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〝地域の台所〟威勢良く初競り 石巻魚市場・青果花き市場 飛躍と消費拡大願い

 石巻地方の台所を担う市場で4―5日、今年最初の競りが始まった。石巻魚市場、石巻青果花き地方卸売市場は前年を上回る売り上げで令和4年を終えており、迎えた5年は卯(う)年にあやかってさらなる飛躍と消費拡大を願った。市場には威勢の良い掛け声が響いていた。【渡邊裕紀、山口紘史】

◆安定供給の維持を

 石巻魚市場(佐々木茂樹社長)は5日が初売り。水産関係者や齋藤正美市長ら約100人が中央入札場に集まり、手締めと乾杯で今年の豊漁を祈願した。

陸送などで入荷した水産物が並んだ(石巻魚市場)

 佐々木社長は海洋環境の変化や未成熟魚の増加、物価高騰、コロナ禍など水産業を取り巻く環境や社会課題に触れ、「卯年は努力が花開き、実り始めるといわれている。活気ある市場を目指し、原魚の安定供給に努める」とあいさつした。

 齋藤市長も「水産業界との連携を深め、持続可能な水産業と漁船誘致に力を注ぐ」と祝辞。手締めは生産者を代表し、八興漁業(株)の阿部達夫社長、乾杯は買受人協同組合の布施三郎理事長がそれぞれ音頭を取った。

 初日は陸送での入荷のほか、金華山沖の定置網で漁獲されたイワシやアジ、タラなど12トンが並び、市場を活気づけた。

◆地域に根差して貢献

 石巻青果(菊池和彦社長)は5日に初市式を実施。買い受け人や行政関係者ら約200人が市場のさらなる繁栄を祈願した。

初日から活気にあふれた競り(石巻青果市場)

 昨年の取扱実績は野菜と果物の合計数量が約6万6232トン(前年比101.3%)。金額で約191億3462万円(同106.9%)と過去最高を記録した。

 同社は昨年12月で創立50周年を迎えたばかり。菊池社長は半世紀の愛顧に感謝を述べつつ「政治経済や国際情勢など変化の激しい世の中だが、市民生活の安定に向けてニーズを的確に把握し、品ぞろえも強化する。地域に根差した企業として貢献し、さらに信頼される市場を目指す」と話した。

 渥美巖東松島市長や安住淳衆議院議員らが祝辞を述べ、全員で手締めをした後、早速初競りが開始。初日は野菜がホウレンソウなどの葉物を中心に約100トン、果物はミカン約50トンが入荷し、競り人の独特の声色が市場内に響いていた。

◆花文化の発展へ

 石巻花卉園芸(立花善孝社長)は4日が初市式。小売店や市場関係者、石巻市と東松島市の両市長が来賓出席し、乾杯に次いで今年最初の競りを始めた。

全国から花が集まり競りがスタート(石巻花き市場)

 立花社長は「市場は生産者があってこそであり、品物をしっかりと橋渡しし、生活に潤いを与える花文化をつなげていきたい」とあいさつ。乾杯しながら消費拡大を願った。

 最初の競りは冬から春先にかけて出回るスイートピーやストックのほか、通年で出荷されるキクやダリア、カーネーションなどが入荷。買受人たちが次々と競り落とし、幸先の良いスタートを切った。





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