見出し画像

〝馬っこ山〟花見の名所に

市民有志ら千本桜計画 地元出身の篤志家支援

 〝馬っこ山〟の通称で市民に親しまれる石巻市南境のトヤケ森山(=鳥屋森山、標高173㍍)が将来、花見の名所になるかもしれない。市民有志らが地元出身の篤志家から寄せられた約2800万円の支援金を使い、同山で「千本桜植樹」を計画。すでに市有地部分を借りる内諾を得ており、19日には関係者が市役所を訪ねて本年度中の植樹完了を目指して準備を進めることを報告した。
 「一般社団法人イヌワシと共生の森いしのまき」(以下イヌワシの会・高橋福子代表理事)を中心に、地元住民、市、石巻地区森林組合が協力し、トヤケ森山に約40㌶ある市有林のうち約7㌶に約1千本の桜を植樹する計画。南北に延びた山の西側に植え、開花時には三陸道や国道45号から見えるようにする。
 事業費は石巻市出身で、複合企業の山田グループ創始者である山田正志さん(100)が全額提供。山田さんは、森林環境づくりに取り組むイヌワシの会の活動を令和元年の設立当初から支援しており、百寿の記念に古里へ恩返しをしようと千本桜の植樹を申し出た。

植樹を進めることを報告した高橋代表理事(中央)ら関係者

11月から植樹予定


 イヌワシの会は当初、上品山への植樹を想定したが、齋藤正美市長からの提案を受け、石巻専修大学や総合運動公園の桜と一体的な名所にできる馬っこ山に変更した。3月29日には、地元の区長も加えて「千本桜植樹協議会設立準備会」を開催。来月に協議会の設立総会を開いて桜の種類などを検討し、森林組合に委託して11月から約1千本を植える。
 咲きそろうまで5年ほどかかり、森林組合が管理し、イヌワシの会も年2回ほどの手入れを予定。心配はシカの食害で、事業費の3分の1はその対策費という。

桜が植樹される馬っこ山。裏側中心で成長すれば表側からも見えるという

 市長室を訪問した準備会会長の高橋代表理事(69)=石巻市大瓜=は改めて市の協力を要請し、「10年後には馬っこ山を桜ロードにし、皆さんが見て感動していただけるようになれば」と期待。齋藤市長は「感謝で一杯。着々を進められるよう協議したい」と話した。【熊谷利勝】

最後まで記事をお読みいただき、ありがとうございました。皆様から頂くサポートは、さらなる有益なコンテンツの作成に役立たせていきます。引き続き、石巻日日新聞社のコンテンツをお楽しみください。