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vol.1 石巻市復興企画部SDGs移住定住推進課

んだっちゃ編集室より皆様へのお手紙

「SDGsで魅力的なまちづくり」石巻市復興企画部SDGs移住定住推進課長
遠藤正啓さん

SDGs(持続可能な開発目標)とは、世界中の人々が安全安心に暮らしていける社会を作るために必要な「世界共通の目標」として、気候変動や環境対策、貧困や飢餓など17の目標(ゴール)が定められています。石巻市も2020年度、「SDGs未来都市」と「自治体SDGsモデル事業」に選定されました。SDGsを持続可能なまちづくりにどう活かしていくのか。私たちにできることは何なのか。石巻市復興企画部SDGs移住定住推進課長の遠藤さんに聞きました。

石巻市復興企画部 SDGs移住定住推進課長  遠藤えんどう 正啓まさひろさん


本市がSDGsに力を入れることになったきっかけは、東日本大震災で甚大な被害を受け、半島沿岸部や海辺の市街地の多くの住宅が高台や新市街地に移転したということがあったためです。そのような地域では、住民の間に根付いていた地域コミュニティが崩れ、新たに移り住んだ場所で不安を抱きながらの生活を送ることとなりました。このコミュニティを再生するためには、まずは人と繋がること、そして繋がるためには外に出て、周りの方々との交流が生まれなければなりません。

そのような中で、高齢者の孤立防止や移動手段の確保が課題となりましたが、その解決方法を考える上で、事業の中に経済・社会・環境の三側面を統合的に取り組むことで持続可能なまちづくりを目指すSDGsの考え方を取り入れ、将来にわたって活力ある地域社会の実現を目指していくこととしました。


本市では「経済・社会・環境の三側面を好循環でつなぐ、グリーンスローモビリティ、コミュニケーションロボット、地域交通情報アプリケーション(ローカル版Maas)」を活用した取組を進めてきました。とくにグリーンスローモビリティは、東日本大震災の防災集団移転団地である蛇田のぞみ野地区にて導入し、近隣の商業施設等への新たな移動の足として活用いただいています。運営については、住民組織が中心となってボランティア活動として行っており、その中で新たな繋がりが生まれ、コミュニティの再構築が進んでいます。

また、本市全体でSDGsを推進していくために、SDGsが身近なものだという認識を持ってもらえるよう、市内の全世帯、そして各小中学校に対し、マンガを活用した冊子を配布しました。他にも出前講座などを開催し、すでにみなさんが取り組んでいることがSDGsに繋がっているということを発信しています。


身近なところで取り組めるものとしては、やはりフードロスを削減する取組「てまえどり」だと思います。御家庭で消費する卵や牛乳、食パンなどは奥にある期限が長いものから取りがちですが、意外とすぐに消費してしまいますよね。

本市でも、SDGsパートナーである(株)サンエーさんと連携し、てまえどりのポップを作成して食品売り場に掲示してもらい、啓発活動を進めています。

また、買い物をする時に、マイバックを活用することや、使用していない照明や電化製品の電源を落とすことも、手軽にできるSDGsの取組として、市民の皆さんを対象にした出前講座などで発信しています。


本市が策定している総合計画や各種個別計画に位置付けている各種施策と、SDGsの17のゴールを紐づけ、目標の達成を目指していますが、その達成のためには市民のみなさん一人ひとりの取組が大変欠かせないものとなりますので、御理解・御協力を頂きながら持続可能なまちづくりを進めていきたいと思います。

また、昨年度から東松島市や女川町と連携し、いしのまき圏域としてSDGsを進める取組がスタートしています。二市一町が圏域としてのスケールメリットを活かしながらSDGsの理念の普及を図ることで、地域課題の解決と、持続可能な地域社会の実現に繋げられるよう、取り組んで参ります。


石巻市は、SDGs推進に賛同する企業等を「いしのまき圏域SDGsパートナー」として登録し、連携して普及啓発に取り組むことで、SDGsの目標達成と持続可能な地域づくりにつなげています。今回はパートナー企業の一つ「(株)サンエー(イトーヨーカドー石巻あけぼの店)」の取り組みを通じて、身近な「SDGs」について考えてみたいと思います。

▲認知症サポーター養成講座の様子

同店では自然環境に配慮した取り組みとしてペットボトルリサイクルや節電、食品ロス削減などを積極的に展開しています。このほか、世代を超え、多くの人が集う場という特徴を生かした「認知症サポーター養成講座」なども積極的に展開。社会福祉についての学びや技術を深める機会を提供することはSDGs目標の3「すべての人に健康と福祉を」、11「住み続けられるまちづくりを」に該当する取り組みです。

(株)サンエー取締役管理部長の後藤裕さんは「地域に根差した企業として何ができるかを常に考えていますが、その意識と気付きこそがSDGsの本質なのではないかと思います。地域の皆様と一日一日ひとつでもいいので、共に進めていくことができたらうれしいですね」とSDGsの一歩を勧めていました。


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