読み聞かせSTの話し方講座__1_

子供にあった絵本の選びかた

おすすめの絵本を教えてください、絵本の読み聞かせ会をやっているとよく聞かれる質問のひとつです。

では、おすすめすべき絵本とはなんでしょうか。
結論から言いましょう。
それは「子どもの発達段階にあった絵本」です。
この子どもに合わせた絵本の選択こそが子どもの発達を促し、自発性を高める鍵となるのです。
ここでは、子どもに合わせた絵本の選び方とそのための知識を簡単にまとめていきたいと思います。
※この記事は発達心理学、小児発達学からまとめています。


絵本って何?

辞典でひくと「絵を中心にして簡単な文をつけた本」と出てきます。しかし、これでは不十分です。
要素を考えてみましょう。
絵本の要素は大まかに分けると3つにわかれます。

①絵
②ストーリー
③文章

です。

それぞれはさらに細分化できますが、話し始めると無限に時間がかかってしまいますので、今回は「絵」に注目して考えてみます。

①絵
絵本の核となるものです。
絵はさらに3つの要素でわけることができます
・色
・形
・配置

です。
一つづついきましょう。

・色
子どもは生まれて半年まではそこまで目がよくありません。
ぼんやりした感じで世界を見ています。なので、色の感覚もあまりありません。白と黒がなんとなく……程度でしょうか。
それが徐々に発達してくるのが生後6ヶ月くらいから。その頃から原色(赤、黄、青)が認識出来るようになります。
それから2歳ほどになるまでの時間をかけてさらに細かい色の感覚をつかんでいきます。
なので、6ヶ月頃は淡い色合いはわかりにくかったりします。

・形
形の基礎は○、△、□です
この基礎を認識し始めるのは1歳くらいからです。そして、徐々に重なった図形のシルエットを理解したり、形を分解したりできるようになってきます。
子ども向けのキャラクターが単純な形なのにはこういう理由があるわけです。
色塗りをしていて、キャラクターからはみ出しまくる子どもさんはまだこの感覚が薄いのかもしれません。

・配置
奥行きや構図といったものの理解です。
子どもが絵を描くときにまずはすべてを平面的に描きます。それが徐々に立体的になっていくわけですが、この機能は人によって差が大きいと言われていて、大人になっても苦手な方もいます。


絵本を選ぶときの注目ポイント(絵について編)

ポイントは色と形です。
例えば、6ヶ月くらいのお子さんに淡い色合いの絵本を見せたところでほとんどモノクロみたいな認識なので、すぐ飽きられます。
複雑な形のキャラクターが出てくる絵本だとどこを見れば良いのかわからなくなってすぐ飽きられます。
飽きられてしまうには理由があるのです。
逆に、発達段階にあった絵本を出すと子どもたちは勝手に学び始めます。わかるものに対して貪欲に好奇心を発揮する生き物なのです。
そうすると、子どもは「わかる→もっと読みたい→もっとわかるようになる→さらに読む」という正のループを走り始めます。

ぜひ、お子さんの発達を見て、段階にあった絵本を選んでください。
今日はここまで!
ありがとうございました!

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