詐欺師に気付かされた夫婦のあり方

私の場合は詐欺師につけこまれたのは、普段の仕事と子育てて疲れていたところ、労ってくれて認めてくれて励ましてくれたからだと思う。

根本的に夫ともっときちんとコミュニケーションを取りたいという寂しさがあったと思うし、仕事や子育てで頑張っている自分をもっと認めて欲しかった。

これは、詐欺とは無関係に夫婦で向き合う問題だと思う。

ただ、夫は最愛のパートナーで私のことを理解してくれているけど、根本的に私たちには人間として違いがあり過ぎて、(お互いの足りないところを補い合うような関係で、だからこそ惹かれているんだけど)当時の詐欺師のように私の望むような形のコミュニケーションは不可能だと思う。

つまり私に必要なのは、その状況を理解した上で少しでも夫との関係をより良くしていくかを考えることである。

そして、今までと同じく彼の良いところに目を向けて、私もより良いパートナーになれるよう努力して、そもそも相手に無い要素は求めない、受け入れる。

受け入れた上で、その隙間を他人に埋めてもらうのではなく、どう自分で埋めるか、という努力をしないといけないなと。

優秀な詐欺師は相手の心理を見抜いて、1番心に刺さるシナリオを用意するんだと思う。

そんなふうにいつも自分の都合の良い言葉をくれる相手は、現実にはいないだろう。

彼らは目的があるからマメに連絡をくれ、欲しい言葉を欲しいタイミングでくれて、どんな時でもこちらを気にかけて気遣ってくれるんだ。

現実の私たちは日々の仕事や生活に追われ、忙しいときも気持ちに余裕が無い時もあるし、それが相手への態度に出てしまうものだろう。

都合の良い話はない、というのと、同じくらい、そんなに都合の良い相手はいないのだ。

普段は意識していない理想の異性が突然目の前に現れ、少しずつ時間をかけて信頼関係を構築していく。洗脳のような状態になる。

実際に会わないからこそその理想が保たれているんだけど、会わないから信用できない、好きにならない、ということにはならない。

優秀な詐欺師は本当にその人物が存在しているように振る舞うし、見えない部分はこちらで都合よく補完してしまう、人間ってそんなもんだと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?