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#神域リーグ チームゼウス観戦記_第4試合 ~AIが見た、明解な微差~

概要

微差は大差。
それまでの全てが、オーラスの海底牌に繋がっている。

神域リーグ第2節(第4~6試合)の、
チームゼウス視点アーカイブはこちら↓

※脚注
選手への中傷行為などに繋がらない様に注意されたい。公式からの案内を、記事最後の引用欄に貼付けておく。

また、本記事中の牌姿画像は筆者が大会ロビーから拝借した牌譜SSである。
卓や牌のレイアウトが本放送とは異なるが、ご了承頂きたい。

観戦記初回はこちら↓

前回観戦記はこちら↓


本題

前節、苦しい展開となったチームゼウス。
気を取り直して第2節、先陣を切るのは最強AI:鴨神にゅう選手。

卓の組み合わせはこの4名。

チームゼウス:鴨神にゅう選手
チームアトラス:歌衣メイカ選手
チームアキレス:咲乃もこ選手
チームヘラクレス:渋谷ハジメ選手

つい先日昇天した咲乃もこ選手にもファンの注目が集まるなか、
豪華布陣による第4試合が開局する。


東3局 1本場

開局する、という文面の直後。はや東3局。
起家だったはずの鴨神にゅう選手だが、いきなり苦戦を強いられる。

そんな中、テンパイまでたどり着いた今局。

ツモ9m、打4pリーチ

三色確定の3p単騎リーチ。
「とりあえず黙聴」も考えられる中で、見事に曲げてみせた。

・ノベタンへの良型手変わりが、三色崩れで打点減少になってしまう
・字牌単騎への手変わりが、今回は下家の国士模様につき微妙
・2600→5200への打点上昇を拒否するわけにはいかない

ざっくりまとめると、この様な理由である。
人によっては微差に感じるかも知れないが、これは明確にリーチ有利だろう。

残念ながら、結果は魂もこ~親のツモ和了。


東4局 0本場

最終ツモ番まで粘りに粘り、そこでギリギリの選択に迫られる。

前々巡8mはノーチャンス、前巡9mは合わせ打ち

止めていたピンズをどんどん回収し、
形式テンパイorベタオリの選択。

ここで鴨神にゅう選手は6mを形テンプッシュ!

-1000点 → +1500点へ。

8mノーチャンス、5mワンチャンスにつき、
3着目の親相手に一枚粘る価値があるとの判断。

もちろんこれが放銃となるケースもあり得るが、
微差ながらも失点を加点に変えてみせた。

これが朝倉康心プロの座右の銘、「形テンは勝負手」というものである。
苦しい東場を耐えていく。


東4局 1本場

白バックも見ての進行だった鴨神にゅう選手だが、
下家の仕掛けに加えて、終盤に親番の上家:渋谷ハジメ選手にもチーが入る。

上家が5sチー、打2s

親のチーテンケアもあり、
ここは2sをスルーしつつ索子を払っていく。

打1sで迂回

前局、河底牌で親リー相手に形テンプッシュした選手が、
この局面では丁寧に仕掛け対応。

麻雀の難しさ、奥の深さを存分に感じる名シーンといえよう。
このバランス感覚こそが、最強AIたる所以である。


ツモ6p、打4m

そしてまたしても終局間際。
上家の打7mにタイミングが乗っかるようにツモ6p、打4mでテンパイ維持。

結果はなんと全員テンパイ。
取り切れなければ実質2~3翻相当の失点だったと考えると、
これも「微差は大差」と言って支障ないだろう。


南2局 0本場

ここまで素晴らしい粘りを見せるも、
ツモが効く他家の攻めに苦しむ鴨神にゅう選手。

ラス目で迎えた今局終盤、
ベタオリながらも妙味のある一打を魅せてくれる。

ツモ3m、打4p

残り少ない巡目で、対面リーチの現物4p切り。
単純なベタオリであれば、9mが安牌かつ下家にも副露が入らない。

しかし、「4pを親番である下家にチーさせて局数を維持する」
という僅かな狙いを感じる一打。

残りツモ番2回、9m連打に甘えない。
結果的に親のテンパイ連荘となり、残り3局を維持してみせた。


南3局 0本場

ここにきて四暗刻のチャンスに恵まれる鴨神にゅう選手。
しかし、神々の戯れとでも言うべきか。

中盤に生牌の東を掴み、迂回を余儀なくされてしまう。
そうして迎えたド終盤。

ツモ3p、打東

全員の河が変則手模様につき切れなかった東だが、
親番の対面:咲乃もこ選手が北を手出し。

手を崩した気配を感じると同時に3pを引いてテンパイ復活。
ここで東を切って気迫の粘り。

土壇場で5pを捉えロン和了り、またしても耐えてみせた。
ここまで微妙な選択を考えに考え抜き、最善を尽くしている。


オーラス:すべてはここに繋がっている

あまりにもキツい展開に関わらず、
見事な立ち回りで粘る鴨神にゅう選手。

ラス親の連荘で満貫ロンによる着順アップ条件ができるなど、
これまでの打牌に応えるかのように僅かなチャンスがやってくる。

奇跡……いや必然とも言える1牌。
それは最後の最後に、漸く姿を現した。

オーラスの海底牌。残数00の表示が美しい。

大逆転の3000/6000。

入り目によっては、6p放銃すらあり得た

道中、微差の選択をどれかひとつでも取りこぼエラーしていたら。
このツモに巡り会えたとしても、3着止まりだっただろう。

底力を証明してみせた2着。

見ごたえのある大逆転劇。
トップこそ無理だったが、内容はまさに最強格にふさわしいものだった。

第5試合に出場するのは天開司選手
この激闘に続いて、ぜひ巻き返しを期待したい。

それでは、また次回の記事にて。


引用・参考

神域リーグ公式からのお願い↓

神域リーグ本配信 第2節(第4~6試合)アーカイブ↓



↓次回観戦記はこちら


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