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春の嵐


私にとって嵐のようだった。



きっかけは1つのツイートだった。


【枝元雷亜君がオーディション番組に出るらしい】


ずっと好きな野球の事や生活の事などをツイートしたりするために使っていたアカウントのタイムラインに流れてきたこの一言だった。


今や全国区の人気となった水曜どうでしょうの中でも度々名前が登場し、北海道が生んだスター皆さんご存じ大泉洋さんの所属事務所オフィスCUE。

そこには大泉さんやTEAM NACSの面々以外にも所属しているタレントさんがいて日々北海道内の情報番組や深夜のバラエティ番組などで活躍をされている。



その中にはNORD(ノール)というボーイズグループも所属している。



昨年末にあの笑ってはいけない24時シリーズにも出演し、その他全国放送のバラエティでも見かけることの多くなった可愛いお顔で歌も抜群に上手なのにどこかおかしい挙動の島大星くんが所属しているボーイズグループだ。

特段どの子が好きとか推しているとかそういった感情はないけれど、北海道出身の若い男の子たちで大泉さんが可愛がっていると聞くとなんとなく頑張ってほしいなーと思う事はあった。



【特段どの子が好きとか推しはいない】と書いたけれど、それでもあえて言うならこの子が気になるかなーという子はいた。


しかし積極的に情報を追うという事はしていなかったし、ましてや2020年8月まで私は関東圏に住んでいたのでタイムリーな情報が入ってくることはなく、たまにタイムライン上で見かける野球ファン兼NORDのファンの方がツイートする内容で活動を知ることが多く、気付いた時に気になっていたその子はグループを脱退していた。




そこから月日は流れて、世界全体が凄まじい濁流に飲み込まれていった。


私自身の取り巻く環境も大きく変わった。



この脅威はいつ終わるのだろうか

もしかして一生終わらないんじゃないか。

制限なく好きな事をしたり、楽しい事を出来る日が懐かしい


その当時、たった7か月ほど前の自分のツイートを読むとそんな気持ちが一言一言に滲んでいた。



そんな疲弊した毎日の中で気になるツイートを見つけた。




【枝元雷亜君がオーディション番組に出るらしい】





「へー、雷亜くんがオーディションかー・・・。」


そう、NORDの中で私がなんとなく気になっていたけれど、いつの間にか脱退してしまっていたその子とはPRODUCE 101 JAPAN season2に出演していた枝元雷亜くんだった。



そもそも私はプデュというものがよくわかっていなかった。
オーディション番組というものに触れたのも朝の情報番組が追っていたあの女の子達の物語が初めてだった。




JO1というグループがいることはなんとなく知っていた。
でも、どういう経緯でデビューしたグループなのかはよくわかっていなかったし、ましてや個人名と顔を一致させることなどできなかった。
唯一分かっていたのはどうやらこの子達のデビューには吉本興業が絡んでいるらしいという事だけだった。




以前エステティシャンとして働いていた時に担当していたお客様が応援していた子がデビューすることになって、今度ファンミーティングに行くと話していた事があった。


「じゃあ推しに可愛い姿見つけてもらいましょう!」と盛り上がった事はあったけど、正直その当時は全くボーイズグループやアイドルという類の方に興味がなかったからかグループ名や推していたメンバーの名前など全く分かっていなかったし、関係ない世界の話だと思っていた。
多分今思えばそのお客様が言っていたのはJO1の事だったんだと思う。


最近よくそのお客様の事を思い出す。
あの時にもっと私が上辺だけの興味じゃなくてちゃんと知ろうと思っていたら今とは違っていたかもしれない。
今だったらもっとたくさん盛り上がって親身になってアドバイスをしてあげられたのかもしれない。
もう会うことはないであろうそのお客様への思いと自分の接客態度や施術者としての未熟さを今更ながら後悔している。



PRODUCE101 JAPANのseason1でデビューした子=JO1
という事を知ったのはseason2の配信が始まる直前ぐらいだった。


「へー、雷亜君はJO1になりたいんだ・・・。」



抱いたのはそんな感想だったと思う。


見始めた当初は雷亜君以外の子が全く分からない状態だったのでなんとなく宣材写真の顔がいいとか好みっぽいとかそういう事で投票をしていたが、放送が進むにつれてパフォーマンスや人間性など見えてくるものが増え、いつしか雷亜君以外の投票メンバーもほぼ固定されていった。



正直に言うと見始めるきっかけは雷亜君だったけれど、私の心は確実に別の練習生に奪われていた。



中野 海帆

その人だった。


最初の印象は骨太な感じがするなーという印象だった。

線が細くてきれいな顔立ちの子が割と多いと感じていた中で骨太で男の子!という印象の顔の子がなんとなくこういったオーディション番組に興味を持って出たいと思うんだなーと新鮮に感じていた。



ラップが上手な子なんだなー
ダンスもちょっと癖を感じるけど上手な子なんだなー
きっと運動が得意な子なんだろうなー
話してる姿がふわふわしてるなー


何が気になったのかよくわからないけどいつの間にか目で追ってしまうし、個人動画も何度も再生してしまっていた。


もっとこの子が普通に話している姿が見たいとか他の曲を踊ってるのが見たいとか海帆君に対して思う事が増えていった。


プデュを見始めるきっかけだった雷亜君は残念ながら第1回順位発表式で脱落してしまったが、その後も私は心を奪われた中野海帆君を応援するために見続けていたし、その熱は日を追うごとに温度を高めていった。



海帆君の夢が叶いますように
海帆君のなりたい自分になれますように



そのために私ができることは一体何なんだろう?

そう考えることが段々と増えていった。




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