2:嘆息

これまでのDragon Eye

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 朝食を終えた少女は食器を洗い片付ける。次に畑に行く準備をしながら、軽く家の中も掃除する。掃除をさっさと済ませて準備を整えて家を出る。

 少女は森の中を通り所有している畑に向かう。

 森の中であることに少女が気づく。

「空気が甘い……。そうか……もう春になるのね!」

 少女は森の中の空気をもう一度しっかりと吸う。確かに空気の中に甘さが感じ取れる。冬が終わり春が来るのだ。少女は空気の変化から季節がそろそろ変わることを知った。

「けど、まだ少し寒いわね……春が楽しみ」

 少女は寒さから身を守る厚い服を少し暑苦しい感じながら、確かな季節の変化を感じ取り春への期待に少し心を躍らせた。

 森の中の変化は空気だけではなかった。

 花を咲かせる植物。

 鳴き声を出しながら飛び交う鳥。

 少しずつ、少しずつ森全体が春へと近づきつつあった。

 それらを見て少女は微笑んでいた。理由は無かった。ただただ頬が緩み笑みを浮かべていた。そしてまた呟いた。

「春が待ち遠しい」

 まだ少し寒さが残っていたが少女の心は温かかった。

 いつもより時間がかかってしまったが少女は森を抜けて畑に到着した。到着したと同時に少女は畑の手入れに取り掛かった。ほぼ毎日行っている作業だけあって作業はとてもスムーズに行われた。全体への水やりをしながら畑の状態を確認していく少女。目に入った雑草などもその場で抜き処理を怠らない。

 いつもならこの作業を行ないながら昼までゆっくり畑で過ごすのだが今日はそうはいかない。少女は時間に追われていた。

 この後、少女は村へ買い出しに行く予定だったのだ。

 水やりを終えて、野菜の収穫に入る。自分が食べる分と村で売る分を収穫する。トマト、ニンジン、ジャガイモと、どれもおいしそうに成長しているのを確認しながら取っていった。少女は少し満足げだった。

 収穫作業もすぐにすまし、少女は畑を後にした。収穫した野菜を抱えながら家へと向かう。さっき通った道を引き返す。しかし、足取りは先ほどより早くなっていた。

 家に着いた少女はすぐに野菜の仕分けに入った。形の良い物、悪い物を区別して良い物だけを再びカゴに入れ町へ持っていく準備をする。仕分けをしている最中に溜息を漏らしながらつい不満を口にする。

「見た目が悪くても味は一緒でとってもおいしいのに……なんでなんだろ……」

 少女は頭を2、3回左右に振り強制的に思考を止める。仕分け作業に集中しさっさと作業を終わらせた。

 次に家の中にある日用品や調味料など村でしか手に入らないモノをリストにまとめる作業に入る。書き終えたリストを見て少女は「今回は少しで済みそうね」と一言つぶやく。

 少女は仕分けを終えた野菜と書き終えたリストを手に持ち最後に鏡の前で自分の姿を確認した。

「はー…………」

 短い溜息が漏れる。

 体を反転させて扉の方へ進んでいった。扉を開けて外に出ながら少女は出かけの挨拶を告げる。

「行ってきます‼」

 家の中に響く少女の声が消えると同時に扉がしまる音がした。

 少女は村へと向かった。

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読んでいただいてありがとうございます。面白い作品を作ってお返ししていきたいと考えています。それまで応援していただけると嬉しいです。

ありがとう!私も今度のぞきに行きます(^_^)。
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Dragon Eye

ひとりの少女とドラゴンとの出会いを描いたファンタジー小説。
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