使い切る分しか買わない、持たない生活について

冷蔵庫を買い替えようと思っている。こう書くとふつうは大きなものへの買い替えを思い浮かべるかもしれない。けれどもその逆で、小さいものがほしいと思っている。わが家の冷蔵庫は中がスカスカだ。狭い家の中でひときわ大きな存在感を放つ冷蔵庫は、スペースという資源を浪費しているように見える。スペースが圧迫されると、心も圧迫される感じがするのは気のせいだろうか。

基本的に毎日、買い物に行く。その日の夕飯に必要な食材だけを買う。買い置きはしない。こうすると常に自宅の食材の在庫を把握できて、家にあるのにまた買ってしまうというミスを防ぐことができる。そして食材の賞味期限を過ぎるということがない。料理も基本的にはその日に食べるぶんだけを作る。あまった料理を腐らせてしまうということがない。必要なものを必要なぶんだけ。こうすると、すべてをコントロールできている感じがして、精神衛生的にとてもいい。

食べ物に限らず、わが家にはものが少ない。デジタルグッズをよく買っているので、ものが多いという印象を持たれているかもしれない。けれども実際にはデジタルグッズしか買っていないから、むしろ持ち物は少ない。カメラを収納するために小さな防湿庫を買ったのだけど、入りきらないぶんは処分してしまった。管理する範囲を防湿庫だけに絞ったと言える。デジタルグッズにしても他のものにしても「いまは使っていないけれどいつか使うだろう」というものは捨ててしまう。洋服もコートとシャツをのぞけばタンスの引き出し1段に収まる。ものを減らすと管理コストが下がる。整理整頓をする必要もなくなる。

仕事についても、持たない戦略で取り組んでいる。なにかを依頼されたときに、それは本質的なことなのだろうかと考える。それは本当に解決したい問題を解決するのだろうか。そうしてクライアントに提案する。その依頼内容では費用対効果が低いので、こちらのシンプルな方法でいきませんか。本質的ではない仕事はクライアントにとっても自分にとっても浪費でしかない。説明すればたいていは理解してもらえる。

形のあるものもないものも、所有してしまうと管理コストが発生する。できるだけこれを避けるようにしている。買い物をするときのポイントカードを持たないのもそうだ。ポイントがたまると得をするように感じるのだけど、管理コストや持ち歩くコストがかかっているので、僕の場合はマイナスに感じることのほうが多い。管理コストが増えるとストレスも増える。ひとり親の生存戦略はストレスをためないことなので、持たずに生きるということが生存確率を上げてくれると思っている。

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