栄光の名文たち 追悼かなざわいっせい氏 第5回

かなざわ式馬券術はいくつか存在しますが、私が知っているのは刊行されている単行本に載っている範囲なので、その範囲での紹介となります。なので、キングギドラ指数などを詳しく知っている方は教えてください。

さて、今回は「シェーン・カンバック騎手」です。つまり、乗り替わり騎手だが以前にその馬に乗ったことがあり、連対も果たした騎手が該当するとのこと。再度、騎乗機会を得たというのでカムバック(かなざわ式にカンバック)ですが、それはほかでもない、映画『シェーン』の有名な最後のセリフである、「シェーン!カムバック!」をパクった代物です。映画の方はラストシーンで夕日の向こうに消えていったまま戻って来なかったのですが、果たして「シェーン・カンバック騎手」は再度連対を果たしてくれるのか・・・

出典は『八方破れ!どもならん!』です。

あああ、シェーン・カンバック騎手だったのだ(本紙掲載1997年8月4日)

馬連の軸を2頭にしてから大負けはしなくなったというところから話が始まります。でも始まっただけでこの話はすぐに終了。で、あるときにジェット噴射騎手で勝負してそこそこ儲かった、やはりジェット噴射騎手は爆発力十分じゃ!そしていま、新たな馬券術を披露する、それがシェーン・カンバック騎手じゃ!というワケです。上記のとおり、シェーン・カンバック騎手とは以前にその馬に騎乗して連対を果たしている騎手のことで、それも爆発力十分という触れ込みです。この条件に春から注目していたとのことですが、それにしてもこういうデータをよく発見するなと感心しきりです。で、肝心の結果は・・・?ハズレ。

しかし、これはシェーン・カンバック騎手のことをすっかり忘れていて、あとから振り返ったら当たりだったということです。しかもジェット噴射騎手の条件も持っていたというから、すっかり忘れて買っていなかったのは本人が書いているとおりの失態ですw

最終的にはこれで勝負したものの、その馬が発走除外となってしまったため、検証はできなかったというオチでした。

しかしアレですね、今時は乗り替わりが普通の時代になってしまったので、ややもするとシェーン・カンバック騎手はそこいらにホイホイいるのでしょうね。新聞紙上でも鞍上は再びルメールなのも推し材料みたいな本紙コメントなんかも普通にありそうです。そういった意味では、かなり時代を先取った馬券術だったのかもしれませんね。

(了)


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