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宇多田ヒカル「初恋」全曲感懐

2018年6月28日

東京は渋谷区のTOWER RECORDSにて
一枚のCDアルバムを手に入れた。

宇多田ヒカルのニューアルバム「初恋」
(今、初恋とタイピングしたつもりが「月恋」と誤った、2018年6月29日の今日は満月、ロマンス)

今回はこのCDアルバムの感想を
「はい!この歌詞最高!」
と歌詞引用形式で書くのではなく
直感に頼り、脳に浮かんだそのままの感覚を生々しく文字に起こす、いかにも万人ウケしなさそうな試みをする。した。

今回もめちゃくちゃにかっこいい特設サイトができていて、毎日少しづつめくれる仕様の座談会ページが最高。

そもそも、1999年に発売したファーストアルバム「First Love」から現在、20周年目に出したアルバムのタイトルが「初恋」って…。

やっぱり、宇多田ヒカルは宇多田ヒカルなんだな、と痺れた。


さて、一息吸って、いざ。


1.Play A Love Song
スキップくらいの速度のピアノのリズムが心地良い。まだその感覚が残る「痛み」や「苦しみ」をリズムに合わせて超えていく、軽快に。

2.あなた
半径1メートルの決意。
時間、誕生日、記念日、年数、回数…。
数字でカウントできる、すべての出来事を
意識させるあの歌詞が印象的。
欲しいものはずっと変わらない。
それは決意にも似ている。

3.初恋
喜びと痛みは同じ成分でできている。
歌声と奏でる音が繊細で今にも壊れそう。
重く切迫した曲調が、この先の不安を想起させ、ラストの歌詞にもやがかかって
…。

4.誓い
迷い不安を覚えながらも、その足で一歩、確かに歩き出す。
言葉を言葉と感じさせ過ぎないテクニック。
息を吸うように、日が落ちて沈むように一緒に居られる事。

5.Forevermore
たくさん使うと減っちゃう、とか
勿体ないからもったいぶる、とか
馬鹿々々しくなる。
どめどなく溢れ、惜しみなく表現する潔さ。

6.Too Proud
その背中、を見て感じる、自意識。
立ち込める、なまぬるい音の集合体。
カタカナとローマ字の使い分け、の妙。

7.Good Night
「あいさつ」は、ただのあいさつで
その気軽さに任せて本音を言ってみたり。
同じ量の息を吸って
同じ量の息を吐いて

8.パクチーの唄
同じ音を違う意味使いする言葉遊び。
頭に浮かんだワードを、ポンポン口に出す心地よさに似て。気がついたらもう、君のこと、考えてる。緑色の。

9.残り香
歌詞カードにある、余白の美しさに息をのむ。記憶に残る「あの人のパーツ、まとう空気」という息苦しさ。
その息苦しさで一呼吸、また、息をする。

10.大空で抱きしめて
どのくらいの時を経て、の月曜日なのだろう。なぜその場所で、というのは野暮な思考。未だその感情に気づかないふりを続けるための
つよがり。

11.夕凪
エンディングのようなオープニングではじまる。丁寧語による、自分と切り離したい、切り離せたら、切り離せない、という切迫感。

12.嫉妬されるべき人生
変わってしまう心と変わらない心とのコントラスト。
冷たく流れるピアノに、匂い立つ確信。

音楽は、聴き込むほどに感じ方が変化するのだけど、ひとまず気持ちの鮮度が高いうちにここに閉じ込めておく感覚で。

#宇多田ヒカル #初恋  #音楽 #nomusicnolife

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