異世界探報期:佐々木とピーちゃん

疲れた社畜がペットショップで見つけた小鳥は実は異世界人の生まれ変わりで転移魔法で現代と異世界を行き来して対価として金を貰って生計を立てていたら現代では異能力者が増えていて覚えた魔法を異能と勘違いれてスカウトされて働いていたら魔法少女なる存在もおり、1クール目最後では悪魔と天使の諍いも起こってることがわかり…

はい?

4つのアニメのあらすじをランダムに組み合わせたかのような内容になっている。こういうのって「昔にも転移者がいて、現世に帰ってきた魔法使いの系譜が異能力者と魔法少女の2タイプに分かれて争っている」…みたいな話を一本の筋に収束させるような設定にするか、逆に全く能力の種類をだぶらせずにメインキャラに等分していって差を際立たせたり…とかそういうのがありそうなもんだがそのどちらでもない。一つの話もロクにやりきってないのに設定が後から足されるので消化不良の連続が激しい胸焼けを起こす。

異世界技巧:五里霧中

とにかく軸足的なものがない。主人公の目的がスローライフ以外にこれと言ってないし、複数の事態が同時に襲ってくるせいで忙しなく動いている様はとてもスローのそれではない。「金銭的余裕ができたから上手い肉が食えてハッピー!」的なことを言ってるがそれはどう見ても残業しまくりで金が余った人がたまにできた休日に贅沢してる様子じゃないのか。

現世と異世界を行き来する話は数あれど、それでお金を貯めるだけというのはお話の軸として弱いように思う。利益が出るまで、またはそれが安定するまでにトライアンドエラーを繰り返し顧客との関わりで人間関係が…みたいなので本来いくらでも話が出来そうなのだが、この手の作品はあっという間に目標をクリアしてしまいその後が消化試合みたいな展開になりがち。現世に帰るとかそういう大局的な目標がないと卸売の成功=物価の低い国で遊んで暮らす資金ゲットで話が終わってしまう。

そんな中でこの作品は異能力を国が管理しており野良異能力者や海外勢力、反社との小競り合いの異能力者パートで時間を潰す…わけでもない。異世界文鳥が転移魔法だけでなく生前に覚えたあらゆる魔法を普通に行使できるので文鳥が出てくる時はあっさり話が解決してしまう。強敵との戦闘も交渉もこれ一本!じゃあないんだよ。そもそも異能力者パートが何をしたいのか全く分からない。

そこに魔法少女やら天使と悪魔が絡んできて話が非常にごちゃごちゃしている。問題点の一つは主人公に大局的な目的がほとんど存在しないので解決もその場しのぎが多いし、難しい奴は力技でゴリ押すし、主人公のスキルがそもそも分かりにくいし(多分社会人経験の長さからくる交渉力的なの)、話に筋が通っていないことだと感じた。加えて各種イベントに連続性がないので話がぶつ切りな印象を受ける。イベントAの解決にはBを進めなきゃいけないとか、問題Cの解決で新しく問題Dが起こったとか…(ABやCDにはそれぞれ違うジャンルの問題をねじ込む)お話間のつながりが薄いように感じた。

まとめると、ぶつ切りな話をくっつける接着剤の部分が緩く、問題とその解決自体もどこを面白いと思って見れば良いかよく分からない状態

二期決定

この頃の絵柄が好き

まあ…導入をしなくてよくなった分、存分に異種格闘技としてまともに振る舞える…のかも?


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