未完想文完

「化物語」漫画化について語る

どうも皆さん、未完です。

今日は最近漫画化された「化物語」について語ります。

まずはじめに僕が疑問に思ったのは「何故今なのか?」です。

化物語の原作小説が出たのは2006年。(こんなに前なの!ウソだろ‼)

アニメが放送していたのが2009年。

そして漫画化が2018年ということになる。さすがにこれは間が空きすぎているように感じる。「何故今なのか?」と考えてしまう。

その理由は最近の「週刊少年マガジンの雑誌としての方針」が大きくかかわっつているのではと僕は考えています。最近のマガジンは一言でいうと「攻め!」です。この一言につきると思う。今の少年漫画雑誌の中で一番攻撃的な姿勢を取っていると僕は考えています。

どう攻めているのかいくつか例を上げると、人気作家の引き入れがすごい。

マガジン自体にすでに大物作家が何人もいるのにそれに上乗せする形で大物作家を増やしている。「七つの大罪」作者の鈴木央先生をはじめ、「金色のガッシュ!!」作者の雷句誠先生も最近まで連載してたし、「炎炎ノ消防隊」作者の大久保篤先生もそうだ!とにかくマガジンは今大物作家の巣窟となっている。

そしてアニメ化に力を入れている部分も攻めの姿勢の一つだろう。

最近では「あひるの空」のアニメ化決定がファンを驚かせたと思う。僕も驚いた。だって「あひるの空」一番人気あったの僕が中学生のころだしね……。ホントに驚いた。マガジンは今漫画雑誌と言う枠を簡単に飛び越えてくるのだ!

といった具合で最近のマガジンは「攻め!」ていると僕は考えている。そしてその「攻め!」に今回の化物語の漫画化は間違いなく含まれているとぼくは考えている。「遅い漫画化だな?」という意見などお構いなしなのだ。

そうマガジンは今「攻め!」ているから‼


作品自体の話に移りたい。

一言で言えば……「最強」だ‼なぜか?理由は簡単。

絵を描いているのが……大暮維人先生。

そして原作が……西尾維新先生。

もうわかってもらえてと思う。漫画好きの人ならわかると思うが両先生とも漫画界のトップで売れまくりの大御所だ!その二人が手を組んで作品を描く。

つまり、「最強」としか言いようがないのだ。


では「最強」たる所以を話していこうと思う。


まず、漫画を担当する大暮維人先生について。ま~~絵がうまい!とにかくうまい!僕の中の絵がうまい漫画家ランキングの三大神のうちの一人だ。

とにかくうますぎるのだ。絵の細かさやうまさに目が行ってしまうが今回は大暮維人先生のコマ割りや構図の多彩さに注目していきたい。そのために大暮維人先生の前作である「バイオーグ・トリニティ」について少し話したい(最近最終巻発売しましたこっちもおすすめです‼)。皆さん「バイオーグ・トリニティ」が少し変わった実験的作品だったことを知っていますか?何が実験的だったのかというと……「吹き出しの中の文字が基本横書きで描かれていた」ということです。図を使て紹介します。

これが僕たちがよく目にする吹き出しの中が縦書きのコマです。基本的にどの漫画も文字の入り方はこの縦書きですよね。

次です。

そしてこれが、吹き出しの中の文字が横書きのコマです。バイオーグ・トリニティはこの文字の入り方を基本にしています。こうすることで吹き出しの形が縦長から横長に変わっています。これは「英訳した時のことを考えてこうなっている」そうです。つまり、日本語重視の作画ではなく外国の言語を重視した作画となっているわけです。分かりやすい比較画像があったのでそれを見てみましょう。

海外版だと吹き出し内に無駄な空間が出来ていますね。こいいった問題を無くすためにバイオーグ・トリニティは日本語の状態で文字を横書きにしていたのです。こういった試みをバイオーグ・トリニティで行われていたのですがこの実験による副産物が誕生したと僕は考えています。

それが大暮維人先生のコマ割りや構図のバリエーションが増えたことです。一度でも漫画を描いたことがある人はわかると思いますが吹き出しの形が縦から横に変われば求められる絵が大きく変化しますよね。その変化に対応するために間違いなく、大暮維人先生のコマ割りや構図のバリエーションは増加したと考えられます。必然的に他の漫画では見れない絵が誕生するわけです。そういった点でも大暮維人先生の画力は一味違うと思います。

今回の作品「化物語」は吹き出し内の文字は縦書きですがところどころバイオーグ・トリニティで使われた横書きのスキルが使われているのでバイオーグ・トリニティの作画と化物語の作画を見比べると面白いと思います(ちょっとマニアックすぎたかなw)。



続いて、原作を担当する西尾維新先生について。これはもう語るまでもなしなのですが……。冷静に考えて下さい。小説「化物語」で面白い。次にアニメが小説をブラッシュアップして面白い。そして漫画化……三度目ですよ。小説の時点で面白いのに二回もブラッシュアップしてるんですよ。面白くないわけがない。

ポイントは「作品内で出てくる文字量が多いけど読めちゃう!」ことですかね。

セリフ量がやはり他の漫画より多くなっている様に感じるのですが、小説を読むようなスムーズさで読み進めることが出来ます。そこはやはり西尾維新先生さまさまといった具合ですね。

そして僕が強く感じたのは、キャラクターたちの会話の自然さが上がっているという点です。例えると熟練された落語の様な感覚ですかね。何度も繰り返られることで確実にキャラクターたちの会話の熟練度が上がっているように感じました。この点はぜひぜひ漫画を読んで確認してもらいたいポイントです。キャラクターが生き生きしてるんですよね(僕がヤバいのか……w)。


といった感じで漫画版「化物語」について語らせてもらいました。とにかく「最強」の作品だと思います。

「鬼に金棒」ということわざがあります。

意味は「強いものが何かを得て、さらに強くなることのたとえ」です。

漫画版「化物語」は「鬼に金棒」ではなく、「鬼と鬼」です。

大暮維人先生(鬼)と西尾維新先生(鬼)が手を組んだ作品となっています。

まさに、化け物が作った物語……「化物語」です。

この「最強」の……いや!

「最凶」の化け物たちによる物語。

「化物語」を読んでほしい‼


それでは今日はここまで、ありがとうございます。※西尾維新先生みたいな言い回しで終わってすみません。大好きなんです。

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