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3月28日に開館記念式典 石巻市複合 文化施設 こけら落としに狂言師野村さん

 石巻市は5日、開成地区に建設している複合文化施設(愛称・まきあーとテラス)の開館記念式典を3月28日に開くと発表した。こけら落としとして、人間国宝の狂言師、野村万作さんを招いた記念公演も行う。同施設は東日本大震災からの復興のシンボルに位置付けられ、発災10年となる3月11日の追悼式会場としても使用することが決まった。一般利用は研修室・創作室などが4月から、大小ホール・市民ギャラリーは6月から、博物館は秋ごろの公開となる。【熊谷利勝】

 大小ホールや研修室、和室、創作室等からなる芸術文化センターと、文化、歴史などを伝える博物館からなる複合文化施設。老朽化と被災で解体された市民会館と文化センターの代替として、南境のセイホクパーク石巻(市総合運動公園)北側で平成30年秋に工事が始まった。

 大ホールは石巻地方最多の1254席で、812席の中ホールとしても使用可能。小ホールは300席となる。秋の開館となる博物館は石巻の文化、歴史、震災の記憶を伝えるほか、地元出身の彫刻家高橋英吉の作品や民俗・考古資料の毛利コレクションを展示する。

複合文化施設 (2)

完成に近づく複合文化施設

 総事業費約130億円。今月末の完成を見込み、開館までに備品の搬入などの準備を進める。市は年間2億7千万円ほどかかる維持管理費を捻出するため、施設命名権を付与して対価を得るネーミングライツ・パートナー企業を公募しており、開館後の名称は「マルホンまきあーとテラス」(略称・マルホンテラス)となる見通し。

 3月28日の開館記念式典では午後3時半から正面玄関前でテープカットを行い、大ホールで愛称採用者の表彰などを行う。

 記念公演は午後5時30分からで、野村万作さんが祝い事にふさわしい演目「三番叟(さんばんそう)」、孫の野村裕基さんによる「奈須与市語(なすのよいちのかたり)」などが披露される。入場無料で、招待者150人を除く一般来場者は千人に限定し、来月に募集する。

 市は指定管理者の市芸術文化振興財団と連携し、2年ほどかけてさまざまな開館記念イベントを企画していく。亀山紘市長は定例記者会見で「文化芸術の振興と被災した人の心のケアには復興文化施設が必要」と期待した。


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