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なぜ俺たちはゲーセンに集まっていたのか

こんにちは。
ゲーセン考察シリーズ(?)第二弾です。

前回(ゲーセンの生き残る道は)「集まる場としてのゲーセン」という結論を一つ書きましたので、それについて考えてみました。

結論から書くと、「これって今はSNSが取って代わってるんじゃね?」と思い至ったのでしんどいです・・・

■自分の場合

自分語りになってしまいますが、自分の場合から考えてみます。
スト2世代ど真ん中の私は、家庭用ゲームでずっと遊んでいたものの、足の問題(近くにない、自分の行動範囲外にある)、経済的な問題(ゲーセンで遊ぶほどお金がない)で中学生まではごくたまにしか行かなかったものの、この2点の問題がある程度解決した高校生になると、しょっちゅう通うようになります。大学に入ると、高校時代の友達と進学先が別々になりましたが、ゲーセンに行くと大概誰かいるので、これまた良く通っていました。
特に当時は携帯電話が普及する直前だったので、今のように外に出てから連絡する手段がなく、「あそこに行ったら誰かいるかな?」という気持ちでゲーセンに行っていたことを思い出します。

■その1ゆるく繋がれる

ゲーセンに集まっていた連中は基本ゲームをする同好の士ですので、最低限仲良くなれる下地はありました。普段の付き合いはないけど、ゲーセンだけでは話をする、対戦する、という人も多かったですね。濃い付き合いがあるわけではないけど、好きなものについては話をゆるくできる、というあまり突っ込んだ付き合いでない「ゆるい繋がり」が持てたように思います。

■その2基本無料

この言葉自体が、F2Pの携帯ゲームから使われだしましたが、ゲーセンも基本無料だったんですよね。遊ぶにはもちろんお金がいりますが、集まるだけなら無料。
だから、何かゲームに目的がなくても行ってたし、あまつさえ「最近やるゲームないんだよね〜」とか言って集まってたことさえありました。

■その3課金してもまた楽しい

新イベント始まったらガチャしちゃうよね〜って感じで、集まってた人間は新ゲームが発売されたらまずプレイしていました。猛者になると、とりあえずコンプするまでやる、って感じでクソゲーでもクリアするまでコンティニュー。周りの連中はそれを「これ理不尽じゃね?」とか、「クソゲーだなぁ」とか批評して楽しんだり、自分ならこうする、とプレイしたりしてました。
もちろん、名作は面白いし、何度もプレイするのだけど、そうでなくても皆でワイワイするのも楽しかったように思います。

■その4お山の大将、そして挫折


ゲーセンに入り浸る連中は、ちょっとはゲームの腕におぼえがある者が多かったように思います。そんなに大したものでもなく、小学生のときに「〇〇君ゲーム上手いよね」ぐらいの成功体験。
ゲーセンがたくさんあった頃はそんな人達の中で少人数で腕を競いあって、うち何人かは「あの人は強い」と言われるようになる。あるいは、友達同士の内輪対戦で一番強い、ということもある。少しお山の大将感を味わって仲間ができたら、「あの店行ってみよーぜ」と遠征したり、新作のロケテストが行われるような有名店に行ったりしてました。
するとレベルの高い人にボコボコにされて挫折を味わってしまいます。
この後、大体2パターンの行動にでますが、
1つは負けることに気分を悪くして、「自分の巣」に戻るパターン。
2つ目はもっと強くなりたい、と今までよりも取り組みを変えて練習するようになるパターン。
結局、どっちにしても金は使ってしまうわけです。

地元のゲーセンで楽しむ人達が集まる店と、強い人達が集まる店、というヒエラルキーができて、それがさらに県単位でのヒエラルキーになる。
どこどこの誰がもの凄く強くて…
あそこのゲーセンは強者が揃ってる

そうして、人が人を呼んで人と人が繋がる、という状況だったように思います。

ちょっと格闘ゲームシーンに限定して書いてますが、シューターなどはレアいもの求めて彷徨ったり、環境の良いところに行ったりと、また違う行動原理で動いてた感じでした。

■結論

先に書いてしまいましたが、集まる場所としての魅力もSNSに置き換わっちゃってて、ボイスチャットもできるから、騒ぐのも環境が許せば可能なんですよね。
じゃあやっぱりゲーセンの魅力って無いの?

最後に書いた「お山の大将、そして挫折」のような、段階を経ての挫折というのだけがあまりないかな。ネットが発達して、ランキングが出て、本当に強いが瞬時にわかる現状ではまずお山の大将になるハードルが高い。
しかし、「未知の敵」が出てくる事で皆の興味を引き、プレイヤーのモチベーションも高まることは、鉄拳7におけるパキスタンの存在が証明したわけで、可能であればシーンはかなり盛り上がるのでしょう。それでも、もう国単位で行きにくい・行きづらい、という条件が重なって起きただけで、演出できるものではありません。
なので、集まったプレイヤー間でコミュニティを深めて、他のゲームにも興味を持って関わっていく。お店もそれを後押しするような施策を行う。メーカーも興味を持たれるようなゲームを作っていく。という当たり前の結論しか出てきませんね。

eスポーツカフェ的なところにも何件か行ってみましたが、ゲーセンとはちょっと違うんですよね。集まる場所というよりは、より良い環境でプレイする場所。という感じが強い。
ここら辺の違和感に何かヒント埋まってる感じがするので、今後もう少し掘っていこうかと思います。

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