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甘~いビターチョコレート

 私はバレンタインが苦手だ!
理由は単純で、甘いものが嫌いなのだ。
そう、甘~いチョコレートが!
そんなこんなで、何事もなくバレンタインデーを平穏無事にやり過ごそうと考えていたのだが彼が私にチョコレートを準備してくれたというのだ。
 「普通、逆でしょ!」
と少し愚痴を漏らすと彼は「いいから!いいから!」と笑顔で私にチョコを手渡す。
 「甘いの苦手なこと知ってるから、ビターチョコレート にしたんだ!」
手渡されたチョコレートを袋から出して確認すると色が真っ黒だった。
 「確かにこれは甘くはないだろうね……」
 「食べてみてよ!」
どんどん身をよせてくる彼。
 「わかった!わかったから!」
さっそく口にチョコレートを入れてみる。
すると口の中に予想道理の味が広がる。いや、予想を超える苦みが広がった!
 「ん!ん~~?」
あまりの苦さに言葉を失い苦しんでいたその時……。
彼が突然、唇を重ねてきた!
苦さと彼の突然の口づけに驚き、声を上げる!
 「な、何してるの?突然!」
すると彼がきょとんとした顔でこう告げる。
 「キスしたら甘くなるかなと思って?」
顔を赤くなるのを感じて、慌てて布団にもぐりこんだ。
 「どうしたの?」
布団の外から彼の声がする。
やっぱり、バレンタインは苦手だ。
チョコレートは敵だ。甘すぎる!などと心の中で文句を垂れる。
しかし、今の私の顔は熱で溶けてしまったチョコみたいにゆるゆるになってるだろう……きっと‼

読んでいただいてありがとうございます。面白い作品を作ってお返ししていきたいと考えています。それまで応援していただけると嬉しいです。