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ルツ記 ボアズの背景

ボアズの時代

ボアズの母ラハブはエリコの滅び(1473BCE)を逃れイスラエル人とともに暮らすようになります。
ラハブはサルマと結婚しボアズを産みます。
ラハブがエリコを脱出した時25歳だったとしましょう。そして30歳でボアズを産んだとすると1468BCE頃ボアズが生まれたことになります。ルツと出会ったときのボアズの年齢はやはりわかりませんが、ルツよりもかなり上のようなので、50歳くらいと考えていいでしょう。そうすると、二人が出会ったのは1418BCE頃ということになります。
ヨシュアの死が1450BCE頃なので、最初の裁き人オテニエルが治めていた時期かもしれません。(裁3:11) ヨシュアの死後イスラエルはメソポタミアの王クシャンに8年間仕え、その後オテニエルが裁き人となります。彼が勝利を収めたのち40年間平穏だったと述べられていますから、その時期である可能性が高いです。

母ラハブ


ボアズの母ラハブはヨシュア4:2に記されているようにエリコで暮らすカナン人の娼婦でした。イスラエル人のスパイたちを匿い、エホバに対する信仰を示したために守られました。6:23-25を見ると、ラハブと彼女の家族は最初イスラエルの宿営の外にいたことがわかります。そしてその後イスラエル人の中で暮らすようになります。ラハブと結婚したサルマはイスラエル人ですから、ボアズは外国人として幼少期を過ごしたわけではありませんが、母親からエリコで救われたいきさつや外国人としてどんな扱いを受けたのかを聞いていたことでしょう。あるいは少年時代、母親がカナン人であるゆえに不当な扱いを受けるというようなことがあったかもしれません。いずれにしても、そのような背景をボアズは持っていました。ですからモアブ人のルツが異国からやって来て、落ち穂拾いをしているのを見たとき、ボアズは若き日の母親ラハブのことを思い描いていたのかもしれません。

ボアズはルツの示した揺るぎない愛と信仰に注目しました。
冒頭の絵はミレーの描いた「落ち穂拾い」
フランスの農村の様子ですが、ルツ記の記述がモチーフになっています。



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