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8.瞬間英作文についての考察

こんにちは、Heroです。
先日何気なく呟いた以下のツイートが、私のフォロワー数からするとかなりの数のいいねが付きました。反応してくださった方、ありがとうございました。

さて、今回は瞬間英作文についての考察を書きたいと思います。私はこのトレーニングを10年前から継続していて、特に英語を「話す」能力について上達を実感しています。

詳しい学習方法は、既に書いた以下のnoteに譲ります。本稿では、瞬間英作文とは?について私なりに掘り下げていきたいと思います。

【目次】

・瞬間英作文が必要なのはどんな人?
・英語力についての考察
・書く能力についての考察
・話す能力についての考察
・瞬間英作文トレーニングを継続するとどうなるのか
・おわりに

【瞬間英作文が必要なのはどんな人?】

瞬間英作文は、TOEIC等のテストである程度以上のスコアが取れるようになったが、いざ会話しようとすると英語が出てこない人にぜひ取り入れてほしいトレーニングです。後述しますが瞬間英作文は英語を「話す」こと、特に日常会話において多大な効果を発揮するトレーニングです。もちろん、これから英語学習を始める方も、テストのスコアだけでなく実践力をつけるため、ぜひ早期から取り入れるべきトレーニングと言えます。

【英語力についての考察】

まず、英語力(というか言語能力)は大まかに以下の4つに分類できます。
・話す(Speaking)
・聞く(Listening)
・書く(Writing)
・読む(Reading)
言語習得にはこの4つをバランス良く伸ばしていく必要がありますが、どれか1つの能力「だけ」を伸ばすトレーニングは存在しません。例えば語彙力強化は4つ全てに関わってきますし、一般的に読む力を強化すると言われる多読トレーニングも、実はリスニング力の強化に重要な役割を果たしています(詳細は多読トレーニングの項を参照)。
この4つの内、受動的な能力である聞く(Listening)と読む(Reading)は、独学で音読や多読を行うことによって、ある程度上達させることができますが、能動的な能力である話す(Speaking)と書く(Writing)は工夫しないと上達が困難です。日本人の間で広く普及しているTOEICテストが、ListeningとReadingセクションしかない影響も大きいと思っています。今はTOEIC Speaking&Writingテストもありますが、普及にはしばらく時間がかかるでしょう。ちなみに、国際的な英語テストであるTOEFLは、上記4つの能力別のセクションに分かれており、全てを測定されます。留学を志した経験のある方はご存知だと思います。

【書く能力についての考察】

能動的な能力である話す(Speaking)と書く(Writing)のうち、書く能力に関しては、時間と手間をかければある程度ちゃんとした文章が書けるというのが私の見解です。例えば私がeメールを書く際に行っているのは以下のような手順です。かける時間にもよりますが、丁寧な長文を送る必要がある場合は、以下のステップを全て行っています。
・辞書を使用
・英文eメール集などから参考になるフレーズを拝借
・連語辞典(Collocation Dictionary)を使用して単語の繋がりを確認
・Google検索(翻訳ではない)を使用して、一般的に使われるフレーズか確認
・ネイティブの書くeメールから参考になる部分を拝借

このようにして文章のブラッシュアップを継続すると、自分が自然に使える文章の質も良化していく、というのが書く力の上達プロセスです。

【話す能力についての考察】

では「英語が話せない」とはどういうことか、分解して考えてみます。「特に英語の環境に身を置かず日本で生まれ育った人」が、相手から英語で何かを言われて、自分の意見を回答する場合、おおむね以下のプロセスを踏むと考えられます。

①相手の言ったことを(一部日本語に直しながら)理解する
②自分の回答を日本語で考える
③それを英語で何と言えばよいか考える(ぼんやりとした文全体のイメージ)
④英文を頭の中で組み立てる(使用する単語や語順など)
⑤英文を口から出す

は、発音と音読トレーニングを継続すればできるようになります。独学が比較的やりやすい部分でもあります。
が上手くいかない場合は、会話における前提知識が不足している可能性が高いです。仕事上の会話であれば仕事のスキル向上、雑談であれば自国と相手国の文化・歴史に関する本を何冊か読んでおくことをお薦めします。私は仕事で初めての国に行く場合、このような読書を事前に必ず行っています。
についても、発音がある程度上達できていて、事前に文章をうまく組み立てられていれば、問題なく相手に伝わります。
問題は③④です。日本人は決して英文を組み立てる能力が低いわけではないのですが、ここには英文を「書く」場合とは決定的に異なる点があります。それは「応答速度」です。スムーズな会話を行うためには、この部分に許される時間が非常に短く、ここに毎回数秒の遅れを生じさせてしまうと、相手に「まどろっこしい」と思われがちになります。私がこれまでにお会いした、「スピーキングが苦手、話す力を上達させたい」という方は、ほとんどがこの部分で躓いている方でした。逆に言えば、応答速度が速ければ、多少の文法ミスなどがあったとしても、ある程度ちゃんと会話をしているように聞こえますし、言い直しや聞き返しに対するハードルもぐっと下がります

【瞬間英作文トレーニングを継続するとどうなるのか】

瞬間英作文は、上記③④の応答速度を高めることに特化したトレーニングです。この部分を集中的に鍛えるトレーニングは(現時点で私が知る限りでは)他には存在しません。瞬間英作文は一言で言うと簡単な英文を短時間でたくさん作るトレーニングで、続けていくと応答時間が(文の内容にもよりますが)10秒、5秒、3秒、1秒・・と短くなっていきます。1秒ぐらいまで来れば、ほぼストレス無く会話できるようになります。前述の推奨テキストには文法や表現ごとにページ分けで記載されているので、続ければ続けるほど使える表現が増えていきます。
瞬間英作文は、簡単な文章を素早く構築するためのトレーニングです。例えるなら、全身運動の水泳ではなく、胸筋のみをピンポイントで鍛えるベンチプレスに似ています。最初から英語の文を組み立てることができればそれが一番良いのですが、日本で生まれ育った場合、思考は基本的に日本語です。であれば、日本語から英語の変換速度を極限まで高めてやろう、というのが瞬間英作文のコンセプトです。
まずは簡単な文章を素早く作れるようになったら、その後は映画や読書などで多様な表現を身に着け、会話に幅の広さを持たせていく、という学習プロセスが良いでしょう。

瞬間英作文を継続すると、会話のテンポが非常に良くなります。発音トレーニングと組み合わせると、かなり流暢に話せるようになるでしょう。流暢といってもカッコよく話すことが目的ではなく、自分が言いたいことを相手に一回でわかってもらうことと、会話のテンポをできるだけ良くすることが目的です。

これだけ有効な瞬間英作文ですが、継続し、効果が出るまで続けられる人は少数なのが現実です。その理由はやはりトレーニング自体が単調で、飽きやすいことにあります。しかし、効果が絶大なことに加え、この単調さが参入障壁になり、一旦マスターしてしまえば優位性を保つことができると考え、ぜひ継続してほしいと思います。

【おわりに】

TOEICはリスニングとリーディングしかありませんので、ハイスコアを目指すだけなら瞬間英作文は不要です。しかし私のnoteでは一番始めの記事で書いたように、TOEIC900ではなく、TOEIC900レベルの英語、すなわち英語の基礎が完成し、ある程度英語を操れるようになることを目指しています。そのため、(音読と並び)最も重要なトレーニングの一つとして紹介させて頂きました。


まとめ:瞬間英作文は、英語の「応答速度」を向上させることに特化したトレーニングです。テンポよく英語で会話できるようになるために、ぜひ取り入れましょう!


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