いつも犬みたいだった。
そんな君はどこへ行ったのか。
そう、私の知らない場所へ行った。

バイトから帰った午後10時40分
勉強して待っている君はおかえりと言った。
幸せとはこういうことなのだ。
それだけでよかった。

ご飯炊くのは君の当番。
ご飯を作るのは2人の当番。

いつも遅くまでご飯を待つ君はまるで犬のようだ。

いつまでも犬でいて欲しかった。

他の場所で、飼いならされない程度に幸せになってほしいという僕の最後の願望。

僕を傷つけた人は許すんだ。
心は寛大に、夢は盛大に。

君とまた迎えたかった夏がもうすぐ来るようだ。
どんな顔をして夏を迎えたらいいのか僕にはわからない。
10月の夏祭り。君が頬張って食べていたのはチーズスティック。きっと熱かったのだろう涙目にしながら食べていた君を見て笑った記憶がある。
そんな熱い暑い夏に戻りたい。

疲れて入った行き慣れた居酒屋に午前2時までいた。

そんな僕は一番はじのカウンター席が特等席になった。

寂しいお酒と、うまい煙草を揃えて。

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