見出し画像

必要なだけの孤独を持って、人間がつながる場所


わたしはこれからもストリップ劇場に足を運び続けるよ、という想いを込めて。たった2回の鑑賞だけど、語らせてください。先輩方。


閉館前日の広島第一劇場へ
愛と尊敬で満ちた場所
土地と先人と新たな風と
ストリップ文化に集う人々のすべての、互いへの大きく深い愛と尊敬を味わった



人生2度目のストリップ鑑賞は、前にも増して息をのんで
あまりに必死で、いつの間にか祈るようにぐっと手を握っていた

圧倒された
その美しさに
正直、なにと表現してよいか分からない。美しさというしかないような
可憐な、懸命な、妖艶な、艶やかな、儚い、豪華絢爛な、賑やかな、しとやかな、美しさ
踊り子さんはいくつもの美しさを同時に映し出す
この世がもっている様々な彩りの美しさを。
そしてそれを支えているのは、踊り子ひとりひとりの人間存在の美しさと力強さなのだ、きっと
脆弱で力強い




でも、ストリップの素敵さは踊りだけでは完成しない
ポラ撮影*や開演前のしとやかな賑わい
あのなんとも言えない愛おしさの詰まった空気
みんなでお祭り騒ぎというのではなくて、それぞれが満ちている
常連さんたちは数人で集っていたり、踊り子さんとお客さんが目を合わせて喋っていたり、静かにただ見守っていたり、慣れないお客さんに声を掛けたり
ストリップ文化を愛している



ストリップ劇場は、必要なだけの孤独を持って、人間がつながる場所だと言える気がする。
公演中はそれぞれに孤独だ。どんな事情をもっているか、なにを秘めているか分からない、劇場に来た回数も理由も違う様々な人が、みな盆をみつめる。踊り子さんもひとり踊りきる。
でも、隣の人の拍手が聞こえていて、リボンが舞い、視線はそこにあって、ひとたび踊りが終わればぞろぞろと動き、しばしば会話が交わされる。
孤独だけどつながっていて、あたたかいような。わたしにとって劇場はそんな場所。


わたしはストリップ文化が好きです。
まだたった2回しか観ていないけれど。それでも、好きです。
これからも。




*ポラ撮影
踊り子さんの(と)写真を撮れる時間。アイドルのチェキみたいなイメージ(現在はコロナの影響もあって2ショットは禁止が多いよう)




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?