【1周年記念】ヒプノシスマイク2ndLiveがすごかった件

先週開催されたヒプノシスマイク2ndLiveが想像以上にすごかったので、なるべくクールにその新しい時代の到来を残しておく。1週間たったことで漸く冷静に何がすごかったかを伝えられるように思われる。

なお、私はシンジュクでのライブビューイング参加。推しはシンジュク、男性声優LiveはアイドルマスターSideMしか他に経験はない。

そもそも、ヒプノシスマイクとは一言で言えば「男性声優12名によるラップバトルプロジェクト」(公式:https://hypnosismic.com/)。男性声優が歌うこと自体は珍しくない昨今であるが、ラップ・ヒップホップを歌うというところの新規性・公式の手厚い初心者ウェルカム体制・楽曲のすばらしさ・巧妙に練りこまれた世界観やキャラクター等など、様々な要因により、爆発的に人気になったメディアミックス作品といえる。
初見の方はとりあえず、以下の2つのMV(10分程度)のみ見てもらうほうが早いだろう。ペンは剣よりヒプノシスマイク、だ。

https://www.youtube.com/watch?v=SSvGPQNrtwQ

https://www.youtube.com/watch?v=kJ-SE6dhjAg

MVを見ればわかる通り、キャラクターよりも男性声優自体にスポットを当てた、いわば男性声優人気にあやかった作品だと「思っていた」。

では本題のLiveの何がすごかったのか、に移ろう。

①声優陣のキャラクターリスペクト・憑依がすごい
衣装・メイク等の外見、役者本業の役作り、空間の作り方、歌の演出etc様々な面で98%くらいはまさにキャラがリアルに戦って、傷ついて、もがいて、仲間とともにラップで戦っている。そんな幻覚を見るほどの圧巻さであった。男性声優自身としてふるまう場面がほぼ皆無で、数少ないMCの一言二言しかなかったのも大きい。(なお、その一言二言もエモい)全曲・各場面に言及したいところであるが、残念ながらオタク特有の記憶がない現象に見舞われているため、各ディビジョンごとに一言ずつにとどめる。
・イケブクロ
一つ屋根の下で暮らす兄弟・最年少グループの爆発力・求心性がすごい。
・ヨコハマ
(職業的に)少し危ないオトナの演出がずるい。立ち姿が一番リアル。
・シブヤ
フリーに惑わせる遊び人ポジション、いい具合に弄ばれてしまうのにキャッキャウフフしたくなる。
・シンジュク
各曲の空間制圧力がすさまじい。流石元祖ラスボスと言われたのを再確認した。

②本業ラップと声優ラップの2粒おいしい
今回のLiveでは本業のラッパー(ヒプマイに曲を提供されている)もゲストとして参戦、「ご自身の」曲並びにコラボを披露した。本物のラップを生で聞くのが初めての人も多いであろうに、すごく気持ちよく乗せてくれる。歌詞も何も知らなくても、何とも言えない高揚感があった。
対して、声優ラップ。おそらくほとんどの中の人がラップオンリーでライブをすることは初めてであろうに、役を通したリアルな感情が歌詞(フロウ)となって伝わってくる。まさに「精神直結カスタマイズ」、すさまじい「精神干渉」である。基本的に声優とは音声だけで言葉を伝えるプロだ。切れの良いコトバと抑揚・息遣い、これがヒプマイ世界の唯一の武器なのだという力をリアルに感じざるを得なかった。

③「中央区の女」構造による感情移入とリアル感がすごい
今回の目玉の1つがディビジョンバトルの結果発表である。
今回の「ディビジョンバトル」とは、我々ファンのCD等のお買い上げによる投票により結果が決まり、勝者のみが次の「ディビジョンバトル=CDの発売」に進める。
ヒプマイ世界の詳細は公式に譲るが、要は中央区の女(特権階級の女性)が男性の意地をかけたラップバトルを観戦するという構造の中で、各キャラのあれやこれやを楽しむのが、リアルの我々である。
中間発表によるリアルな票数の推移とドラマ、CDの積み増し、各ディビジョンへの応援、この戦いに身を置けば置くほどリアルな中央区の女となって、この2ndライブを観戦し、最終の結果発表に歓喜し、悲嘆にくれる。でも我々は絶対にそのバトル領域(Liveの舞台)には入れない、ドラマを外から間接的に作って覗くことしかできない。なんという巧妙な構造、アイドル化しがちな声優業界へのアンチテーゼのような構造なのだろうか。

そんなこんなで、間を置かずに行われる11月の3rdLiveも楽しみなわけであるが、先行チケットはご用意されなかったのである。今後のチケット運に期待、ヒプマイの未来が見たい、これが精いっぱいの韻ふみタイム。公式さんや、2nd映像をご用意しないとは言わせない。

今回、Live自体がすごい、という感想しか伝えられなかったのである。ヒプマイがなぜすごい・ヤバいのかについても③で少し触れているが、3rdLiveごろには記事にしたい。

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