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ゲーセンの営業ノウハウを記していく③

変動費と固定費

はじめに

20年間勤め(ry
注意点(テンプレ)
1・(もちろんですが)元所属会社の営業秘密は記しません。
2・勤務していたのはコロナ前なので、現在には当て嵌まらないことも多いと思われます。
3・とはいえ、普遍的?な基礎の考え方や現状も鑑みて記事は書きます。
4・なるべく早いペースで書いていくため、文章が変だったりわかりにくい場合があるかもです。
  質問等はコメントにお願いします。なので、後日記事の修正が入り得るのでご了承下さい!
5・有料記事も含みます(読んでくれる人がいるのか・・・) 今回は無料ですー
以上ご留意のうえお読みください。

難しい部分の整理

変動費と固定費の話は極めてややこしいのですが、はじめに何故ややこしいかというところを整理しておきたいと思います。
・税法上の扱い=財務会計と自社の状況把握のための区分=管理会計で、同じ項目でも扱いが変わる
・絶対的には同じ費用も処理上のテクニックで扱いを変えられる
・逆に、固定費であっても耐用年数が早いもの、変動費でも実際には変えられないものもある
あたりが問題となります。
本文ではできるだけ税法上の扱いをベースに、「こう考えれば・・・」と書きますが、わかりやすく書ける自信は無いのでご容赦ください。
また、ここ3年程の税法上の扱いが変わっている場合もあるので、最新知識は税理士の方にご確認ください

なぜ難しいのに??

という具合で、会計や財務をやっている方以外には結構難しい話になりがちなのですが、なぜそんな難しい話をするのか?ですが、そもそも変動費率と固定費率によってビジネスモデルがある程度決まってくるからです。
例えば、変動費が高いタイプのビジネスは小売店などの「物を売る」ビジネスになります。対して、固定費が高いタイプのビジネスはホテルなどの「装置を構える」ビジネスになります。
ゲーセンは基本的に後者の「固定費型」のビジネスですが、運営を前提にゲーセン内のジャンルごとに見れば実はバラバラだったりします。
また、固定費型と言っても、
・一番大きな経費である地代・家賃が契約によっては歩合制で変動費的に振る舞う
・機械の購入費も固定費でありながら、法定耐用年数が短いので一般的な固定費よりは変動費寄り
・規模や運営手法にもよるが、アルバイトの比率が高く、人件費も変動しやすい
などがあって、管理会計的にはとらえ方が難しいところです。一般的な「固定費型ビジネス」はホテルなどの装置産業で、20年や30年の長期間で建築費用などを賄っていくことを想定していますから、ゲーム機の場合はそれらとは大きく異なるわけです。もちろん、建物から建てたら同じなのですが。

変動費型ジャンル

そういう視点で見ていけばゲーセン内のジャンルで、
・プライズ(いわゆるキャッチャー機)
・メダル内のパチンコ・パチスロ機(100円投入がメインの場合)
 ※基板の発売・中古売買が盛んなころのビデオゲームもこちらに含められたのですが、現在では装置部分が硬直化しているので微妙なところです。
プライズ機に関しては、取り扱う「景品」が商品になりますので、変動費型になるのはわかると思います。
パチンコ、パチスロに関しては、年単位で見れば「盤面」を次々取り換えるので、変動費的に考えられます。(発売・中古売買が盛んだった頃のビデオゲームも同様です)
変動費型ジャンルは、売上が落ちたらその分経費も下がるのですが、教科書的には変動費=仕入れを適切に抑えて利益を残すことが重要となります。(具体的な話は後々)

固定費型ジャンル

こちらに当てはまるのは、
・メダルゲーム機(通常メダル)
・大型筐体ビデオゲーム機(ドライブや体感ものなど)
などになります。高い機械をそれなりの期間動かして回収してくジャンルになります。
特にメダル機はそれ自体にお金が入るわけではないので、まさに「装置」という感じですね。
どうしたってすぐに返せない巨額の投資が必要ですが、売り上げが上がりさえすれば、利益も非常に大きなものになるのが固定費型ビジネスの特徴です。
教科書的には、まずは売り上げを上げることを第一に動く必要があり、外部要因等で売上減少が見込まれる場合・時期などは安売りをしても稼働を上げることが求められます。
(メダルの場合は販売ではないので、この罠にはまる場合が多々あります・・・)

その他

以上をみて、「あれ?音ゲーとかは?」と思われた方もいらっしゃるでしょう。
実は、「どっちもそれなりにかかるジャンル」というのが、今のゲーセンには多くあります。
例に出した音ゲーも、機械を購入するのにまずお金がかかり、売上に対する従量課金によって売上変動費として費用がかかります。
・音ゲー
・ビデオゲームのネットワークゲーム機
・プリントシール機
(いわゆるプリクラ)
などがこれに当たります。
正直、売上が上がっても変動費部分が上がるし、固定費部分もそこそこ高いので微妙ではあるのです。ただ、プレイヤーからは人気で、稼働しているかどうか、で行くお店を決められてしまうジャンルでもあるので、設置しているというのが現状だと思われます。(若年層が多い都市部では、それ以上に稼働があがるので、残る利益も多いかと思われます)

まとめ

ゲーセンは全体としてみれば「固定費型」のビジネスではあるのですが、先にあげた要素などで、かなり変動費よりの面も持ち合わせています。
また、各ジャンルでの対象のお客様も違えば、ビジネスモデルも違うという特殊?な業種なので、それぞれを意識しておくことが重要になります。
まぁ、集客さえできるのであれば、あまり気にするところでもないのですが。逆にいえば、そもそもお客様が少なければ、変動費型であろうと固定費部分を賄えないと商売にはならないですね。
あと、あえて「教科書的には」という言葉を使いましたが、ゲーセンではOKな部分とNGな部分がありますので、それは個別具体的な話の際に書いていきたいと思います。

次回予告

次回は、お客様は誰か!?というお話が書ければ!

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