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サン・ファン解体延期求め 石巻市民有志「想う会」 副知事に要望書渡す

 「サン・ファン・バウティスタ号」の解体を1日でも遅らせてほしいと、石巻市民有志は21日、村井嘉浩知事に要望書を出した。県庁を訪ねたのは、石巻交響楽団所属の演奏家、足立弘子さんら。この日に立ち上げた任意団体「サン・ファン・バウティスタ号を想う会」のメンバー5人が遠藤信哉副知事と面会し、思いを伝えた。

 県慶長遺欧使節船ミュージアム=石巻市渡波=に係留されているサン・ファン号は、老朽化に伴って県が解体する方針。これに対して検討不十分なままで解体するのは違法として、「サンファン号保存を求める世界ネットワーク」(白田正樹会長)は、県知事に解体のための公金を支出しないよう住民訴訟を起こしている。

サンファン号解体延期の要望書を渡す足立代表 (17)

副知事に要望書を手渡した足立共同代表(左)

 足立さんらは報道などで解体されることを知り、有志36人で会を結成。要望書では、サン・ファン号は建造の際、5億6千万円の募金が寄せられ、東日本大震災に耐えて復興のシンボルになった、マストが折れた時にはカナダから大木が寄贈されるなど多くの人の「想い」が詰まっていることを指摘。その上で①解体工事を何年か延期する②船が自ら沈むと推測される時期まで、周辺に危険が及ばない対策工事を行ってほしいと要望した。

 遠藤副知事は「しっかりと受け止め、知事に伝える」と応じたが、「沈むまで待つという考え方もあるが、その前に整理しないと次のステップへ進めない」と従来の方針を説明した。

 足立さんは「会員を増やし、草の根運動を広げたい」と諦めない姿勢を示した。当面はミュージアムに通ってサン・ファン号を見守る活動を続けるという。会は、足立さんと石巻市内のカフェ店主佐野良子さんが共同代表。【本庄雅之】


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