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料理嫌いが「食」を学ぶことにした

おにぎり作家を名乗っておいてなんだけど、料理があまり得意ではありません。いや、むしろ苦手です。コンプレックスです。

  • 夕飯の準備が憂鬱

  • レパートリーが増えない

  • 自分の料理に飽きた

主婦歴14年のうちに何万回思ったかしれません。

料理が苦手なおにぎり作家

そんなわたしが2020年、思い立って「毎日おにぎりを握ること」をはじめました。

きっかけは在宅ワークの合間に食べるごはんを少しでも充実させようという思いから。時間と手間をかけず、無理もせず、だけど自分を癒せるようなメニューとして、選んだのがおにぎりだったのです。

3日坊主にならないよう、作ったおにぎりはInstagramに記録していくことにしました。せっかくだから昨日とは違うメニューにしてみようと意識しているうち、どんどんおにぎりアレンジが溜まり、おにぎりカタログのようなアカウントへと育っていきました。

見てくださる方も少しずつ増え、同じように日々おにぎりを握られている方から「参考になります!」とメッセージをいただくことも。

“アカウントを通じてご縁があった方のお役に立てたらいいな”。

最初は自分の記録のためにはじめたおにぎりポストが、いつしか見てくださる方に届けたいという目的に変わっていきました。

ありがたいことに雑誌、テレビ、ラジオ、WEBメディアといった媒体で取り上げていただく機会にも恵まれました。

そして、2022年11月、書籍『毎日おにぎり365日』刊行。

苦手を逆手に取る

「料理が苦手って、あんなにたくさんのおにぎりを作っているのに?」

そう聞いていただくことも多いのですが、わたしにとっておにぎりは“料理なんだけど、料理でないような…”。いってしまえば特別枠。

というのも、「料理が苦手でも楽しく作れるおにぎり」をテーマに今まで活動してきて、本当にわたし自身が気張らずコンプレックスを持たずに続けられているのがおにぎりなんです。

堅苦しいルールは設けず、自由に、ときには駄菓子だってごはんに混ぜちゃう。“これとこれをおにぎりにしたらどんな味になるんだろう?”と、実験のようにレシピを生み出しています。

おにぎり作りは楽しい。だけど、料理はやっぱり苦手です。

思わぬお叱りと激励

「料理が苦手なこと」を自分の武器として捉えている節もありました。“苦手だからこそ怖いものがないし、思いきったアレンジができるんだ。”そう思いながら活動してきたんです。

でも、ずっと同じことをしていていいのだろうか?実はそんな思いも膨らみはじめていました。

そうして胸のうちでモヤモヤが広がりはじめた頃、お仕事を通じてある出会いが。

「“おにぎりを食べてほっこりする”なんて、みんなわかりきっていること。あなたの立場でいつまでもそんなこと言っていたらだめよ。」

衝撃を受けました。

「毎日おにぎりを握っていてすごい」
「ホントおにぎりってほっこりしますよね」

取材などではそういったご意見をいただくことが多く、肯定していただくことはあっても、その逆というのはほとんどありません。(もちろんこちらが話しやすいよういい雰囲気を作ってくださることに心から感謝しています!)

だから思わぬ角度から「だめよ」と意見をいただいたとき、はっとしたんです。変わるタイミングがきたと直感しました。

激励をくださったのは、料理研究家で日本フードスタディーズカレッジ理事長の田中愛子先生。おにぎりの活動でご一緒する機会が何度かあったのですが、お会いするたび、先生の一言一言が響きます。

日本のお米をいただくありがたさ。
食に対する考え。
次世代に伝えていくこと。

今までこんな風に食を大切にされている方に会ったことがありません。

料理嫌いでここまできて、先生の知識や経験の深さに触れられる機会に恵まれるだなんて。不思議な巡り合わせに心から感謝しています。

そして「あなたにはそういった知識を伝える存在になってほしい」。そんな風に言ってくださったことに、恐れ多くも“お応えしたい”と感じました。

“料理苦手”の原因を探る旅へ

おにぎり作家として次のステップに進んでみたい。
でも、具体的にどうすればよいのだろう?そう思っていた矢先のことです。

「今度、基礎から学ぶ食の講座をするのよ」

先生のほうでは、ちょうど新たな講座をはじめられるタイミングだったんです。
風が吹いた気がしました。

「受けたいです!」

迷いはありませんでした。

そうして、4月から約半年間。田中愛子先生のもとで一から食を学びます。料理が苦手で苦手で仕方なかったわたしが半年でどう変わるのか、せっかくなのでnoteに記録していくことにしました。

わたしと同じで料理が苦手という方は同じ目線で、料理がお好きな方はぜひ温かく成長を見守っていただけたら嬉しいです。

料理が苦手。
そんなわたしだからこそわかる気持ちがあるし、できることもまたあるはず。

無理に料理を好きになれなくてもいいと思っています。だけど、嫌いと言うからには知っておかなければならない。とことん向き合ってみるつもりでいます。

よかったらぜひお付き合いください。



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