祈り
3月11日
気仙沼から届いたキャンドルをもって 近所の大きな公園に行った
土曜日ということもあって ちいさな子どもたち 家族連れがたくさん
滑り台をしたり ボール遊びしたり 走ったり 大人は昼間からビールを飲んでいたり
わたしたちも 買ってきたパンとコーヒーで遅い昼食をとる
もうすぐ 時間だ
と思って
キャンドルを取り出して 火を灯す
けれど 風が つよくて
すぐに消えてしまう
もういちど 火を灯して
キャンドルの両わきに腰掛けて
手で囲いをつくる
火が吹き消えてしまわないように
14:46
立ち上がって 北側を向く
手をあわせる
海と気仙沼に暮らす人たちの顔が浮かぶ
雪の日に 復興祈念公園の碑にきざまれたおひとりおひとりの名前をみるために
ぐるりと 雪をすべて払ったこと
思い出す
ずっと 目を瞑って 手を合わせていた
さきに 目を開けた友人が教えてくれた
向かいにいた 5,6歳くらいの子が
すごく 不思議そうに
この人たちは 何をしているんだろうって
目を していたよ
って
その後
一瞬
ほんとうに 一瞬
子どもが 急いで とりあえずする「いただきます」ぐらい
一瞬
わたしたちと同じ方を向いて
手をあわせていたよ
すぐ遊びに戻っていったけど
って
たまらない気持ちになる
祈りは 静かな場所で ひっそりと してきた
けれど
生活の中に
ぽんっと
存在して祈る
というのも いい
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