異世界探報期: 防振り2

痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。

怖いんだね?死ぬのが…だったら…


戦わなければいいんだよ!

この作品はなろう系きららだの、実況プレイを見ている様な気分だの言われているが、そんなことはない。そのラインに立っていない。そしてこれは作品そのものの瑕疵ではない。なぜならば、

何にも考えてないし

作り手が特に考えていないから。特に何も考えていなかろうと、それをネットに掲載して昨日見た夢の話が見たい人が耽溺しにくるのは問題ない。問題なのはそのレベルの事柄をいちいち大きく持ち上げてしまうところ。アニメ化してんじゃねーよこんなの。

というわけで、今回言いたいことはそのラベリングは実体に則してないのでは?ということ。貶す気しかないならば、なろう系きららと言ってもいいのかもしれないが、きららが可哀想じゃないですか。その手のアニメほぼ見ないけど。

起伏、ないよぉ!

大前提としてこのアニメは「JKと愉快な仲間達が有名声優の声で喋りながらダラダラゲームをするだけの話」である。それ以上でも、以下でもない。

異世界転生やVRデスゲームなどと比較すると、命の危機やら成り上がりやらもう遅いやらの主人公の目的がないという点で大きく異なっている。目的があるなら、それが果たされるかどうかとか、選んだ手段は正しいのか効率的なのかとか、その過程での主人公の変遷だとかに軸足を置いて見ることができる。

例え、主人公とかそのオナホとか被害者集団に何の興味がもてなくても、世界観設定が心底納得できないものだとしても、物語が持っている位置エネルギーだけは感じ取ることができるのである。例え物語として失敗しても、終わってみるまではどうなるだろうと考えていられる。

このお話はそういうのを完全に放棄している。その分ハードルは下がる…のではない、むしろ上がるのだ。面白いゲーム、耽溺したい世界観を提供しなければならないのだから。でもこの作品の舞台は紛れもないクソゲーで、共感できる人物なんてほぼいないし、そもそも「楽しいから楽しい!」って言われてもこっちは楽しくねえよ。自己申告で済ませんな。

人間関係、ないよぉ!

美少女動物園という言葉がある。概念としては美少女をとりあえず出しておけばいいだろうなどというナイーブな考えの元作られた話の足腰が弱い作品への揶揄だ。

気に入らない作品に美少女動物園のレッテルを貼り付ける行為は多々見られ、なろうもきららもこの点で槍玉に上がりやすい。

が、その評価を与える前にこの作品を見て欲しい。これこそ真の美少女動物園なのだ。これと同レベルの作品などそうないので、美少女動物園を使う時が来たらこれを思い出して欲しい。

可愛い女の子がいつまでも変わらない日常をダラダラと過ごす…そんな作品は数多くあるし、だんだんやりとりが固定化されて停滞を見せる。それでも、そういう作品でさえ、何か出来事が起こり登場人物はそれにレスポンスをして時に関係性を変化させる。ストーリーは遅いかもしれないがコメディはある。

確かに起きる波は小さいかもしれない(そしてやれることをやり尽くしたらダラダラ新キャラを追加して行くだけな気もする)が、確かにイベントと変化で波は起こるのだ。

このアニメはそういうの全くない。完全なる凪。パーソナルな情報を排して世間話もせず、ただただゲームを遊んでいる。誰に興味を持てっていうんだ。口を開けば「主人公さんすごーい!」か「よーし私も」しかいいやしねえ。登場人物はいつまで経っても知らない人のままだ。正直名前をほぼ覚えてない。だってどうでもいいもん。

一期はキャラが追加されれば初対面の人だから最低限の紹介とコミュニケーションがあり、一瞬だが波ができていた。でもそれは水槽に石を投げ込めば波紋ができる程度の話で、水槽の底に石が溜まった状態の2期ではそれすらない。なんで2期できると思ったんだ?

一人だけ「ロールプレイをしていたら素の人格とかけ離れた所でキャラが固定されてしまった」キャラがいて、そいつが出てくる時だけほんの僅かながらコメディが生じる。砂漠に咲いたサボテンの花を愛でるが如し。み、水…

ゲーム性、ないよぉ!

キャラが心底どうでもいいので、ゲームの没入感は上がる。というか、そこに注目せざるを得ない。

小説媒体なら、少ない文章だろうとそれを見てファミコンゲームの説明書を読んでいる子供の様にワクワクすることができるかもしれない。だがこれはアニメだ。綺麗な絵はついてて当たり前だし、受動的でいられるので視聴者は内容に意識を割く余裕がある。つまりアニメ化した時点でダメなのだ。

Yahooの提灯記事書いたバカはゲームへの没入感が高い原作!アニメにも期待!と書いているが完全にピンボケである。やりたくない仕事だからワザとバカみたいなこと書いているのかもしれない。

とにかくゲーム部分がつまらない。もうつまらなさ過ぎて言うことがない。提灯記事ではゲーム実況と比喩されていたがきらら呼ばわりが失礼な様にゲーム実況呼ばわりも失礼である。

例えクソゲーであっても、それがボタンを押せばクリアできる代物でない限りは何かの攻略が存在する。課題があり、知恵を絞って何かを効率化し、クリアーする。知恵をちゃんと絞っていればあとは編集でバフをかければクソゲーでもちゃんとした実況ができる。

このアニメはその面白くなる過程を全てカットする。課題の説明はないし、知恵は絞らないし、なんか技名を叫んでたら終わる。主人公が越えるべきハードルくらいはちゃんと描写してくれ、ヘボい異世界転移すらやってるぞ。

ちなみにどうでもいいキャラが何回もボスに挑む回があるのだが、仲間との相談も無ければ課題の認識→克服にも台詞を割かないという徹底仕様だった。うむ…いけそうだな!じゃねーよ、何をどうしてそうなったか全く分からないんだが。

無双のカタルシス、ないよぉ!

新しいスキルを手に入れても、主人公はトッププレイヤーだから変化はない(なくてもどうせ勝てる)。酷い時は「覚えていた」スキルを後出しする。強そうな敵と戦うこともあるが、苦戦したりもしない。新しいスキルを覚えてできないことができるようになったりとか、もうちょっと進めてこれが手に入るのかとか、そういう期待感的なものが皆無だ。どうでもいいゲームだから権力という称号にすら価値はないし、ステータスもろくすっぽ映さない。限界を超えてなお肉抜きをした結果針金とモーターとタイヤだけになったミニ四駆かお前は。

所詮物語上での駆け引きなど作者の作り出したプロレスであったとしても、感心も感動も感情移入もさせようはあるのだが、徹底して全てを削ぎ落とすスタイルには感心する他ない。なんなんだ本当にもう。一定以上面白くしてしまうと税金でも増やされるのか?

まとめ

ただでさえ凪いでいた作品は2期になり完全なる静寂と化した。美少女と声優とそれっぽいbgmだけで全てを誤魔化そうというある種の開き直りすら感じる。だってどうにかする気があったらどうとでもなるだろ、何にもないんだからあとは乗っけるだけだ。

2期を作ろうと企画したやつはバカだ。それをそのままアニメ化しようと考えた奴らは大罪人だ。ただの茶番でしかないものをなろう系きららだのゲーム実況を見る楽しさだのと褒めそやしている人間は茶番が茶番のまま商業レートに載せることを許容する意味を考えてみて欲しい。ハッキリ言ってお前達は舐められているし、茶番を茶番として完成させるのは一周回ってディスになってないか?

あと3期やりたいなみたいな終わり方してるけどできるわけねえだろ。バカがよ。

得点は0点です。徹底した空虚なだけだし、悪いのは持ち上げる行為そのものであって、不快になるわけではないからです。美少女あり脳みそチンコとイキリなしでは減点のしようもあるまい。主人公が他人の持ってないスキルを取るためのガ○○ムーブが無くなったのだけはまあマシかな。強いスキルを取るとそれでさらに強いユニークスキル取れるの完全に先行有利が固定されたクソゲーだよな。

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