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vol.16 誰かと何かを作るはなし(トム編)

突然ですが、皆さんは『トムとジョリー(髭)』というユニットがあったのをご存知ですか?

miyaさんがジョリー、私ことちくわ【どんぐり】がトムとなって結成した、原作と作画を交互に担当し、1ページマンガを制作するという期間限定ユニットでした。
相棒のジョリーが素敵なメイキングマンガを描いてくれたので、今回は私側から見た舞台裏のお話を書きたいと思います。
(知らない方は是非見てってね~w)

(↑こちらはmiyaさんのメイキング『誰かと何かを作るはなし』)

●始まりは突然に

そもそも何故に私とmiyaさんが『トムとジョリー(髭)』をやるという話になったかというと、2015年の暮れまで話が遡ります。
当時、私は警察に追われて隠れる場所を探していたのですが、そこに現れたのがヤクザに追われているmiyaさん…って、こんな調子でフザケていたらいつまで経っても終わりませんねw。
実際にはmiyaさんがお友達の結婚式で関東に来られることになって、その時に運良くお会いすることが出来たのでした。(miyaさんの結婚式のエピソードはこちら

以前からmiyaさんの描くイラストやマンガの大ファンだった私は、お会いする機会がとても嬉しかったのを憶えております。まぁ、私のうっかりでお店に予約を入れておらず、寒空の下、夜の渋谷をさまよい歩くという失態を見せつけてやった訳ですが。

それがきっかけとなり(なったのか?)、何か一緒にしましょうという話になり、その後正式に『トムとジョリー(髭)』プロジェクトが動きだしたのでした。
この時まだ名前は無かったんですけどねw。

●やりたい事と出来ること

最初はmiyaさんから『私が原作を書いて、ちくわさんにマンガを描いて欲しい』という希望を頂いておりました。
それを聞いて、私は結構頭を抱えていたんですね。

その一番の理由は『実力不足』というシンプルな理由からでしたw。

ことnoteに関して言えば、私への評価は(ありがたいことですが)無駄に高く評価されていて、普段はそれを利用して調子に乗っているのですがw、こういう時には非常に困る訳です。「そんなに期待したって、出来ないよ?」ってw。求められる事と実際に出来る事のギャップがブーメランのように自分に刺さり、調子に乗っている普段の自分を呪うのでしたw。

けれど、せっかく大好きなmiyaさんと何かをやれるチャーンス。
なんとか出来ないものだろうかと色々と考えて、ひねり出した私の答えが『互いに原作を140文字で書いて、1Pマンガを描く』というものでした。多分私に出来る限界がここらへんかな、とw。(そして私はどうしてもmiyaさんの描いたマンガが読みたかったのですw)

最初の希望からは大分遠い返答になってしまいましたが、miyaさんは快くOKして下さり、そのようにしてmiyaさんと私、ちくわ【どんぐり】のコラボ企画が実際に動きだすこととなったのです。


実際にやる事が決まると、まず最初にしたことがルールの再確認でした。ルールといっても具体的な事ではなく、私自身のスタンスのルールですね。
これは『なぜ一緒に作るのか』という理由を『楽しいから』以外に見つける為です。

何かをやる時に『楽しい』という感情は一番大事だと思うし一番の原動力だと思うんですが、同時に『楽しい』という感情は、『時間が経つとだんだん色褪せてくる』厄介な性質もあると思うんですよw。
特に私の場合はすぐにダレてしまう性格なので、なおさら最初の段階でちゃんと考えておかないといけないんですね。

そのルールが、以下のものでした。

・作品に対する権利の扱いを同等とし、お互い自由に使えるようにする
・大事な事は作品という結果ではなくて、一緒にやれるという過程
・原作と作画、足を引っ張り合わないようにするための仕組みを考える

それぞれ細かく説明すると長くなってしまうので優雅に飛ばしますが(詳しくお知りになりたい方がいましたらコメント欄にご質問下さいなw)、基本的には『作品を自分の物として残せる仕組み』『楽しくやれる仕組み』を実現するための自分なりのやり方みたいなものですね。上の2つは基本スタンスとして、最後は今回のコラボ企画としてのルールとなります。

あと大前提として、『せっかくご一緒出来るのに、これ(企画)で相手との仲が悪くなりませんように』という祈りに近い願望がありますw。これは割と大事。本気で誰かと何かをやるって基本エゴのぶつかり合いだったりすると思うので、気をつけないとケンカ別れになることだって少なくないですしね。

私にとってコラボ企画は楽しい事には間違いないのですが、一歩間違うと簡単にこじれたり、誰かが嫌な気持ちになったりするものだと思っているので、こういう事を自分に再確認しながら企画に挑みました。

何より一番楽しみたいのは私自身だったりするので~w。

●トムとジョリー(髭)

そんなこんなで、いよいよ発進です。
とはいえ私の心構えが済んだだけで、まだまだ何にも決まっていませんw。

miyaさんとlineなどでやりとりしながら(キャッキャウフフ~)、ちょっとずつお互いにやりたい事やルールを決めていきました。『140文字の原作で1ページマンガ』という大元のルールは決まっているとはいえ、細かい部分は何にも決まっていませんでしたから。


ユニット名もその一つでした。
やり取りの中でmiyaさんから出てきた提案は、私にとっては意外なものでした。

『他の人に決めてもらいたいです』

え、そうなの!?自分たちで決めないの!??
全然予想していなかった提案に、動揺を隠せない私は、それでもline上でニヒルなダンディキャラを装いながら、震える手で書き込みます。

『い、い、良いですねーw!で、で、でももし、人に決めて貰うとして、それが気に入らなかった場合も使い続けなければいけなくなるのですが大丈夫ですか?例えば『うんこちんちん』になる可能性だって無きにしもあらずですよ?』

例えがアレな所に動揺を隠しきれていないですねw。
それでもmiyaさんは、そちらの方が楽しそうという事だったので(←こういう所に器の大きさを感じますw。さすが大物やでぇ~w)、結果的に私とmiyaさん、それに候補をお願いしたどでかごんさんなおさんの4人で4案を出し合い、アンケートの結果、見事なおさんの『トムとジョリー(髭)』となったのでした。


ここら辺の話は上の記事を見てもらうとして、ちょっとしたこぼれ話をw。
最初の『うんこちんちん』という例えがその後もmiyaさんの頭にリフレインし続けた結果、miyaさん提案は『南京玉すだれ』となったようですw。『なん、きんたま…』し、、、下ネタ!!

関わって頂いたなおさん、どでかごんさんはその後も『劇団【割と暇】』として音声ドラマとしてトムとジョリー(髭)の作品を扱ってくれたりもして盛り上げて下さいました。またその完成度が凄くて!まさかの事態にmiyaさんと二人で小躍りしながら祝杯を上げておりました。その節は本当にありがとうございました~!


とまぁ、表面上はほとんど進展は無かったんですけど、line上で打ち合わせを繰り返しながらこんな事をしておりました。ツイッターでアンケートしたり、それをmiyaさんがマンガにしたり。そうそう、マガジンの扉絵とかもありましたね〜。
そんな事を繰り広げながら、ふと私は思う訳です

いつになったら本編始まるんだ

と…w。

この時点でもう4月を過ぎていたのですが、全然本編始まらないw!
1ページマンガを作るためにどれだけ時間を掛けているんだって話ですね。

結果的にトムとジョリー(髭)の最初の作品『vol.1〜車は飛ばない〜』が出たのは5月17日ですからお話から半年くらい経っていたんですよね。本当にゆったり進行でした。

とはいえ私にとっては、その間もとても楽しい日々でした。

miyaさんの描いてくれたキャラクターの後ろに背景を描いたり、miyaさんにガーリーな女の子を描いて貰うために140文字の原作に四苦八苦したり、ネームを見せて貰って一人にやにやしていたり…。

なんかそれだけでも楽しいんですよねw。

みんながわーっと集まってするコラボ企画も楽しいですが、こういう、作品として誰かと突き詰めていく感じはとても新鮮で、それをあのmiyaさんと一緒にやれるという事で、私にとってはなんとも貴重な、得難い経験となりました。

そうして、ようやく本編が始まった後も、中身の濃いやりとりは続くのでした。

当初はこれだったら楽に出来るかな、と思っていた『140文字の原作で1ページマンガ』というルールも、プレッシャーやら、miyaさんのクオリティが半端なかったりやらで、回を重ねるごとにだんだん大変になってくるという誤算があったりしてw。
また単純にmiyaさんとのやりとりも『こんなにも色々と考えるべき事があるんだ』という自分自身の再発見もあったり、反省も色々とあったりしてw。

そんな感じのことをもう書いていけたらなーと考えていたのですが、、、おっと、残念~!もう紙面が足りなくなってきてしまいましたw。

という訳で、前フリの前編はここまでにして、次回に続きま~す!


次回『解散危機!?トムの発言、その時ジョリーは…!?』


お楽しみに~!w


ちくわ【どんぐり】

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