座れねぇ。

入院して数日が経過した頃からリハビリが始まった。
首から下が全く動かないので、ベッドの上でのリハビリ。
理学療法士さんが来てくれて、ストレッチをしてくれる。
「ちょっと身体起こしてみましょうか〜。気分悪くなったら言ってくださいね〜。」
と言われ、ウィーンとベッドの背中が起きる。
理学療法士さんに支えられながらベッドと垂直になるように座り、ベッドの横から足が垂れている状態になる。
「座れそうですかね〜?」
と聞かれ、「いや、座ってるし、、、。」と思う。
理学療法士さんがパッと僕から手を離すと、たちまち身体が倒れそうになった。
「座れねぇ〜!!!」驚いた、めちゃくちゃ驚いた。
「ちょっと無理そうです、、、。」と伝えると、
座るのには腹筋と背筋が必要で、今そこが機能していないので座れないんですよと説明を受ける。
座るときに筋肉を使うなんて、今まで全く意識した事がなかった。
人知れず頑張ってくれてたのね、と筋肉の有り難みを感じる。
ベッドに横にならせてもらい、その日のリハビリは終了した。
いや、座るのも無理なんや、としみじみと驚く。

病気をしてから、身体が無意識にやってくれている事がたくさんあるんだなと知った。
心臓を動かすのも、傷を治すのも、意識など全くしていないもんね。
生きていると言うより、DNAに生かしていただいている気がする。
感謝しなきゃな、と思う。
何に対してかはわからんけど。

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