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猫でもできるラバーキャットスーツの作り方

(Last Update: 2021/01/22)

トップ画撮影: Tuna

ラバーキャットスーツ自作しました。響音カゲです。

ちょっとしたプラモ工作のノリで作れるので、家から出られない間の趣味としてもいかがでしょう。自分の作った服を着るのって楽しいですよ。

費用はだいたい3万円ぐらいです。型紙代とラバーシート代が2万ちょい、接着剤が3000円前後、工具が5000円ぐらいです。
3万円に加えて、保護光沢剤や着るための潤滑剤などに追加で1万円ぐらい掛かります。

制作期間は週末作業で2週間ぐらい、正味4日ぐらいです。そこまで時間は掛かりません。

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初制作ですがこんな感じ

手順

1. 採寸する
2. 型紙を買う
3. ラバーシート、接着剤、道具を買う
4. 型紙を写して切り出す
5. 接着する
6. はみ出した部分を拭く
7. 24時間程度乾燥させる

採寸・型紙を買う

型紙はEurocatsuits.comで買います。

http://www.eurocatsuits.com/do-it-yourself-latex-catsuit.php?la=jp&currency=EUR

一応、制作に必要なもの全部入りセットも売っていますが、接着剤が禁輸品に引っかかるのでパターンだけ買いました。物流や法律の専門的な知識があれば自分で輸入の許可とか取ってできなくはないですが、私は専門家ではないので詳しくは知りません。
輸入は気をつけてね!

採寸はページに採寸箇所も載ってます。採寸動画を一時停止しながら2人でやるのが効率良いと思います。

笑顔が素敵なスタッフ

Googleスプレッドシートにテンプレートを用意しておきましたのでご利用ください。

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1chNoNMPWAlWxRp9zFOYhKLehBzt2_7GFntgbazSodMI/edit?usp=sharing

もし、市販の水着や下着などの型紙を使う場合は一回り(おおよそ数%程度)サイズを小さくしてください。ラバーは伸縮性があるため、そのままのサイズで作るとぶかぶかになってしまいます。

表に出さず、他人に譲渡・販売しないような、完全な個人用途であれば、全身タイツなどをばらしたものを型紙にしてもよいでしょう(やったことない)。

制作しないで放置している間のラバーシートの劣化防止のため、型紙が届くまではわくわくしながら待っておきましょう。

私は、この型紙を別の紙に写し、模様に沿って加工しました。

ラバーシート、接着剤、工具の購入

さて、型紙が届いたらラバーシートと工具を買いに行きます。

ラバーシート、接着剤はKurageで買えます。実店舗で色などを見て買った方がいいです。ファスナーは手芸店とか、新宿オカダヤで買えます。

ラバーシートは4D RubberとRadical Rubberの2種類のメーカーが有名です。Kurageでは両方置いています(常に全色在庫があるわけではありません)

5m以上同じラバーを買う場合は直接輸入してもよいでしょう。ただし、ある程度の時間はかかります。

場所によっては、1cm幅などの帯(Strap)を売っている場合もあるので、あれば接着や縁取り、補強に使うので買っておきましょう。

工具は次の通りです。

ほぼ必須:
ローラー
カッターマット
ロータリーカッター
ロータリーカッターの替刃
ゴム切りハサミ
銀ペン
定規
・ゴム手袋
・コットンとか柔らかい布

あるとよい:
ゴムハンマー
ゴムマット(1cm厚程度のもの)
正円ポンチ(2〜3cm径程度のもの)

工具はおおむねAmazon, 東急ハンズで揃います。下のスプレッドシートのリンクか、末尾の買うものリストから飛べば買えます。

ラバーキャットスーツ制作に必要なものリスト

型紙転写

型紙を転写する際は、水やエタノールで簡単に落ちる銀ペンを使います。レザークラフト用品を売っているところや、Amazonに売ってます。

カット

カットはロータリーカッターを使います。大きさは2種類とも買っておくと良いでしょう。小さいものは小さいパーツに、大きいものは大きな部分を切るのに使うと良いです。

細かなパーツにはゴム切りハサミを使います。

正円のパーツ(補強用)は同じ径のポンチを使うと綺麗に抜けます。

ラバーは伸びるので、まっすぐ線に沿って切るのですらめちゃめちゃ難しいです。トリム線はそのまま仕上がりに出るので、うまく切れるように練習しましょう。

接着

接着はKurageに売っている接着剤か、市販されているゴムのりを使います。

溶剤で拭いたり、接着剤を塗ると丸まるので、接着面の裏に両面テープを貼って机に固定しておくと、乾燥中に丸まってあらぬところにくっつくことを防げます。

接着前にKurageで買える溶剤で表面を拭いて、油分と汚れを完全に落とします(脱脂)。ケチるならアセトンとか無水エタノールとかIPAとか何でもいいですが、Kurageの溶剤(ソルベント)が一番使いやすいです。

その後、接着剤を接着面よりわずかに広めに塗ります。接着剤は接着面両方に塗ります。上記の裏張りをやっていると、丸まって接着面があらぬところにくっつくのを防ぐことができます。

接着剤は塗りすぎると乾燥が遅くなり、接着が不均一になります。どちらかの面に塗れていない部分があるとそこから剥がれてきます。薄く均一に、接着面両方に塗ります。

1分ほど乾燥させ、表面がベタベタしなくなった頃(できるだけ触らないこと)に貼り合わせます。このタイミングだと、塗った面同士でないとくっつかなくなっているはずです。

伸ばした状態で接着してしまうとシワになってしまうため、慎重に伸ばしすぎないようシワにならないよう貼っていきます。ものすごく難しいです。

接着後ははみ出したところの接着剤を溶剤でよく拭き取ります。

放置

接着後、24時間は加硫して完全に接着するまで時間が掛かります。

試着等はしないようにします。過去に裂けて台無しになった経験があるので絶対やめたほうがいいです。

注意点

・ラバーはナマモノ、放置しない
ラバーは金属で変色、紫外線、蛍光灯、酸素などで劣化します。

・色の違うラバーを重ねておく
・金属に触れたまま放置する
・作りかけのままずっと放置する
・エアコンの風が当たるところに放置する

などで変色したり粉を吹いて元に戻らなくなったりするので注意しましょう。ラバーはナマモノ、早めに完成させてBegloss Perfect Shineを塗って保護しておくのが吉です。

完成したラバーの管理方法はFetish-Styleの記事が分かりやすいです。

・接着は均一に、面を汚さない
接着面が一部汚れたりして局所的に弱い箇所ができると、そこが剥がれた時にしっかり接着している箇所との境界から盛大に裂けます。極力均一に、接着面を汚さないように付けるのが重要です。

・普通の服の型紙を流用する
普通の服の型紙を使う場合、きちんと各所のテンションを考えるなら採寸して型紙を修正するのが吉です。ある程度洋裁の平面作図の知識が必要になります。

・コスパは悪い
身も蓋もない話ですが、ラバーキャットスーツ買うだけならL-BASE や Kurage For Your Pleasureで買った方が絶対良いものが買えます。この3店は行ったことがあるので間違いありません。

品質度外視で1円でも安いのが良いなら某ナマズで買った方が安いです。店に置いていないオリジナルな色で作りたい! キャララバーを1円でも安く作りたい! って人にはいいかもしれません。

2021/01/22追記:詳しくは書きませんが、鯰が法的トラブルを起こしてWebサイトが分裂しています。ラバー自体の品質によるトラブルの可能性もあります。
おすすめはしませんが、リスクを承知の上でどうしても買いたいのであれば中国の工場とのコネを探して直接やり取りしたほうがよいでしょう。

自作するとあちこち剥がれるので、補修が大変です。逆に補修はうまくなります😂

まとめ

意外とラバーウェア制作は作るだけなら簡単です。チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

某流行病の影響で延期になってしまいましたが、Kurageさんでもラバーウェア制作のワークショップをやるそうなので続報が楽しみです。

ちなみに、キャットスーツのキャットは猫ではなくキャットフィッシュ(ナマズ)が語源らしいです。ナマズスーツ、いい響きですね。

そして、トップ画を撮影していただいたTunaさん、お誕生日おめでとうございます🎉🎂

リンク集

ラバーキャットスーツ材料リスト(Spreadsheet)

Kurage 接着剤・クリーナーセット
Kurage Latex Sheet

参考資料


キャラクターの創作費に使わせていただきます。