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3日間で計27万6千人

第100回 石巻川開き祭り
尺玉復活 花火大会に15万人

13年ぶりに開北橋下流で行われた花火大会

 第100回を迎えた水の都の風物詩「石巻川開き祭り」は3日間の日程を終え、6日に閉幕した。主催者まとめで3日間の人出は昨年(2日間開催)より14万7500人多い27万6千人と倍増。特に2日目(5日)に旧北上川であった東京ディズニーリゾートのドローンショーなど特別事業や、震災後初めて開北橋周辺で行われた約1万6千発の花火大会が来場者数を底上げした。コロナ禍以降初めて制限のない祭りとなり、内外から大勢の人でにぎわった。
 最も大きなにぎわいを見せたのは2日目のフィナーレを飾った花火大会。昨年まで中心部を会場に繰り広げられていたが、今年は震災前の開催地だった開北橋下流に戻し、1万6千発と震災前と同じ東北有数の規模で実施。迫力満点の大玉100連発や、川の水鏡も楽しめるスペシャルスターマイン、開いた時の直径が約280㍍の尺玉(10号玉)、音楽に合わせたミュージックスターマインなど多様な花火が夜空を焦がした。
 堤防越しに花火を見上げた石巻市蛇田の早坂真澄さん(44)は「花火の迫力と体に響く尺玉の音、そして開北橋周辺での開催で、震災前の祭りを思い出した」と笑顔を見せ、開北小周辺で眺めた青葉中1年の加藤千愛さんと黒須栞菜さんは「これほど大きな花火を見るのは初めて」と声をそろえた。
 主催の実行委(事務局・石巻商工会議所)によると花火大会の来場者数は約15万人。堤防を挟んだ北側の川沿いが有料観覧席、南側が無料観覧エリアとなり、特に無料エリアや歩行者天国となった開北橋周辺の道路は大勢の人でごったがえした。
 実行委は、セイホクパークや住吉中など数回所の臨時駐車場を設けたが、午後2時ごろから会場周辺のバイパスを中心にいたるところで交通渋滞が発生した。【山口紘史】

夜空彩る笑顔と夢の魔法
ディズニードローンショー

約700機のドローンが人気キャラクターを次々と描いた

 東京ディズニーリゾートの開園40周年を記念した無人航空機(ドローン)ショーが5日、旧北上川の開北橋周辺で、花火大会の直前に行われた。夜空に次々と浮かび上がるディズニーキャラクターたちに、来場者からは大きな歓声が上がった。
 約700機のドローンが北上川上空に舞い上がり、鮮やかなライトを光らせて移動しながらミッキーマウスやピーターパン、ラプンツェルなど有名キャラクターを表現。おなじみのディズニーソングに合わせ、キャラクターたちが語り出す演出も加えられた。ショーは約15分行われ、見上げる子どもたちに夢と笑顔を与える〝魔法〟をかけていた。
 ショーは7月に静岡県と北海道であり、8月は石巻が最初で最後。この貴重な演出を一目見ようと、大勢のディズニーファンも駆け付け、県外ナンバーの車も目立った。【山口紘史】

暑い夏に背筋凍る体験
お化け屋敷リターンズ 1300人が悲鳴

迫るゾンビに足が止まる参加者

 背筋が凍る「お化け屋敷リターンズ」が6日、アイトピアホールで行われた。参加者は暗くおどろおどろしい館内を歩き、現れるお化けやゾンビに悲鳴を上げ、夏の風物詩を体感した。
 かつて川開き祭りでは民間興行でお化け屋敷が催され、アイトピア通りに設けた見世物小屋の前には人だかりができた。その印象は多くの人の思い出に残っており、一般社団法人石巻青年会議所(後藤峻理事長)が100回記念に合わせ、1日限定で復活させた。
 ホールの前には、市立桜坂高校美術部と生徒有志が描いた高さ3㍍、幅6㍍の巨大な看板が設置された。館内はちょうちんお化けやお岩さん、カッパなど昭和を象徴するお化けや妖怪が出没。扉を境に令和の時代に移り変わり、ゾンビの集団などが襲い掛かった。
 お化け役や案内、受付は同会議所のほか中学生から一般までのボランティアを含む計約70人で対応。演技指導や演出は、東松島市のおばけ屋敷創作団体バケラッタ(外処健一代表)が務め、約1300人が暑い夏に涼しい体験をした。
 石巻市の稲井地区から来た高橋幸奈ちゃん(7)は「ろくろ首にびっくりした」、弟の幸太郎君(4)は「ゾンビが怖かった」と泣きじゃくった。父の一輝さん(33)は「幼いころ、とても怖かったことを覚えている。子どもを連れて来られたことがうれしい」と話していた。
 同会議所祭り実行委員会の千葉隆太委員長は「川開きのお化け屋敷は私にとっても子どものころの原体験。大人も子どもも楽しめるように工夫し、大盛況となった」と入場を待つ人の列に驚いていた。【泉野帆薫】


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