読み聞かせSTの話し方講座__2_

ひらがなって何歳から書けるようになるの?

「うちの子供がなかなか字を書けるようにならないという」ご相談はとても多いのです。
そもそも文字っていつ頃から書き始めるものなのでしょうか。
今回は『書字』について考えていきます。
※この記事は発達心理学、小児発達学からまとめています。


書くということ

まず、文字(ひらがな)の習得時期ですが、だいたい6歳前後と考えていただければ良いと思います。
発達段階はぴったり◯歳でこうなる、というようなものではありませんから、数ヶ月の誤差は問題ないのです。
一安心していただいたところで、詳しく発達段階の内容をみていきましょう


文字の理解は二種類ある

子どもが文字表記の特性を理解するレベルには「表現規則の理解」と「対応規則の理解」の二つがあるといいます。
一つづついきましょう。

・表現規則の理解
文字が絵とは異なる表現手段であるということ、言葉の音を記号で表現できること、記号を音に変換できることについて理解し、それに意味が伴うという認識を持つ。(この段階では、絵と文字が混合していたり、文字っぽいものあったりします)

・対応規則の理解
かな一文字が一つの音に対応していることを理解する段階です。かなを並べれば、話し言葉と同じように意味を伝えられると理解します。

年長さんになると文字がたくさん書ける?

言語発達の研究では、年少、年中、年長のクラスで書字の実験を行っています。
・年少クラス(3歳児)では、約4割に表現規則の理解の兆しがみられ、絵や記号、かな文字が混在。6割が絵を描くのみで、文字で意味を表現したのは1割未満でした。
・年中クラス(4歳児)では、対応規則を理解し、かなでお話を書く子が増えてきます。絵よりもかなや文字っぽいものが増えてきます。
・年長クラス(5歳児)では、対応規則の理解がすすみ、ほとんどの子どもがひらがなをある程度書くことができる。
という研究結果があります。

5歳で文字を書けるようになるとありますが、ここでは「っ」や「ゃ、ゅ、ょ」などの拗音や促音(小さい文字)、「を」、「や」などの助詞に対してはまだ未対応であったようです。
このことから、表現規則の理解は4~5歳で確立され、6歳前後でひらがなの対応規則を理解するという流れとなるようです。
6歳となると話す言葉も増え、文レベルのお話が容易となってくる時期です。言葉の理解と表出に伴って、文字理解と表出も増えていくことでしょう。


早期学習はやっぱりいいの?

「発達段階がわかったけど、うちの子はもっと早く理解を進めたい」というご両親も多くいます。
無理やり練習させるという指導方法は発達について遠回りです。
段階より上のことを無理に押し付けても応用が効かないだけでなく、学習意欲が下がってしまいます。
子どもの発達段階をみて、それにあった指導をすることで他の子どもさんよりも先の段階に進むということは可能ですから、ぜひ、お子さんの段階をよく見てあげてください。


書字障害(ディスグラフィア)という障害もあります。

6歳を超えても文字が書けない、というお子さんもいます。
知的に遅れがないのに「書くこと」だけが出来ない、そのような障害が書字障害(ディスグラフィア)です。
この障害は努力不足や苦手意識というものではないということをぜひ覚えておいてください。どんなに頑張っても字を書くことが難しい状態なのです。
症状としては、
・マスから大きくはみ出てしまう。
・鏡に映ったような反対文字を書く
・文字に余分な線や点を書いてしまう
などがあります。


ここで対処方法を書くと大変長くなってしまうため、次回にまとめてみます。
もし気になる方がいらっしゃいましたら専門機関にご相談ください。
地域の保育センターや児童発達支援事業所などが対応してくださるはずです。


急ぎでないけどちょっと気になる……、ということでしたら個人的にご相談いただけたらと思います。
読み聞かせ会と同時開催で発達相談会もやっておりますので、そちらでも!https://officetbt.hateblo.jp/
ではでは!!

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