見出し画像

サン・ファン保存へ要望書 日本船舶 海洋工学会 日本船舶 海洋工学会

 公益社団法人日本船舶海洋工学会が三島愼次郎会長名で、「復元船サン・ファン・バウティスタ号保存に関する要望書」を村井嘉浩知事に送ったことが10日までに分かった。関係者によると、10日現在で県側から特に反応はないという。

 慶長遺欧使節ミュージアム=石巻市渡波=に係留中のサン・ファン号は、老朽化のため県が解体を決定。今秋以降にも取り壊しが始まる見込みだ。

 4月23日付の要望書では、平成5年にサン・ファン号を復元したことについて県や県民の見識を高評価。その上で「文化財的・学術的な価値に鑑み、解体せずに維持保存することを検討していただきたい」と要望。さらに乾燥状態への移行など具体的保存法の一例を示した。

画像1

要望書で提案した乾燥状態に移行可能な工法

 要望書の賛同者として日本航海学会の庄司るり会長、日本船舶海洋工学会の内藤林元会長らも名を連ねた。

 サン・ファン号の解体については、現状のまま修復保存を求める「サンファン号保存を求める世界ネットワーク」(白田正樹会長)が県の監査委員に解体のための予算執行停止などを求める監査請求を行い、回答を待っている状態だ。

 世界ネット関係者によると、今回の要望書は、具体的な修復保存方法を監修した横浜国立大の平山次清名誉教授(造船工学)らが働きかけたもの。今後も可能な限り保存につながる運動をしていきたいとしている。【本庄雅之】


現在、石巻Days(石巻日日新聞)では掲載記事を原則無料で公開しています。正確な情報が、新型コロナウイルス感染拡大への対応に役立ち、地域の皆さんが少しでも早く、日常生活を取り戻していくことを願っております。



最後まで記事をお読みいただき、ありがとうございました。皆様から頂くサポートは、さらなる有益なコンテンツの作成に役立たせていきます。引き続き、石巻日日新聞社のコンテンツをお楽しみください。