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洸稀ちゃんの向かう先へ思いを馳せて

 日テレ系水10ドラマ『こっち向いてよ向井くん』が先日最終回を迎え……あろうことか、大好きな波瑠ちゃんが、またしても魅力あふれる素敵な役を演じられました。
"またしても" の枕詞は、波瑠ちゃんが新しい役を演じるたびに、私の脳内をいくら掻き集めても褒め言葉が足らないくらい、"新しさ" と、同時に "安定さ" を届けてくれるからなのです。

 それにしても今回は、タイミングから、発表のされ方から、ほんっとうに、すごかった。新しいポジションで、波瑠ちゃんの良さが詰め込まれた役で、こちらが勝手に大きくしすぎる期待をさらに上回ってくれた波瑠ちゃんが、本当に誇らしくて感無量であるとともに、
洸稀ちゃんという存在を、私もちゃんと考えなければいけない、という不思議な感覚になったので、勝手ながら洸稀ちゃんに特化したnoteを綴ってみます。
 ここから先は、私が "捉えたい"「坂井戸洸稀像」です。

主人公「向井くん」へ

 タイトルに名が入っている通り『こっち向いてよ向井くん』は、赤楚さん演じる「向井くん」が主人公であり、気付いたら10年遠ざかってしまっていた恋だの愛だのに向き合うお話です。…あらすじを書くのは苦手なので、そっと公式ホームページを添えておきますね。

あくまでも主人公は向井くん。だから向井くんは、ジェラピケ美和子(元カノ)の亡霊が棲みつく10年間から一転、ドラマ内の3ヶ月間(?)で、著しく成長を遂げます。
 私はもともと、この類の物語の満足度は主人公の成長にかかっていると思うので、根拠と心情さえきっちり描かれてさえいれば、時の流れを越える著しい主人公の成長は大歓迎。そんな主人公の成長の「根拠と心情」の部分を担ってるのが、まさしく坂井戸洸稀さまだと思うのです……。
 「主語を大きくするなよー」とか、
 「美和子はもう俺で十分休憩したんじゃないの?」とか、
向井くんが洸稀ちゃんの受け売りで語っちゃったり洸稀ちゃんの言葉を自分のものにして決断をするたびに、それはもちろん向井くんの良さでもあるのですが、私には"恋愛迷子な向井くんの恋の相談相手" をまっとうする誇らしい洸稀ちゃんが見えてしまうのです。
 洸稀ちゃんは、バレーボールのアタッカー並みにズバッと言うこともあるけれど、自分と違う考えを決して否定したりしないし、見下したりもしない。向井くんはもちろん、みんなが "つい意見を求めたくなる存在" として、最後までドラマ向井くんの世界に居続けたのが、パイレオでの議論からの元気くんとまみんの選んだ道とパイレオの存続というかたちで見えたのが、あぁ、とても良かったなぁ。
 でもうちの波瑠ちゃん、それだけにとどまらなかった。

同時に描かれるままならない部分

 洸稀ちゃん自身の恋愛も描かれることは、原作未履修でも発表当初から明かされていたし、どうやらまっすぐ応援できる恋じゃないらしいことも、めちゃくちゃ匂わされていました。そんな洸稀ちゃんを、演じる波瑠ちゃんは "ままならない大人の1人" と称されています。
 だから向井くんの相談相手としての存在感を想像以上に発揮することが早々に分かった後も、波瑠ちゃん推しは環田さんの前でだけ見せる洸稀ちゃんの表情に毎度毎度歓喜し、 "洸稀ちゃんパート" を待ち望んでいました。それなのに、本当に失礼な話ですが、個人的にずっとニュアンスで好きになれなかった環田さん。洸稀ちゃん自身の答え合わせには驚かされましたが、私の抱いていた違和感はこれかー!!!と、本当に爽快だったのが、とても懐かしいです。
 ただどうしても、洸稀ちゃんがなぜあんなにも環田さんに惹かれていたのか、その根拠がどうしても見つけられなくて。「恋は盲目」という言葉でまとめることしかできない自分の力不足を感じつつ、でもそれだけじゃnoteの意味がないので、私なりの解釈をいくつか…。

〜洸稀→環田の要素〜
解釈① 仕事も私生活のスタイルもどタイプ
解釈② 恋愛の美味しいとこどりに都合が良かった
解釈③ 本当は可愛いとか褒められたいめっちゃ乙女
解釈④ 理想の自分でいられる存在だった

…とまあ書き起こしてみたけれど、全部入り混じりつつの、④が確信じゃないかなぁと思っています。颯爽と仕事する姿に惹かれ、甘い言葉に惹かれ、完璧な自分で洸稀ちゃんなりのピークを迎え、そして終わらせる。向井くんの存在がなければもう少し続いていたのかなとか思わないわけでもないけれど、自分で引き際を決めるのは本当に洸稀ちゃんらしいと思いました。
 ただ、洸稀ちゃんが洸稀ちゃんらしいのと、ままならない大人というのは相関関係にはなくって。洸稀ちゃんは自己分析も他己分析もしっかりできる大人だけど、自分の人生の選択は自分でしたい人だけど、そのすべてに自信があるわけではないのが、ままならない大人ってことなのだろうなぁ。ままならないまま、環田さんとは食べなかった朝ごはんを、向井くんとともにした洸稀ちゃん。
 はい、うちの波瑠ちゃん、またしてもこれだけにとどまらないのです…。

向井くんの出した答えに…

 異性への恋愛相談の図って、それだけで匂わせ???って思ってしまうじゃないですか。そんな展開ドラマの教科書を超えて現実でも死ぬほど見てきたはずなのに、向井くんと洸稀ちゃん、なぜかその匂いが一向にしてこないといいますか、フラグが大きすぎて見えなかったといいますか…。
 いや正直にいうと、向井くんの勘違いはあるのかなとか、坂井戸波瑠ちゃん洸稀さまが全てを持っていく展開があるのかなとか、考えていなかったわけではない。けど、そうなった時の洸稀ちゃんの反応や2人の選ぶ道が、何だったら腑に落ちるか、私は自分でも分からないくせに、世間をどう納得させるのだろうか…なんて偉そうなことを考えてしまっていました。
 でも、最後に2人が出した答えがあまりにも2人のポジションを踏まえすぎていて、ぐうの音も出なくて。
 最終回にて、悩める主人公の向井くんは、「坂井戸さんのことが好き」と、「結婚する人生、しない人生、どんな人生もありだって本当に思える」という、2つの答えをしっかりと出します。
 一方で洸稀ちゃんは、1話での「勘違いしないでよ〜」のフラグを回収しつつ、向井くんとは終わらせたくない、という明確な答えではない返事を、「ありがとう」という言葉と戸惑いの混じった笑顔で告げるのです。この返事、主人公が出した答えを受け止めつつも、視聴者に結末を断定させないこの感じ、『こっち向いてよ向井くん』で向井くんが全身で届けてくれたメッセージをまろやかに包み込むような洸稀ちゃんに、これが波瑠ちゃんに託された “坂井戸洸稀像" なのかな、と私は感じました。

 どんなお部屋に住んでいるのか
 どうやったらあのビジュが15分で完成するのか
 本当にお部屋に花束を生けているのか
 結局目玉焼きは何派なのか……

洸稀ちゃんのことは最後までわからないことだらけだったけれど、向井くんが洸稀ちゃんに惹かれる要素は全編を見ていたら改めて言葉にしなくてもわかるし、
そんな洸稀ちゃんだからこそ解釈を委ねられる部分が多くて、それが私はとっても楽しかったです。

 向井くんと洸稀ちゃんがどんな未来を歩んでいくのかは想像することしかできませんが、どんな未来でも「ありだな」と思わせてくれた、一番大好きなパイレオのカウンターで並んで笑っている姿をラストに見せてくれたこのドラマに、深く感謝しつつ、洸稀ちゃんへの愛を捧げ、気づけば3000字を超えました。笑
 あまり他の方の解釈も見ずに、洸稀ちゃんを軸に良い意味でいいように捉えて綴ってしまいましたが、波瑠ちゃんが届けてくれた『こっち向いてよ向井くん』と「洸稀ちゃん」を私なりに受け止め、書き残せて、よかった。まだまだこの先も噛み締めたいと思いますが、ひとまず、この辺で。

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