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冬の時代のbotterの歩き方

こんにちは、Hohetoです。

5月前半のLUNAショック以降、相場の低迷が続いています。
ビットコインは30000ドル前後をなんとかキープしていますが、アルトコインから順々に資金流出が激しくなってきている印象です。

4月~5月前半にかけて加熱していたMove2Earn銘柄もしっかりと暴落して冬の様相が増してきています。

さて、本記事は、いわゆる「冬の時代」にbotterがどのように過ごすべきか?について焦点を当てた記事です。

もう1年近く前の話になりますが、「換算相場に入ったときの立ち回りメモ」と題した資料を共有したことがありました。

これは、2018年後半~2019年にかけての低迷相場から得られた教訓をもとに、バブル相場とバブル相場の間に来るであろう閑散相場での立ち回り方をまとめたものです。
よい機会ですので、この内容を少し掘り下げて記事にしてみます。

botterにとっての冬の時代とは

ビットコインはこれまでに周期的な高騰を繰り返しています。
このような周期性は「半減期という周期的な仕組みが要因である」とする論調も存在しますし、それを根拠としたStock-to-Flow Modelのような価格推移モデルを主張する人達も存在します(※過去にそれらしき動きがあった、というだけで、未来がその通りに動くとは限らないので注意が必要です)。

とにかく、常に高騰し続けるというわけではなく、バブル的な高騰の間には価格が低迷し出来高が細る期間が存在してきました。
このような時期は、高騰した時期に参入した参加者が損失を被って退場したり、値動きが低調になって投機的な参加者が少なくなったりします。
その結果、「価格が低迷する」「出来高が減る」「値動き(ボラティリティ)が少ない」というような、冬の時代として認識されることになります。

こういう時期には、いわゆる「養分的な行動」をする参加者が減り、活況相場で見られた以下のような状況が激減します。

  • インパクトを無視した大きな注文やスワップが頻繁に行われる

  • 投機的な行動によりボラティリティが激しくなる

  • ハイレバレッジなポジションが精算される

  • 取引所ごとに異なる価格で取引される

  • 現物価格と先物価格が大きく乖離する

  • 高い金利でも借り手がつく

活況相場において我々botterは、決して投機的な行動から収益を得ようとするのではなく、上記のような非合理的状況を収益源に換えることで安定的に・安全に収益を得てきたわけです(ですよね?)。
ですが、この先そのような状況が減るのであれば、当然botの収益力が極端に落ちます

これは個人の力ではどうしようもない出来事です。
そのような状況で単純に収益力を強化しようとしても、リスクを取りすぎてしまったり空回りしてしまいがちなので注意が必要です。

以下、筆者が前回の冬の時代の教訓を踏まえ、この先訪れる冬の時代にどう立ち回ろうと考えているかについてご紹介します。

ご注意!
この記事は「今後数年程度の間に、再び最高値を更新する相場が訪れるであろう」ことを前提としています。「今後数十年に渡り最高値を更新できない」というような状況が訪れればワークしませんので、ご承知おき下さい。

冬の時代のbotterの立ち回り方

1)資金を減らす行動を極力避ける

まずは防御力を高めるべきです。
せっかく活況相場で稼いだお金を減らさないようにしましょう。冬の時代に資金を減らしてしまうと、次に活況相場が訪れたときの収益力が落ちます(まじで落ちます)。

冬の時代では、活況相場で稼いだお金を運用できる場所が限られてしまいます。そのため、多少のリスクに目を瞑ってお金を突っ込みがちです。
特に昨年までの活況相場で稼いだ人ほど財布の紐が緩くなっているはずです。活況相場での爆益や高利回りに脳が順応してしまっているため、余計にリスクをとりがちなので要注意です。

例えば以下のような行動には、慎重になるべきでしょう。

上場銘柄やNFTなどに資金を入れる
本質的な価値が定まらないものへの資金投下は慎重に行ったほうがよいでしょう。価値があるか分からないけれども人々が殺到して高騰する、という状況では既にありません。

SNSやコミュニティで話題のプロジェクトに資金を入れる
この時期、インフルエンサーが薦めるようなトークンやプロジェクトは危険度が高いと認識すべきです。

裁量トレードで大金を張る
botで稼いで裁量で爆損はbotterの様式美ですが、財布の紐を引き締めましょう。

botterとしては、単発の収益機会に一か八かで賭けるのではなく、再現性や根拠のある有利な戦いの場を見つけましょう。
そういう場所がないのであれば、戦いに参加するべきではありません。

・・・

では、「資金を減らさない」ことがどれほど難しいか、筆者の最近のクソムーブを例に挙げてご説明しましょう。

筆者の最近かましたクソムーブ ワースト3

  • 某混ぜ物ステーブルコインのIDOにお金を突っ込み -7000ドル

  • 某M2E銘柄のレバファーミングにお金を突っ込み -14500ドル

  • 相場崩壊の引き金とされる某銘柄に雑に買いを入れて -8000ドル
    触らないって言うとったやんけ!というツッコミはなしで…w)

10万ドル級の損失がないところに成長が垣間見えますね!
自戒を込めてお伝えしますが、「軽々しい行動で大切な資金を減らすな」
現場からは以上です。

2)botはリスクを抑えて運用する

閑散相場では、基本的にどのタイプのbotも収益力が落ちます。
新規上場やエアドロなどのイベントによって一時的に値動きや出来高を伴うものが出てくるかもしれませんが、長続きするものではないでしょう。

閑散相場では、昨年(特に2021年1月~2月)のような卓越した結果を出すのは難しいと認識したほうがよいです。
収益力においては「活況相場で動かすクソbot>>>閑散相場で動かす優良bot」なのです。

稼げない相場で稼ごうと努力するよりも、活況相場が戻ったときの準備をするほうが、長い目で見たときに効果的です。
ですが、そうは言っても全くbotを動かさないという選択肢はないでしょうから、筆者の経験談をもとに冬の時代のbot運用のポイントを整理します。

①ロットやレバレッジは落とす

例えば、従来のCEX高頻度bot(マーケットメイク)のようなbotは、成行注文の量が減って約定力が落ちます。
ロットは適切な水準まで下げなければ、自分自身の注文が他のbotのカモになってしまう可能性があります。収益の絶対額は低くなったとしても、ロットは右肩上がりの損益曲線をキープできる水準にとどめたほうが筆者的にはよいと考えます。

スイングbotなど、ポジションを一定期間保有するようなタイプのbotについては、さらに注意が必要です。値幅が取りづらくなり手数料やコストをペイしづらくなります。
活況相場のときのように、板を出しておけば約定するという状況も少なくなり、相対的に執行コストが増えます。
こちらもロットを落としたりレバレッジを下げたりして、損失が出たとしても許容できる水準にするか、いっそのこと止めておくのも手だと思います。

閑散相場では各種指標が効きづらくなることがあり、特に長めの足のスイングは注意が必要です。そのままのレバレッジで動かし続けると資金の大半(半分~8割とか)を失う可能性もあります。
ちなみに、筆者が2018~2019年に動かしていたスイングbotは当時かなりの痛手を被り、停止しました(そして停止したら成績が上向きになる例のやつ)。

②既存ボットのテコ入れにリソースをかけすぎない

このような状況で手持ちのbotを使ってなんとか収益力をあげようとして、botの数を増やしてカバーしようとしたり、ロジックを変更したり、パラメータをチューニングすることは経験上あまりオススメできません。

そもそも収益源のパイが少ないため、ある程度の収益力の劣化は受け入れてしまって、リソースを他のことに回すほうが効率がよいです。

特にロジック変更やパラメータチューニングについては注意が必要で、閑散相場にフィットさせてしまうとたま~にくる大きな値動きの変動でやられてしまったり、活況相場に戻ったときに逆に収益力が落ちてしまって不利に働くことがあります。

③手堅いbotを検討する

冒頭のツイートの中で記述していますが、損失を被るリスクを減らして手堅く収益を上げるために適しているbotとして、以下の2例を上げました。

  • アビトラ

  • ミスプライスキャッチ

一括りにしていますが、これらのbotは形態が様々です。収益力・収益機会の数・実装難度も様々ですので、まずはできるところから着手してみてはいかがでしょうか。じっくり開発する時間はあると思います。

筆者は上記に加え、以前紹介した回転ボットを稼働中です(短期的な価格騰落率や乖離率を参考に、暴落局面で買いを拾うボット)。
これは手堅いbotではないので話としては矛盾してしまいますが、筆者的には「得られる収益>損失のリスク」であり、冬の時代の貴重な収益源と考えているのです。

3)現物を増やす運用を取り入れる

さて、冬の時代で得られたなけなしの利益にブーストを掛ける方法が1つあります。それは、利益の一部を現物で保有することです。

例えば、定期的に(週に一度、あるいは月に一度など)得られた利益のうち固定のパーセンテージ分を、ビットコインなど「そのうち最高値を更新すると考えている現物」に換えておきます。
これは積立の一形態ですので、普段から積立を行っている人には必要ないことかもしれません。
ですが、原資ではなくそこから得られた利益の一部を積み立てることができる、というのはbotterならでは強みだと思います。

また、ステーキングやファーミング、あるいはインバース契約のデリバティブなどのように利益が現物で支給されるようなものについては、その一部を換金あるいはヘッジせずに、そのまま現物で保有するあるいはビットコインなどの別の現物に換えておく、ということになります。

普段運用していない現物を持っている場合は、「利息を現物で受け取れる」タイプのレンディングを検討してもよいでしょう。

こうして、冬の時代に現物を蓄えておき、次の活況相場が訪れたときに価格上昇による恩恵をしっかりと受けることを狙います。
もちろん超長期に渡って価格が低迷するシナリオも考えられますので慎重に検討すべきですが、そうはいってもどの程度を現物に換えるか(あるいは全く換えないか)は真剣に検討する価値があります。

こうした冬の時代の立ち回り方については、botterの皆さんの資産を一段階上に押し上げるための重要なポイントである、と考えています(あくまで筆者の持論です)。

4)次の活況相場のための準備をする

前述した「活況相場が戻ったときの準備」についても触れておきます。

①活況相場で動かすbotを準備する

活況相場が戻ってきてそろそろ最高値更新か、というようなタイミングでは、新しいタイプのbotを一から開発したり検証したり…という作業は現実的に難しいです。目の前の収益機会を拾うことに忙しくなるからです。

落ち着いて取り組める冬の時代に、以下のような準備を済ませておきたいです。これも「仕込み」の1つです。

  • 新タイプのbotのプロトタイプ作成

  • 既存botの取引所横展開

  • 開発プラットフォーム、ライブラリ、フレームワークの整備

冬の時代にどう過ごすか、は間違いなく次の活況相場での収益力に直結しますので、しっかり準備しておきたいです。

②一般的なスキル習得など

他にも、botではなくてもより一般的なスキル習得や読書に時間を割くのもオススメです。
新しいプログラミング言語やスキルを習得してもよいでしょうし、金融系の書籍を読んでみるのも間違いなくプラスになるでしょう。

③余暇を楽しむ

お金拾いや開発・勉強に疲れているなら、思い切って相場から離れてプライベートを充実させて英気を養うのも、一つの手です。休むも相場。

昨年までの上昇相場は、1年半以上続きました。こういう時期は機会損失が怖くて、なかなかまとまった休みを取れません。

筆者も、今年から来年にかけては休暇を取って(現状でもほぼ毎日休みみたいなものですが…)、まずは国内旅行から行ってみようと思います。海外旅行もそろそろいいかもしれませんね。

まとめ

ということで、冬の時代だと悲観的にならず、できることをやりながら楽しんでbotter生活を送っていきたいと思います。

次回の最高値更新相場では、ガッツリ収穫できるように頑張りましょう。

それではよきbotterライフを!


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