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異世界探報期番外:ライアー・ライアー

いい泡立ち


安心して!MF文庫Jだよ

はい、いつものです。変な学園で一見最弱の主人公が持ち前の機転で最強を倒しながらいつの間にか自分を好いている女の子たちとハプニングありレクリエーションありのドキドキ生活!

実家のような安心感。この手の作品となろうの違うのはテンプレの強度が違うので多少は視聴し続けようと思わせる導線があるところ。

が、しかし…

必然性…E

舞台となる学園は財閥の偉い人がある島に作ったうちの一つである。学園ではゲームが推奨されており(?)、ゲームではアビリティ(??)を使用することができ、決闘方式で戦うので勝てばアンティがある。

まず、なぜゲームが推奨されているかは不明。ここが明らかでないので、ゲームではどういう能力が求められていて、主人公が何に秀でているか分かりにくい。加えて主人公の戦闘スタイルはハッタリだけでなく大企業のハッキングや盤外戦術に任せたイカサマでゲームの数値や前提を破壊したりするので主人公の凄さは完全に霧の中。敵もイカサマを利用してくるとは言い条、主人公と敵のイカサマを区別する明確な線引き(e.g. ゲームを壊す/壊さない)とか違法行為を合法化する主人公の信念的なもの(
e.g. 先にイカサマしたのお前じゃん)がない。相手もズルしている状況で「それもまたズルで分かったんでしょ!」と言われてなんも言い返さない主人公ってどうなんだ?言い返せないよなそりゃと思ってしまった。

マジかよ〜!? すっげえワルの敵が使ってくるヤツじゃ〜ん!!

チェンソーマン 67話

ハッキングはなしにしてブラフのみでどうにかするとか、相手のイカサマを利用するとか先達の努力と被らないようにしてこうなのかもしれない。極めつけは主人公は無駄に良い人感出してるのでダーティなキャラ付けで誤魔化す案すら採用できない始末。キャラの手足を自由に伸ばせるようにしたらグルグルに結ばれちゃいましたみたいな自滅の仕方である。

ゲーム内で利用できるアビリティは3枠制限がある以外は基本的になんでもありで、ゲーム内の数値をいじる数値操作や相手の干渉を受けない干渉無効に、それを無効化する無効貫通(ソシャゲかよ)、いきなり代打を呼び出してプレイヤーを入れ替えるピンチヒッター、ゲームのルールや勝者を書き換えるスキルなどがあり…オマケに全部後出しである。ゲーム開始時にお互いに3つ配られてそれをドラフトとかした方が面白いんじゃないのか?

主人公は実質ランク1の雑魚なので使えるスキルに制限があるのだが、そこを頭脳で補…わずにハッキングの力で実質搭載量を増やしたり質を上げたりとやりたい放題。

最大の武器は頭脳です

ランボー/怒りの脱出

ゲームの勝ち方自体はブラフで降ろさせる、引き分けをうまく利用するなど頭脳戦っぽいものを選んでいるが、それを正しく成立させるためのゲームやルールに問題があるので結局ご都合主義感を拭えない。逆算して考えるのはいいけど、それが露骨に出るのはダメだろ。ルールの説明が不十分なクソゲーを後出しジャンケンで戦うことの繰り返しなので非常に締りが悪い。

ぶっちゃけゲームパートはやらなくていいレベル。スタッフロールにルールデザイン担当とゲーム監修の名前があってびっくりした。仕事しろ。これで原作はもうちょっとちゃんと描写されてるとかだったら泣けますね。

テンプレ女の子

ヒロインはだいたいこってこてのラインナップ。中身がないわけではないが、メインヒロインの片方がかなり強引で、髪が赤くて、聞き違いで勝手に勘違いして照れて、そういう無から好感度をむりやり捻り出すだけなタイプなのはもったいないと思った。オマケに主人公は難聴持ちときた。廃れたテンプレ程に虚しいものはそうそうない。

銀髪のメイドの方はかなりかわいいし、ストレートなタイプなので分かりやすい。ぶっちゃけ銀髪のメイドの方目当てに見ているといっても過言ではない。評判をサーチするとボロクソ言ってる人もメイドだけはほめてたりするオレモソーナノ。主人公を立ててアゲてくれてオマケに誠心誠意支えてくれるキャラに違和感を持たせないメイドという設定は生き残った側のテンプレってことやね。

いわゆるご褒美系のイベントも多数搭載している。しょうもな…。水着で風呂入る回で水玉ビキニは萎えた。小学生のパンツかよ。スク水とかいくらでもあんだろ、そこは工夫しろよ(こっちは小説の挿絵からそうみたいなので原作からそうらしい、そこは改変しろ)

😅

個性豊かなライバルたち

巻きで進めてるせいか薄味な連中が多い。よくわからない動機で主人公に絡んできて、後出しジャンケンに負けて、女なら服従し男なら放置したり共闘したりする。戦う理由まで後出しにすることもあり、いちいち盛り上がりに欠ける。主人公のずっと会ってない幼馴染がこの島にいるんだ!にしたってアニメ本編でほとんど情報が出ないのヤバすぎだろ。主人公のバックボーンやんケ。

それはそれとして

すごいキャラデザだ。耳に安全ピンとかかっこよすぎて震える。ググると安全ピンで穴をあけたりするらしい、そのまま装着できるのでリーズナブルだあと二つ名が全体的にダサい。

まとめ

ゲームはルールも内容もひどいのでメインの駆け引きがどうでもいいかんじ。イカサマ含めなんでもありの勝負だからこそ、基盤になるルールやゲームの盤石性がないと全く成立しない。推理小説におけるノックスの十戒と同様に頭脳戦にも十戒みたいなのが必要だなと再認識した。

  1. ルールは最初に開示されなければならない。隠しルールや落とし穴も、その存在を会場や説明からある程度推察できる必要がある

  2. 攻略方法に、事前に描写されていない超自然能力を用いてはならない。

  3. 攻略に際し、後出し要素が二つ以上あってはならない(一つ以上、とするのは誤訳)。

  4. 未発見の毒薬、難解な科学的説明を要する機械を攻略に用いてはならない。

  5. 主要人物として媚びるだけのオナホを登場させてはならない。

  6. 主人公は、偶然や第六感によってゲームを攻略してはならない。

  7. 変装して登場人物を騙す場合を除き、プレイヤー自身が影武者であってはならない。

  8. プレイヤーは、読者に提示していない手がかりによって攻略してはならない。

  9. サイドキックは、自分の判断を全て読者に知らせねばならない。

  10. ゲームに用いるコマンドや能力は、予め読者に知らされなければならない

ゲームがダメ、ラブコメも媚びるだけのとまともな奴との中途半端。ジャンキーな娯楽の立ち位置をイセカイ系に取られて当然だな!ちなみに作画は9話くらいからどんどん崩れていく。まさに石鹸枠が廃れた理由てんこ盛りといった感じ。テンプレを搭載してありきたりになるリスクに対して作品の面白さがおいついてねんだワ。

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