うことも多くなってきたように思います(老化かな?)。そんなわけで、数年後この記事を読んだときに、2017年はこんなことがあったなあ…と思い返せる内容になればとおもいます。

2017/3/13 ドット道が復活

ドット道といえば知る人ぞ知る、著名なドット絵講座のサイトです。経験者が、初心者向けに1個だけドット絵講座のサイトを選んでと言われたとき、ドット道が挙がることも多かったのではないでしょうか。ドット道は、「ドット絵プロフェッショナルテクニック」の元にもなっています。ちなみに、個人的にですが、2017年時点でオススメできるドット絵技法の書籍はいまだにドット絵プロフェッショナルテクニックしかないと思っています。

しかし、ドット道が掲載されていたサイトの手前みそ工房さんが2014年2月ごろ閉鎖され、ドット道も一緒に消えてしまっていました。そのドット道が、3年の時を経て復活しました。さらに、当時なかった新しい内容も追加してくださっています。

ドット絵の技法についてわかりやすくまとめられるというのはそう簡単にできることではなく、後世に伝えられる貴重な文献です。大変ありがたく、たまに振り返って繰り返し読ませてもらったりしています。

(ちなみに、旧サイトもInternet Archiveにアーカイブされていたりはします)

2017/5 ドット絵こんばーたが流行る

ドット絵界隈の、という文脈からは、少し外れてしまうかもしれませんが、Twitterなどを始めとしてドット絵こんばーたが流行ったように思います。公開されたのは5月ですが、今でもたまに利用されている姿を見かけます。

この手のイラストや写真の画像をドット絵風画像にするものは昔から存在はしてはいて、やってみるとイマイチだったりすることもあるのですが、ドット絵こんばーたを実際に試してみると、なかなかいい感じになっていて驚いたものです。

ドット絵を描かない人たちも手軽にドット絵のようなものを生み出せる遊びとして楽しんでいました。おそらく、普段あまりドット絵に親しみのない人からすると、「機械的に生成できるドット絵画像」と「人間が手で描いたドット絵」の差は、だいぶ見分けがつきにくいものになっているのではないでしょうか。

近年は画像の変換技術も発展しており、ドット絵ではないものから、ドット絵の絵柄に変換できる精度が上がってきているように思っています。実際、3Dで作った画像をもとに変換して手作業でドット絵の絵柄を整えると言ったゲームも数年前から出ています。人間の手作業でしか出せない味ももちろんまだあるのですが、研究が進んで独特の味すらもパラメタライズされ、自動で絵柄も調整できるような未来も近いうちに来るのかもしれません。また、人間の手では生み出しにくい機械ならではのドット絵の絵柄などというものも、もしかしたら将来生まれてくるのかもしれませんね。

手で描くだけがドット絵の絵柄を実現する技法ではないと私は思っているので、新たなドット絵技法の出現に今後も注目していきたいです。

2017/6/18 GraphicsGaleが完全フリーウェア化

ドット絵描きさんにドット絵エディタ何使ってます?というのは定番の質問で、私が聞いた限りでは、ほとんどの場合はEDGE(EDGE2)かGraphicsGaleという回答が返ってくるものでした。最近はAsepriteなども勢力を伸ばしていたりしますが、いまでもGraphicsGaleの人気は根強く、愛用しているドット絵描きさんも多いかと思います。

そんなドット絵エディタの巨塔の一つ、GraphicsGaleはシェアウェア(機能制限付きのフリー版もあった)のですが、6/18に完全にフリーウェアになりました。

これまでのフリーのドット絵エディタはほとんどアニメーション機能が弱く、アニメーションを描くならやはりシェアウェアのEDGE2かGraphicsGale、Asepriteあたりだったかとおもいます。そんななか、GraphicsGaleがフリーウェアになったということは、タダで気楽にドット絵アニメーションを描きやすい環境になったといえます。GraphicsGale自体、少し独特の癖はあるのですが、ショートカットキーあたりカスタムして慣れてくると、他のソフトでは描く気にならないという話も聞きます。

ちなみに、開発されているヒューマンバランスさんは、知る人ぞ知るコレピクの運営元でもあります。あのコレピクを継続して運営されていたり、GraphicsGaleをフリーウェア化した後も細かいアップデートはしていたりと、ヒューマンバランスさんのドット絵に対する思いには頭が上がりません。

2017/6/23 日本一ソフトウェアのドット絵がふるさと納税返礼品に

日本一ソフトウェアといえば、ディスガイアシリーズをはじめ、多くのドット絵ゲームを排出している会社です。その日本一ソフトウェアが、ドット絵をふるさと納税の返戻品にするということで話題になりました。

ねとらぼ:ふるさと納税で「ゲームに出演」「ドット絵になれる」 2日で品切れ、日本一ソフトウェア×各務原の返礼品はなぜ生まれた

話題になったこともあり、すぐに品切れになってしまったそうなのですが、可能になり次第順次また受付を検討されているようです。値段を考えたとき、ディスガイア風ドット絵を自分で描けばいいのでは(失礼)…とおもったりもしますが、やはり本業のプロの方に書いてもらえるのは大変魅力的で、おもしろい取り組みだとおもいます。

2017/10/8 PixelArtPark4開催

「4」とついているように、ドット絵のイベントであるPixelArtParkの4回目が開催されました。ドット絵のイベントというのは大変めずらしく、開催されていること自体たいへんすごいことだとおもいます。それでいて、4年前の最初のPixelArtParkのころから年を重ねるごとにどんどん規模も大きくなり、参加者も増えており、今年のPixelArtPark4も大盛況でした。こんなにもドット絵に興味がある人が存在していたのか…と毎年驚かされます。

私も、毎年参加させてもらっており(出展しているわけではない)、PixelArtParkに参加するとそろそろ衣替えしないとな…という気分になります。

個人的に今年特におもしろいとおもったのが、出展者としてエイリムさんとイクシールさんが出展していたことです。どちらもドット絵に注力されている企業で、PixelArtParkへの企業の出展は初めてのはずです。様子をみているかぎり、どちらも盛況だったようです。

ドット絵に力を入れている企業自体は他にももありますので、これを気に来年以降も他のドット絵会社さんもどんどん参入して、さらに盛り上がっていくとより楽しくなりそうです。

おわりに

ちょっと思い返しただけで、今年もなんだかんだドット絵に関するいろいろなことがあったように思います(思い出せてないものも結構あるとおもいます)。ドット絵というのは、決して古い題材ではなく、毎年なにかしら新しい何かが出てきます。なので、来年のドット絵界隈もまた新しい何が出てくれるのか、引き続き楽しみでなりません。

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