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[一条工務店]お湯が早く出てくる間取り設計

一条工務店のような高気密高断熱住宅の恩恵を得やすいのはもちろん冬じゃないかと思います

少し暖房すれば部屋全体が20℃以上に保てるし、温度差も少ないため、適当な戸建て住宅よりはずっと快適になるでしょう(予定)

ただ、高断熱住宅でも、どうしても冬を実感する瞬間がある気がします

その瞬間とは

蛇口を捻ったときのお湯が出るまでの時間

例えばお風呂入ったとき
シャワー出してすぐは冷水が出てきて
その後時間が経つと温かいお湯が出てくるのがお決まりのパターンですよね

この構図は高気密高断熱住宅と普通の住宅では大差ないはずなんです

この時の冷水は外気並みに冷たいこともあるから
いくら浴室が温かくたって冷たいものは冷たいし
早くお湯出てこい~!
って必ず思うはずです

ここで一つ
実はお湯が出てくるまでの時間って、間取り設計で決まってるって知ってましたか?

生活空間のデザインにとらわれ過ぎていると、いつの間にかお湯が出てくるのが遅くて節水・節電のできない家になっちゃう可能性があるので

これから話すことを是非気にかけながら間取りの検討をしてみてください

そもそもなぜ最初水が出るのか

蛇口を捻ったときに最初に出てくる水は、給湯器から蛇口までの配管にたまった水です
配管は床下の基礎を通っていますが、一条工務店は断熱材を床のすぐ近くに入れる床断熱方式なので、基礎は一部の箇所を除いて無断熱であり、外気と同じように冷気にさらされます

このときの水は過去の使用時にエコキュートから出てきたお湯からなる、いわば残り湯ですが

時間が経つと当然配管に熱を奪われて、冬には冷水となります

よって、いざエコキュートからお湯を届けようとしても、この残り湯(冷水)を出しきらない限り蛇口からお湯が出てくることはないのです


お湯を早く出すための基本的な考え方

前記の原理を踏まえると、エコキュートからのお湯が早く出てくるようにするためには
残り湯が溜まる余地を少なくすること
すなわち配管を短くすることが重要です

よって、直感的に出来る対策としては
エコキュートと水回りの距離を離しすぎない
ことが重要といえるでしょう

多くの場合、水回りは北側に集まっていることが多いと思います
それを考えると、エコキュートも北側の外壁近くに設置できると効率的かもしれませんね

エコキュートと水回りの距離以外のポイント

しかしながら、前記の対策だけでは完璧とは言えません
施主さんによっては、エコキュートと水回りを近づけたのに、配管がめちゃくちゃ遠回りしてた方もいらっしゃるようです

一条工務店の場合、配管図面は着手承諾後に作成され、施主側から'こうしてください'などとリクエストすることができません

なので配管が最短距離な図面になる確率を上げたいところですが

設計士の方にダメ元で相談してみたら、とても良いポイントを教えてくれました

それが
配管は床下点検口の近くを通る
ということです

その理由は
給湯用配管のヘッダーボックスを床下点検口の近くに設置すると、点検がしやすくなるから
だそうです

上から見たときの実際の配管経路

ヘッダーボックスとは、給湯器から伸びてきた配管を分岐させる箇所のことです
一条工務店の床暖房でも温水を各所に流すためにヘッダーボックスで分岐してますよね
これと似た配管の分岐点が、給湯用途で床下に付くんです

このことを踏まえると、床下点検口をエコキュート本体か水回りの近くに設置した方が
エコキュート⇒ヘッダーボックス⇒お風呂等
の配管の合計距離が短くなり、お湯が早く出てくる、と考えられます

床下点検口ってビジュアル的にはノイズになるので、パントリー内とかに隠そうとされる方もいらっしゃいますよね

そうなると、お風呂からかなり遠くなったり、エコキュートの位置との兼ね合いではかなり配管が遠回りする可能性があります

ビジュアルの方が重要度は高いかもしれませんが、一応気にしておきたいポイントですね

その他のおまけテク

パイプに断熱材を巻く

お湯が通る配管は金属なので、外気に触れると配管自体が冷たくなって中を通るお湯を冷ましてしまいます

逆に言うと、お湯が出始めてから何秒間かは冷たいパイプを温めるために熱を消費してしまっているということです

この現象をできるだけ和らげるためには、パイプの周りに断熱材を巻くという対策があります

引き渡し時点で多少の断熱材は巻かれているかもしれませんが
・配管全体を断熱材で覆うことができているか
・十分な厚さになっているか
あたりを確認して必要ならDIYで増強してみるのも良いかと思います

パイプを細くする

今回はパイプ内の冷水を早く出しきるための方法として、配管を短くすることを提案していますが
実際には溜まってる冷水の量が減れば同じ効果が期待できるので、パイプを細くするだけでも効果があります

ただこれは、設計士さんにお願いしても通らない場合も多いでしょう
居住開始後に、本気でDIYしたい方は配管の交換にチャレンジしてみるのも良いかもしれません


参考:
だんチャンネル 暖か、団らん、高断熱住宅実はコスパ最強!?給湯の省エネと節湯をお忘れなく あたらしい家づくり教室/前真之先生

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