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書籍かインターネットか。それともYOUはSHOCKか。

インターネットは便利で素晴らしい。スマホがあれば、それは図書館を丸ごとポケットに入れているようなものである。インターネットにあるものは、無尽蔵ともいえる集合知や発想の宝箱だ。もちろんそれは玉石混合というか、有象無象が入り混じっている訳で、俺たちは、目の前の情報をちゃんと選別する能力を鍛えないといけない。

だがそれは書籍でも同じである。本でもネットでも、媒体が情報の信憑性を担保することはない。

考えてもみてくれ。君は本屋で「戦慄!恐怖の心霊写真500選! 霊能者ボギー愛子先生監修!!」みたいな、どう考えても怪しい本が売っていたらそれを買うのか? 俺は買うよ。そういうの大好きだし。

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身近に図書館がなくなって久しいけれど、「いつでもアクセスできるポケット図書館」がある今、本当に便利な時代だと思う。検索能力さえ磨けば、あらゆる情報に瞬時にたどり着ける(情報統制されていない限りは)。

一方で、俺は本の手触りが大好きだし、ランタンのあかりで本を読むのは相変わらず最高のひと時だ。今やTikTokとかFortniteとかばっかりしている娘に、本の手触りやページをめくるドキドキを改めて教えてあげたいとも思う。ただ、この感覚は悪い予感がする。ファミコンで野球をしたがる俺を見咎めた両親が、俺に少年野球をやらせたのと似ている気がするからだ。

両親がファミコンネイティブ(そんな言葉はないけど今俺が作った)じゃなかった為に、両親は「ファミコンよりいいはず」と、俺に現実の野球をやらせた。俺はデジタルネイティブではないので、「ネットよりいいはず」と、本を読ませたいだけだと思う。

もしも俺が、俺の価値観を娘に無理やり押し付け、「提案」と言う名の強制で本を読ませたら、彼女は本そのものを憎むようになると思う。6年間少年野球をやった結果、俺が「もう二度と野球なんかやりたくない」と思ったのと同じ結果が待っているに違いない。

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