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10円ハゲは、逃げずに頑張ってる証だと思う。

わたしの10円ハゲ。

私が初めて”10円ハゲ”と言う言葉を知ったのは、小学生の頃。


鏡の前で髪を抜くのが癖になり、いつのまにか、学校でも抜いてたみたい。

気づけば、鏡の前に立つ私の頭には、ハゲがあった。

『髪を抜いてはいけない』

頭ではわかってるのに…どうしてもやめることができなかった。


『治った』と思っても、また現れる10円ハゲ。

10円ハゲは、高校に入るまで何度も現れた。

『お前はダメなやつだ』『お前が悪いんだ』と責められてるみたいで。

それに気づかれるのが恥ずかしくて、こわかった。


高校生になったら、ほんの少しだけ世界が広がって。両親の監視下からほんの少しだけ飛び出したような気がした。


高2の時、知人の10円ハゲに気づいた。隠しても隠し切れなかった10円ハゲだ。

『私と同じだ』

そう思った私の頭には、もうハゲはなかった。

気づいたときには、私の10円ハゲはなくなってた。

10円ハゲは、逃げずに頑張ってる証。

セラピストになってからも、何度か、お客様の10円ハゲに遭遇したことがある。

必死に隠そうとする人。

『隠してもばれると思うから…』とか『かわいそうだと思って、気を遣われるのがイヤだから…』と、自ら10円ハゲを告白してくれる人。

いろんな人がいた。

彼女たちが10円ハゲを告白してくれた時、私はどんな言葉をかけるのが正解かなんてわからない。

ただ、彼女たちは頑張ってるんだなって思った。

頑張ってる彼女たちが、少しでも癒されるように、安心して過ごせるように、『明日から、また頑張ろう』って自分に力に変換できるように…私にできることをする。


彼女たちが『恥ずかしい』と感じているなら、その不安が少しでも和らげまばいいなって思う。

彼女たちが『どう思われるだろう?』と不安に感じてるなら、その不安が少しでも軽減すればいいなって思う。

だから私は、10円ハゲだった過去を話すことがある。


10円ハゲができるほどのストレスを抱えても、心が苦しくても、弱音を吐かずに、一生懸命に立ち向かってるのだ。逃げることなく。


直視できないような現実に直面して、心がぐっとなっても、そこから逃げることなく、立ち向かおうとしてるんだ。

もし逃げようとしてるなら、簡単に逃げてしまったら10円ハゲなんてできないと思う。きっと。


辛いことがあっても、嫌なことがあっても、現実に立ち向かおうとしてる彼女たちは、ものすごくかっこいいと思う。


時には、『逃げてもいいんじゃない?』『もっと気楽に考えてもいいんじゃない?』と思う時もある。

彼女たちは、かっこいい。

でも、一人で問題を抱え込んで、頑張りすぎてることもある。

『一人で解決しなきゃいけない』と問題を抱え込みすぎてることもある。

そんなときは、ほんの少しの提案をしてみる。

私にできるのは、彼女たちを信じて見守ることだけだ。


ただ、1つだけ伝えたいことがあるとすれば…

10円ハゲは、逃げずに、立ち向かってる証なんだと思う。

必死に頑張ってる証なんだと思う。

恥ずかしいモノなんかじゃない。


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