久々に丸一日海で過ごした。

12時間、ずーっと海で砂浜で。
それでもまだ足りないくらいここにいたい。

朝まだ静かな、
今日一日の宇宙中の可能性を映したように輝く水面と
撫でるような優しい波の音を風を
ただ座り目を閉じてこの身体だけで感じる。

何度も
何度も
波に迎えられるかのように
海と自分との境目がなくなるようで、
吸い込まれていくような
本来の姿に戻っていくような。

最初はその度にびっくりして
目を開けて
身体に手を触れ
自分という存在が輪郭が消えてないことを確かめる。

そのうちもう
この輪郭が溶けていく
溶けてなくなる穏やかな高揚感に
一度襲われると
もう戻れない。
戻りたくない。
ずっとここにいたい。

そう、ここだったんだ。
これだったんだ。
戻って来たんだ。
戻って来れたんだ。
ここにいていいんだ。

どこに行ってたんだろう。
何を求めに行ってたんだろう。

ずっとここにいつもあったこと
長くて
不安で
心細過ぎて
見えなく感じなくなってた。

波に抱かれながら
同時に地球を抱いているような
この揺るぎない安心感と心強さと
泣ける程の肌馴染み感は
本当はずっと知ってた
懐かしいhome。

心地よくて
大きくて
温かく
光に満ちている。

これがあればどこへでも行ける。
ここがあるからどんなに遠くへも怖くない。

今のこの私を
招いてくれて
迎え入れてくれて
ありがとう。

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