なんとなく行った場所で、新しい「好き」を知れることって結構ある

茶色のネイルは、本当はしたくない色だった。

秋らしいとか、そういう季節を洋服で示すのがちょびっと恥ずかしくて、

私はどうしてもその道を避けて通りたくなってしまう。

夏だから黄色!とか、春だからピンク!とか、そういった季節のイメージはとっても大事だけど、

私は基本的に黒色が好きだし、自分の「好き」を自分で全部知っているから

何を買うにも決めるにも、「自分の好きの枠組み」から外れることはなかった。

でもこの日は違った。

ネイリストさんに予め見せていた画像の色はワインレッドのような赤で、

ラメ感と光沢感が絶妙にまっちしていて、陽の光に照らせば透明感の出る色だった。

だから、どう見ても、どう考えても茶色ではなかった。

でも、担当の人が笑顔で「この色ですよね?かわいいですよね。秋らしくて」と、茶色のラメのサンプルを指さしたので、

つい「はい。そうです」と言ってしまい、断ることができなかった。

それに、初めて行ったネイルサロンだったから、余計に断りずらかったのもあるかも。

昔から私は、そういうところがある。

大事なことに限って断れなくて、どうでも良いことに限って断れてしまう。

そんな自分が嫌だった。

断れない内容は誰にも迷惑をかけないものばかりだ。

でも、自分にはとってもダメージがある。

「あの時断っていればな~」と思い出すこともあるぐらいだ。

そのぐらい自分にとって、自分のやりたくないことを断れないことは

おおきなダメージになることが分かっていても、私は断ることができない。

都会の雑居ビルの中にある、今ドキのオシャレなネイルサロンでは洋画が流れていた。

普段は映画を見なければ、洋画なんて余計に見ないので、あまり気にはならないハズなのに、

この日は、ネイルが始まる前から来月のネイルのことを考えていたし、

気持ちをどうにかしてプラスに持っていきたかったので画面をただ見つめていた。

画面に映る映像は、美しすぎるブロンドヘアの女優さんたちが歌って踊っていた。

その姿がとっても魅力的に感じたし、それにあの時はネイルサロンにいたから、ちょっといつもよりおませな気持ちが表に出ていたのかもしれない。

なんとなくながらも、その映画をずっと見ていてると、

「あれ?これもしかして、学生時代に友達がハマっていた映画じゃないかな?」と思った。

そうそう。確かそんな気がする…と、少し前の過去に想いを馳せてみる。

学生時代に「バーレスク」という映画を友達に勧められた。

「あの世界観とか、舞台の色とかさ~服とか!絶対に好きになる映画だから見てみて!」と言われた映画だった。

でも、当時はあまり興味がもてなくて、調べることも、見ることもしなかった映画。

画面に映る映画の内容と、友達の話が一致するところがあったから、すぐにググりたかったけど手はネイルをしてもらっているので、とりあえず見ておこうと映画を見だしたら、内容がとっても面白くてネイルが終わってもまだ見たいな~なんてことを思っていた。

映画に夢中になりすぎて、ネイルのカラーのことなんて忘れてたけど、出来上がった自分の爪をみたら、

秋らしい深みのあるダークブラウンがとっても魅力的にみえた。

いつもなら嫌だと思うものが「良い」と思えたこの瞬間は、もしかすると映画のおかげなのかもしれない。

ネイルサロンで映画を見るのって良いな~と思いながら、「そうそう、さっきの映画のタイトル…」と、さっきまで見ていた映画を調べた。

「やっぱり、これがバーレスクか~」とスッキリすることもできたので、この日はとっても良い気で帰ることができた。

(友達へ あの時はすぐに見なくてごめんなさい。

話を聞いてから約5年が経ちましたが、あなたの言った通りとっても私の好きな映画でした)

前にも少し話したけど、ヘアカラーを変えることや、ネイルカラーを変えることは魔法の一つだと思う。

私はパソコンで仕事をすることが多いから、ネイルがかわいいととってもテンションがあがるし、やる気がでる。

だからこうやって毎月ネイルをするんだけど、行く先で新しいことが知れるのもサロンに通う一つの魅力かな~なんて思った。

秋だからこんな色にするなんてのもたまにはいいのかもしれない。

自分の好きって案外固着してしまっていて、なかなか取ることができないからこうやって自分の中に新しい風を入れることで、また自分の「好き

を知れるきっかけになった。

何事も試してみないと分からないし、やらなきゃ何も始まらないと思った秋のスタート。

あっという間に,街のムードはクリスマスだ。

12月のネイルは何色にしようかな。

赤と緑…??今年はそれも悪くないかもしれない。

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読んでいただいてありがとうございます!

うれしい!!
12

響あづ妙

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