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敗北宣言

すいません、タイトルはノリですw

この度、約20年間勤めました株式会社アミパラを退社することになりました。
店舗での勤務5年、仕入れ担当して約15年もの間、関わってくださった皆様には感謝してもし足りません。ありがとうございます。

辞めるとなると、「何かあったんですか!(好奇心)」という質問を良くされ、社外社内問わず、あることない事、噂もされようかと思います。
先に書いておきます。勿論多少の不満はありますが、それも以前からあることですし、待遇面で言えば地方企業として十分なものを頂いてたと思います。何より、今まで好きにさせて頂いた事の方が多く、辞めるに際しても感謝しかありません。
綺麗事ばかりではなくて、「勿論多少の不満はあります」。が、それよりも行く道の違いの方が大きいかなと。いわゆる、「音楽性の違い」(笑)

ということで、私が何に敗北を感じ、辞めるに至ったのか、少し書いておきたいと思います。

以前の記事も背景として読んで頂くと理解しやすいかもしれません。
(過去記事:ゲーセンの生き残る道は

①ここ数年の業界動向とビデオゲームの限界

以前にも書いたように、アーケード業界は2006年を頂点に衰退していたのが、2016年6月23日の風営法改正、未成年の立ち入り条例改正により、売上全体は回復しているものの、内情としては家族連れの増加とそれに伴うプライズゲームの伸長であり、「いわゆるゲームセンターのゲーム」が流行ってるわけでも何でもない。
一方で、単発的に大ヒットとなった艦これアーケードに端を発し、「ゲーセン独自のゲーム」が開発され、発売されたのが昨年度(2018年度)。

まー、発売は集中するので大変でしたね。色々と。
それでもここしかないという勢いで買っていただきました。
結果はご存知の通り、外れというほどではないけど、当たりもない。
これ書いたら怒られますが、ハズレてもいいんですよ。当たりが1つでもあれば。
ゲーセンのゲームが当たるというのは、お客様が増えることを意味します。増える→減るを繰り返しながらお客様数を維持するのがゲーセンなので、私の中で一番のNGは「当たりを買わない」事なのです。
でも、昨年度の結果としてはバージョンアップに近いガンダムEXVS2しかヒットしなかったですね。

購入代金と従量課金、必要な機械ではカード原価とかかってくる以上に売上が上がらなければ、お店として儲けは殆ど無いのです。それでもヒット作が出て、お客様がプレイしたい!と思われるような機械は導入して運営してきました。しかし、それももう限界かな、と感じてしまったのが1点。

何せ苦労して仕入れても、売上が上がらなければ誰からも感謝されない。
そもそも採算が微妙で、「この先の未来」が感じられないのが大きいのかもしれません。

一方で、プライズを中心とした家族連れ向けは好調なわけです。経営的な視点でみれば、投資に見合った回収(金銭的だけでなくて)が見込めないものに継続投資しないのは当然のことです。経営は綺麗事ではなく、社員とその家族を食べさせていく、時代の変化に対して会社を永続させていくには、しっかりと投資分を回収できる分野に集中していくのは当たり前です。
自分としても、部下やアルバイトさんの生活や、やりがいを考えたら、時流に乗るしかない(言い換えれば、時流にのる程度の能力しかない)と、方針を立てて、それなりの結果も出ました。
それはそれで正解だし、良かったなとも思いますが、それって自分でなくてもできることなんですよね。

また、ここのところレトロゲーセンもいくつかできてて、これもまたメーカーの新機種に頼らない運営をされてます。経営的にはそれが正しいのでしょうが、私にとっては違うんですよね。やっぱり、新しいゲーム、新しい体験があり、それを楽しむ不特定多数の仲間がいるのが私にとってのゲーセンなんですよね。

②eスポーツブームの到来

2点目はeスポーツがにわかに流行りだしちゃったこと。
意外かもしれませんが、ゲーセンには何のメリットも無いのです。これ。

別で記事(鉄拳7 3on3大会「ケロットカップ」、今までの振り返り(個人的感想など))も書かせてもらいましたが、ブームが来る前から、山佐さん、チームYAMASAのメンバーなど運営の方々とケロットカップを開催してきました(場所貸してるだけですが)。
そしてブームが到来し、プロゲーマーも仕事が増え、良かった良かった…のですが、現状、恩恵があるのは家庭用。マスターカップ、ケロットカップをはじめゲーセン発の大会もあるものの、風営法などの壁などや、①の事情もあり、「すごく近くの対岸で盛り上がってる」状況で、eスポーツとゲーセンの間には狭いけど深い溝があります。

ここで自分が感じたのは、そもそも自分のスタート位置って「ゲーム」であって必ずしも「ゲーセン」ではなかったな、と。勿論、働く前の通ってた時代も含めると軽く四半世紀はゲーセン漬けの身ですから、思い入れが無いわけではないです。ですが、学生時代はファミコンショップで5年ほどバイトしてましたし、中学生までは家庭用メイン。ゲーセンで働きだしてからも、勿論家庭用もある程度追いかけてたので、ゲームという括りで見ると、途端にゲーセンという枠で考えてしまうのが窮屈に感じたというのは正直あります。

ま、難しく書いてますが、早い話が「もっとゲームしたい!」ってことです(笑)

あ、あと認識が変わった出来事としては、
コールオブデューティブラックオプス4が、初週で23万本も売り上げたということ。
初代X-BOXやX-BOX360でHALOやCOD:MWなどを遊んでた頃は、日本ではFPSは流行らない、と言われてました。時代は変われば変わるもんだな、と…

③結局何に敗けたのか

ということで、この記事のタイトルに戻ると、
ゲーセンのビデオゲームの発展。という自分の目標に対しての敗北かな、と。それを内側からやる事に、折れてしまった。
だから、会社云々というのではなくて、自分の心の問題なんでしょうね。
時代に負けた。
とか言っとけばかっこいいですかね??

一体何様やねん?何目線やねん?と思われる方も多いでしょう。ただ、自分で言うのもなんですが、会社の規模と購入量から考えると、一定の影響力を持っていたと思っています。もちろん開発の舵取りをしてたわけでも、全国的に大きなシェアがあったわけでもありません。でも、それなりにどうにかできた部分もあったと思うのです。自分なりに自社とメーカーと業界全体のことを考えて、発言・意見、そして何より購入という最大武器で表現してきました。
自分の場合は、必ずしも自社優先ではない社内購入案を出すこともありましたが、それもメーカーや業界が良くなることが、回り回って自社へ良い影響になるからと信じていた面があるからです。

そういった具合で、その場その場で考えながら購買をし、担当した店舗の運営などで色々やってみたのですが、やっぱりだめでしたわ、と。ここは自分自身の力不足も大きいです。ミカドさんなどをみてると、まだまだやりようはあったのかなとも思います。

仕入れという仕事が、ゲーセンのプラスになると思ってやってきたけど、もはや「ただ消耗戦を仕掛けてる」「リスクの回避のために購入している」状況になってました。ふと気がつくと、そこに明るい未来があるようには思えなかったのです。

でも
「やったんですよ、必死に!でも、その結果がこれなんです!」
…いや、必ずしも必死ではなかったか…

④色々見て、聞いてみた

そんな具合で、アバウトではありますが、ゲーム関係でもっとできることはないか?と、個人的に色んな方にお会いしてお話を聞いたり、見に行ったり、ということをしました。
しかし、「アミパラさんでは〜」という話にしかならないんですね!興味あるのわし!会社関係ない!
って言っても名刺には会社名書いてるしなぁ。

私も長く勤めてるだけのただのハゲたオッサンですが、こんな人が来たらやっぱり会社の代表(役職的なのではなくて)にしか見えませんよね。そんなら看板外してみるか、って気持ちになったのも確かです。

あと、お話を聞いた方の多くは、やりたいことやってる方達で、輝いてもいましたし(物理的でなくて)、そこにも影響も受けました。

そしてここ近年、ファンタジスタの店長と絡んだり、チームYAMASAだけでなく、プロゲーマーやそれを目指す方々の「狂気」を見るにつけ、偉そうなこと言ってる割にはリスクとってないよな〜という気持ちも出てきました。ズルく稼いできたな、と。
じゃあ、自分の残りの人生何ができるのか?
それには今の立場でやれることも多いでしょう。でも、会社全体の方向性から外れたことを、皆に迷惑かけてまでやるべきではない。自分としてはそういう気持ちでの今回の区切りです。

⑤軸足を少し移したい

色々書いても、文章が下手なのは置いといて、心情やその変遷は伝わりにくいと思います。自分でもどこでどうなったか、前後関係とか曖昧なとこも多いですしね。
先にも書いたように「もっとゲームがしたい」って言うのと、「俺らの行ってたゲーセン(場所)」を再興するには、今のゲーセン業界ではやりにくい。っていう事が大きいのかなということです。
なので、自分としては少し軸足を移して、業界の枠外から何かできないかな、と思っています。
具体的には、○○をしたら、ジスタ店長がバイトを雇えて休める、みたいな(笑)

ただ、仕事は何も決まってませんので、仕事下さい。
よろしくお願いします(切実)。

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