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90年代の音楽が流れる、阪神甲子園球場

連日続く雨も止み、日中はカラッとした天気で、夜は夏の涼しい風を体感できた7月21日。阪神甲子園球場では《虎フェス》が開催された。

虎フェスってなに?

そもそも虎フェスとは何なのか…そう感じる方もいるだろう。私自身、偶然7月21日に試合を観に行くことになったので、5月ぐらいまで虎フェスの存在自体知らなかった。チケットを取るタイミングでこのフェスが開催されることを知り、公式HPでどんなことが行われるのかを調べてみた。

ざっくり説明をすると、入場者には虎フェスハットが配られ、マークパンサー氏がDJをして、米米CLUBの石井さんが歌を歌い、選手の登場曲が1990年代の曲に縛られるのが虎フェス。

個人的には選手が自ら選んだ登場曲というところが魅力的だと思った。空前のフェスブームともいえる時代にこの企画をするのは凄く素敵。特に、90年代に縛るのが置いてけぼりにされるお客さんがいないんじゃないかな?と思った。90年代の曲は20代の私からすればガッツリ聞いて育った曲というより、『どこかで聞いたことのある曲』が多い。それでも、CMなどで流れる曲はインパクトがあるし、よく覚えている。

今年の5月に公開された映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』は、劇中で90年代の曲がメインで流れる。『これ聴いてたな~』と懐かしむ感覚よりも『どこかで聴いたことがあるな』という感覚が強く出て、それは記憶を辿るツールになった。


そういえば、春先のキャンプの時、阪神タイガースのオフィシャルInstagramにこんな写真が掲載されていた。

「よっ!男前!」「よっ!近江高校の宝!(阪神タイガース62番植田海選手)」と言いたくなる気持ちを抑えて、2枚目を見て欲しい。2枚目を見ると何かを選ぶ3人の姿を確認できるはず。実は、これを投稿した日のストーリーで『ひだまりの詩/LeCouple』を聴く3人の姿がアップされていて、良い曲聴いてるな~なんて思っていたのだが、実はこの時、虎フェスの登場曲を決めていたそうだ。まさかこんな前から7月の登場曲を決めていたなんて…。なんだか伏線が回収されたみたいでスッキリした。

実際に体感した虎フェス


球場に入ったのは17時過ぎだった。虎フェスハットを受け取り、座席に向かっていると、球場内からも聞き覚えのある90年代の曲が流れていて、一緒に来ていた友人たちと声が揃った瞬間が本当に楽しくて『毎日これでいいのに』と思ったぐらい、ワクワクして、入場をしてものの数十分で虎フェスの虜になった(チョロい)

試合前にマークパンサー氏のDJがバックスクリーン前であり、その後、米米CLUBの石井さんが登場。真っ白の衣装に身を包み『君がいるだけで』を唄う。まさか甲子園球場でこの生歌を聴くことになるとは…人生何が起こるか本当に分からないな…なんて思いながら、頭の中に浮かんできた野生爆弾くっきーのモノマネを消し、1塁ベンチ前にいる石井さんに意識を集中させた。

18時プレイボール!さあ、待ちに待った《選手が自ら選んだ登場曲》を聴く時間がやってきた。この日の阪神のスタメンは

1(中)近本、2(二)糸原、3(右)糸井、4(三)大山、5(一)マルテ、6(左)高山、7(捕)梅野、8(遊)北條、9(投)西 

最初にかかったのは、先発の西投手が選んだ『LA・LA・LALOVESONG/久保田利伸』だった。イントロの2秒で何の曲か分かってしまう名曲が甲子園球場に流れた途端、いつもと違う空気を感じた。爽やかで甘酸っぱい不思議な空気。この日はお天気が良くて、風も吹いていて涼しかったので、より爽やかに感じた。実際登場曲がかかる時間はそこまで長くはないし、曲が止まったら《勝ち負け》の決まる試合が始まるんだけど、いち球場ファンとしてこの演出には痺れた。

この日特に印象深く残った曲をザッと挙げると、切り込み隊長の近本選手が選んだ『真夏の夜の夢/松任谷由実』のセンスに脱帽をし、北條選手が1打席目に選んだ『だんご3兄弟/速水けんたろう』には球場全体がウケていて雰囲気が良くなった。大山選手の偶数打席の登場曲が『負けないで/ZARD 』で、阪神の4番を務めるのは大変なんだろうな…と、普段から『Mrs.GREENAPPLEのIntheMorning』を登場曲にする彼の後姿を見つめたりもした。後、梅野選手が選んだ『Boys&Girls/浜崎あゆみ』が流れたときに「うわ、梅野さんめっちゃアユ聴いてそう」とベストマッチ度にテンションが上がった。

書き出すとキリがないのでこの辺で終わりにするけど、やっぱり選手が自ら選んだ登場曲を”いつもと違う形”で聴けるのは凄く良かった。

90年代登場曲をスタメン順に並べると、こんな感じ(複数ある選手は奇数打席のみ抜粋)

近本「真夏の夜の夢/松任谷由実」、糸原「愛は勝つ/KAN」、糸井「Deependyou/浜崎あゆみ」大山「オリジナルスマイル/SMAP」、マルテ「Suavemente/Elvis Cresop」高山「世界中の誰よりきっと/中山美穂&WANDS」、梅野「Boys&Girls/浜崎あゆみ」北條「世界が終るまでは…/WANDS」、西「今宵の月のように/エレファントカシマシ」


Apple Musicの”1990年代邦楽ベスト”を見ると、聴いている人のタイプがざっくりと分けられそうだ。《一発屋が多い90年代の音楽》という言葉を見かけたことがあるが、たった1曲で印象深く記憶に残るからこそ、虎フェスが盛り上がったんだろうな~~(つまり、めちゃくちゃ楽しかった)

後、個人的にすごく感動したのが、試合後にこの試合に出ていない選手が選んだ曲も全て発表されたこと!後から《知りたかった選手の情報を知れる》のはファンとしては本当に有難い。

『へ~この曲だったのか!球場で聴きたかったな~』とか『うわ!懐かし!!!』とお風呂に浸かりながら楽しんだ時間も含めて全てが虎フェス。数日余韻が残るような素敵なイベントだった。

選手の90年代登場曲リストを見ていて気になったのが、牧丈一郎投手。『あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう/岡村靖幸』を登場曲にチョイスしていて、本当に素晴らしい!!野球選手には珍しい新世代感…。通常の登場曲も『丸の内サディスティック/椎名林檎』にしているぐらいなので、牧選手が活躍する未来の野球界を楽しみに、また球場に足を運ぼうと思う。




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響あづ妙

『住みたい』と感じる場所で暮らす/2019年11月から金沢移住/お仕事依頼等はこちらまで→kuroiro1203@gmail.com

NO MUSIC NO BALLPARK

音楽が流れない球場なんて、球場じゃない。「あれ、この選手が使ってる登場曲がすごく好きだ。なんて曲だろう」そんな新しい発見ができるのも球場の良さ。音楽と野球の繋がりを感じるマガジンです(連載担当:響あづ妙)
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