あなたと、わたし /サヘル・ローズ

昔、どこかの誰かが言っていた。

テレビかな、もしかすると読んだ本かもしれない。

「自分のことを弱いと思っている人ほど、ほんとは強いんだ」と。


私の好きなロックンローラーは

「この世には痛みや悲しみを 歯を食いしばって抱きしめる君にだけおこせるキセキがある」と言っていた。

よ~いドンで物事を始めることが、とにかく嫌いで、誰かと何かを比べることが本当に苦手。

だって、人は「勝ち負けがつけられないことでも、すぐに勝ち負けにしよう」としてくるから。それが嫌で、嫌でしかたなくて、スタートラインの白線に立つことすら諦めてしまう。

ずっと、校庭の端っこで三角座りをしては、走るみんなを目で追うような日々。退屈ではない、これが私の生き方だ…と自分に言い聞かせて生きてきた。


そんな私の目の前に、ひとりの女性が現れた。

彼女はとにかく、強くて、まぶしかった。

でも、何故だか自分と同じ香りを感じた。ほんの一瞬だけ、その香りは、分かる人にしか分からない香り。

小学校の卒業式の答辞で、かわいい女の子が「これから私たちが歩む道は平たんなものばかりではないでしょう」と言った。でも、彼女はきっと良い道を歩くんだろう…なんて幼心に感じたあの卒業式のあの答辞のあのフレーズ。


ねえ。私も、そして目の前に現れたあなたが歩んできた道も、平たんなものばかりではないでしょう…?

そう、伝えたくなる相手ができた。

彼女はよく、私に言葉をくれた。

その言葉ひとつひとつは、心にしみわたって、体中に溶けていく言葉。


私の知らない世界をたくさん知っている人。

私の人生からは想像もできない辛さを知っている人、それでもまっすぐな人。

私が出会ってきた中で、一番儚くて、繊細で、強い人。

そんな彼女が紡ぐ言葉に、触れている今。
平成が終わることはビジネスなんじゃないかと思ってしまう、2018年の12月。

私は、少しだけ、過去の自分に会いに行ってあげたいと思った。

4年前の夏に行こう。

最後まで授業を受けることができなくて、トイレに逃げ込んだ私がいるはず。

トイレの前の白くて、なんにもない廊下で、教室に入ろうか悩む私がそこにいるから、この本を渡して、伝えてあげよう。


「私には、いつの日か、心の底から信頼できる姉ができるんだよ」と。

きっと、当時の私には分からないだろう。でも、いつか必ず分かる日がくるし、分かった時にはまた過去の自分に同じ声をかけたくなると思うから。


その人が紡ぐ言葉は、誰かの人生を豊かにできてね。

弱さすら認めてあげることができて、弱さがあるから前に進んでみようかなと、思えるような言葉。

この言葉は、彼女にしか紡げない世界でひとつの言葉。


本当に、おめでとう。



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響あづ妙

石川県金沢市に魅了された大阪在住のフリーライター/自分が『住みたい』と思える場所で暮らす幸せを伝えたい/お仕事依頼等はこちらまで→kuroiro1203@gmail.com

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