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「リボーンアート・スタンド」開店

石巻駅に飲食店 おでん、タコス立食で

 現代アートと食、音楽の総合芸術祭「リボーンアート・フェスティバル(RAF)」の事務局は11日、石巻駅構内に飲食店「リボーンアート・スタンド」を立ち上げた。石巻の食材をふんだんに使ったおでんとタコスを提供する立食形式のバーで、ソフトドリンクや酒類もそろえる。年中無休で営業時間は午前11時―午後9時(日曜日のみ午後3時まで)。農水産物に恵まれた地域の魅力を発信する拠点として機能し、来年以降に開催を予定するRAF本祭に向けて機運を高めていく。

駅にできた新しい飲食店は、にぎわい創出に一役買いそうだ

 RAFは石巻市の中心市街地と牡鹿半島を舞台に繰り広げられる総合芸術祭。平成29年から隔年で開かれ、3回目の昨年は「利他と流動性」をテーマに20人以上のアーティストが参加した。リボーンアート・スタンドはRAF事務局を担う一般社団法人リボーンアート・フェスティバル(松村豪太代表理事)が企画した。

 RAFは、現代アート、食、音楽をテーマにしており、同スタンドは食に焦点を当て駅構内の空き店舗を飲食店に改装した。今夏の石巻川開き祭りに試験営業し、おでん、タコスを販売。利用者から好評だったため、常設に向けて準備を進めてきた。

店舗で提供されるおでんとタコス

 おでんは大根やさつま揚げ、たまごなど5種のおまかせ盛り合わせが980円で単品でも注文できる。地元産食材にこだわり、つゆのだしには、市場に流通しない未利用魚のイシガニを活用。ぼたん焼きちくわなど練り物は、石巻おでん部会に所属する山徳平塚水産㈱(平塚隆一郎社長)=同市魚町=が提供した。

未利用魚と鹿肉使用

 一方、メキシコ料理のタコスは3種類そろえ、石巻らしく鹿肉(850円)を押し出しており、ジビエの卸販売を行うアントラークラフツ(小野寺望主宰)=同市小積浜=が狩猟と下処理をし、鹿肉を届けている。

 8日に関係者向けに開かれた試食会で、松村代表理事は「まちなかの玄関口に店があることで人が集まり、交流の輪が生まれる。石巻の食の魅力、クリエイティブなまちとしてここから発信していきたい」とあいさつ。平塚社長も「鹿肉とともに、おでんのまちとして石巻が有名になってくれれば」と語った。

 試食会にはRAFや市の関係者など約40人が参加し、同駅の三笠亜希子駅長は「鹿肉は初めてだが、くせがなくとても食べやすい。おでんもだしが効いており、食を通して駅に人が集まるきっかけになれば。観光面でも一役買う存在になるのでは」と期待した。
【渡邊裕紀】


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