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ペイント大全マスターズ:肌(後編)

よくぞ来た。マスターズ:肌(前編)に続き、今日はマスターズ:肌(後編)をお届けしよう!

前編でベースコートからレイヤリングまで終えた北方の流浪戦士。

3:目を入れる

エッ?まだペイント中なのに目を入れちゃうの? 最後の一筆でやるんじゃないの? と思うかも知れないな。君はとある先入観に囚われている。それは「最後の最後に目を描いて仕上げるべし」という先入観だ。これは、人形や像には魂が宿るもので、最期の仕上げで目を描き入れて入魂する、とする想いが根底にあるのかも知れぬ。これはこれで実に興味深く、霊験アラタカであるとも思うが、俺は仏像を作る訳ではなく、日本人形の塗り師でもないので、ミニチュアペイントにおいてこれに従うつもりは全くない

理由は明確で、最後にやると一発で決めることが難しく、結局肌色でリタッチすることが増えるからである。目は肌よりも奥まった部分にある部位であることを思い出してくれ。そう、目の上にはまぶたがある。だから、まず目を入れてから、まぶた部分の肌を塗り、そこでようやくシェイド入れに移るのが俺のやり方だ。ミニチュアの目は小さいから、そこをハミ出さずにペイントするのはとっても難易度が高い。逆に、目の部分にハミ出さないよう、目のエリアを避けてペイントするのは、それほど難しくないんだ。

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