ビットコイン価格のアノマリーたちのその後
2020年~2021年ごろ、以下の2つの記事を書きました。
これらの記事は、ビットコインの過去の値動きの特徴を分析したものです。
簡単におさらいをしておくと、
時刻アノマリー
「ビットコイン価格において、毎時0分前後に起こる値動きに対し、その後数十分間に渡って逆方向への値動きが観察できる」
24時間逆張りアノマリー
「ある時間帯の値動きは、ちょうどその24時間前にさかのぼった同じ時間帯の値動きに対して逆相関を持っている」
タレコミが
むじさんから、ひとつめの時刻アノマリーが最近効かなくなっているのでは?とタレコミを頂いたので、確認してみました。
時刻アノマリーのいま
むじさんはBinanceのBTCUSDT現物を用いたそうなので、分足を取得してプロットしてみます。
以下の条件を用いました。
毎時01分に、
直前5分間の値動きと反対方向にエントリー。
25分後にクローズ。
獲得リターンをプロット。
獲得リターンとは、価格変化率=(クローズ価格-オープン価格)/オープン価格 の累積。
長きに渡って効いていた指標でしたが、確かに2022年4月ごろから効かなくなっているようです。
一応、毎時01分以外に、その前後数分ずらしたときの結果も確認してみました。
すると、毎時02~05分エントリーの場合は一応4月以降もプラスになっていたようです(下の図のcase 2~case 5)。
全体の傾向を確認するために、00分から59分のそれぞれのエントリー時刻ごとに、獲得リターンを棒グラフで表したものが以下です。
ひとつめのグラフが2021年1月~2022年3月までの獲得リターンの分布、ふたつめのグラフが2022年4月~2022年11月現在までの獲得リターンの分布です。
期間の長さが異なるので絶対値の大きさは比較できないのですが、分布の様子が明らかに変わっています。
特に01分エントリーは大きく劣化し、獲得リターンがマイナスなっています。
結論として、時刻アノマリーは優位性の大半を失っているように見えます。
原因はなにか?
アノマリーは市場参加者の全体を行動が反映されたものです。
時刻アノマリーの例でいうと、「毎時00前後にポジションを組み替える大口の参加者とそれに連なるイナゴ参加者」がふんわりとした根拠になっているのですが、その構造が変わってしまったのかもしれません。
4月~5月の時期といえばLUNAショックによる暴落が頭によぎりますが、そもそも指標が効きづらくなっているのはLUNAショック以前からです。
また、2019年~2020年の低迷相場であっても時刻アノマリーは機能していましたし、特にコロナショックの激しい下落相場でも大きなリターンを獲得できていました。
ですので、5月以降の下落が原因というわけではないでしょう。
というわけで、ふわっと効いていたものがふわっと効かなくなってしまった、原因ははっきり分からない、という感じです。
24時間逆張りアノマリーのいま
一方、24時間逆張りアノマリーは現在でも効いているようです。
以下の条件を用いました。
1時間足、2時間足、4時間足、6時間足について、
24時間前のその足の値動きと反対方向にエントリー。
(それぞれ24本前・12本前・6本前・4本前)その足が終わるタイミングでクローズ。
獲得リターンの計算は時刻アノマリーと同様。
まとめ
FTXがあんなことになっちゃってBTC価格もATH後の最安値の水準ですが、
筆者としては引き続き安定的な収益を得られるbotの可能性を探っていこうと思います。
冬の時代こそ研究!
それではよきbotterライフを!
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