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『欲しかった板』と『イラスト』。

はじまり。はじまりっ。

 

イラスト。

Twitterを本格的に始めたとき
自分は筆ペンで線画を描き
それをスマホに写して
デジタル彩色していた。


筆ペンを使うことが唯一無二だと感じ、
イラストにかける金銭もなかった
その時駆け出しの私は、
筆にありったけの魂を込めて
白紙で描いていった。


掠れるばかりのペンを
これでもかとギリギリまで使い
一本一本を使い切らしていく。

そして切れたペンを補充するために、
どこのブランドかもわからない
100円ショップへ赴き、
何本も何本も買っていた。

しかし、その技法も
始めて1年目の冬、
ついに終焉を迎えた。


某大型中古系販売店をぶらっと訪れたとき。


ふとスマートフォンやパソコンなどの
ショーケースを目にする。

そしてその、"黒い板"を目にしたとき
私は目を疑った。

「あっ、ペン!液タブ!?」 

顔をめり込ませるがごとく、
商品めがけて、ガラスを覗き込んだ。

その時のわたしは、
幼い頃おもちゃランドへ
連れて行ってもらったとき
これでもかとおもちゃが目前に広がった光景に
目を輝かせていた時と同じ表情だった。

夢に見たペンタブ。

液晶付きタブレットなど5〜6万円が
相場と言われる時代に見つけた "やつ" は
1万2千円。

確かなのか!?
確かか?



実は「ペンシル」だけでした〜!とか
その下に置いてある
どこのメーカーかも分からん、
謎のバッテリーとかがじゃないのか?



夢中でそんなことを考えながら
ショーケースをジロジロ見ていた。

途中、ふと不審行動と勘違いされて
通報されるのではと被害妄想が出てしまったが…。


やっぱりそうだ。
ペンタブが1万2千円なのだ。


ついに…!
ついにきた…!
ついに、理想のペンタブレットを見つけた!

意気揚々と型番を調べ、
不良品ではない事を確認。


以前、2万円するイヤホンで初期不良を
即引き当てたことがあるのでかなり慎重になる。

そして、ついに
係の方へ声をかけ、
閉ざされていたガラスの戸から
ペンタブレットを出してもらった。

そして、
片手に、これから相棒になるであろう板を抱え、
レジカウンターへと向かった。

会計担当の方へ
「お願いします。」
と声をかけ、会計を行う。


すると会計担当の方が
『アプリはお持ちですか?』
と声をかけてきた。

アプリ。
アプリケーションね。
もちろん!持ってますとも!

『はい、あります。少し待っていただいても大丈夫ですか…』
と声をかけ、
スマートフォンを取り出しアプリを開く。

「ありがとうございます。」
「では、家電製品ですので、保証について…」
店員の方に説明していただいている間も
何故か浮かれ気分だった私。

「…お願いいたします。ではお支払いは…」

あっ、説明が終わってた。
『カードで』と言い、持っていたカードで

上白石萌歌さんのように
華麗なステップで、

決済機に自分のカードをタッチした。

『はい、ありがとうございます。
こちらレシートです。
ありがとうございましたぁ〜』

ありがとう!店員さん!
ありがとう!○○○○○!
さすが、おともだちのお店だなぁ!

意気揚々と袋を持って、
友人と店から飛び出て
エレベーターホールへ
行こうとした。


その時!!!!

ビーッ!!!ビーッ!!
ビーッ!!!ビーッ!!
ビーッ!!!ビーッ!!
ビーッ!!!ビーッ!!

「警告音」


ビーッ!!!ビーッ!!
ビーッ!!!ビーッ!!

えっ…?

袋の中身から音…?
真横を見るとそこにはセンサーゲート。
袋を見ると大切にしようと決めた板に
くくりつけてある黒い物体。

あれっ!?
これってセンサーついたままじゃ…

あっ…
ああっ…!
気づかなかった!!
も、申し訳ない!!

慌ててレジへ戻る。

戻る途中、
周囲数メートルに響く警告音で
周囲の人々は、
次々と僕と僕の持っている袋をジロジロッと、
懐疑的な目で光らせ
圧を送ってきているのを感じる。

『すみません!センサー付きっぱなしみたいで…』
と手に持ったレシートをスッと置き
センサーを取り除いてもらう。

「すみません〜っ…、検品のときに外してませんでしたね…。」
『いやいや、私も気づかなかったので…申し訳ないです…。』

店員の方に謝り、
「私は万引き犯ではありません!」と
堂々と歩いてエレベーターホールへ戻る。

そして、
丁度来たエレベーターに
友人とともに
忍者のように入り
降りていった。

「堂々とすれば良いんだ」
ただ自分の恐縮の気持ちが
脳を圧迫して、
そんなフリをして逃げてしまう。
聞こえないというか
見えていない、
そんな気持ちになれることは
多分できないのだろう。

「はぁ…っ…。」
「驚いた…なぁ…。」

「冷静沈着」その言葉を自分に使えるのは
一体何時になるのだろうか。


私と似た友人と
夜のまちなかの中
雑居ビルのエレベーター内の
暗い電灯の下で
反省しきりだった。


これから。

そんな恥ずかしかった
あの時の想いは、
今、鮮やかな色彩ともに
一つひとつの作品になっている。

数々の経験が
心のパレットから、
楽しさや恥ずかしさ、
悲しさや好きという思いが漂い、
私の内なる感情を奥深く揺さぶり
形になる。

だけども…

もう恥ずかしいのは

ゴメンですかね…!

そんな感じで、
イラスト見習い2年目も
恥ずかしさを代償に得た
板とともに続いていきます。

なので!

なので!

どうかこれからも

よろしくお願いします!

分からないコトとか書いたり

突然しばらく消えたりしてますけど!

どうか!

不束者を!

絡んでやってください!!

では!

今回はこのへんで!

ドロンさせていただきます!

では〜〜!

またー!!

バイバイー!

またねー!

 


※ちなみに友人というのは
ワタクシの母のこと。
母は元イラストレーターでした。
母への憧れのお話は今度書きますねっ。



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